「管理組合の運営」 目次 > 東京都マンション管理適正化条例 > 各自治体のマンション登録制度 > カナダの登録条例との比較

各自治体のマンション登録制度

1.豊島区、2.墨田区、3.板橋区、4.中央区、5.大阪府、6.京都市のマンション登録制度の概要です。

1 豊島区マンション管理推進条例

豊島区マンション管理推進条例
     平成24年(2012年)12月制定、平成25年(2013年)7月施行

全国で初めて管理状況などの届出を義務化した条例を制定

○条例制定の背景・目的 ; 安全・安心で快適な住環境、生活環境の形成

分譲マンションの課題
・合意形成の難しさ
・管理への関心の低さ
・不明確な管理責任
・管理に関する情報不足

危険な建物の増加 ⇒ 地域にも悪影響
管理に必要な事項を条例で示すことにより
マンションの良好な維持管理を行うための
合意形成の円滑化と居住者間等及び地域との
コミュニティ形成の推進

○条例の主な内容
1 区長、区分所有者、管理業者等の責務を明記
2 マンション管理、防災・防犯、コミュニティ形成について義務規定と努力義務規定を明記

実行性の確保
1 マンションの管理状況の届出を義務化(既存及び新築の全てのマンション)
2 未届や条例不適合のマンションに対しては、区からアドバイス・支援を行うとともに、 状況に応じて指導・勧告の上、マンション名の公表を行う。

マンションの適正管理に関する義務規定
・管理規約等の作成及び保管・閲覧
・総会等議事録の作成及び保管・閲覧
・名簿等の作成及び保管
・連絡先の明確化
・法定点検、設備点検・清掃の適切な実施
・長期修繕計画の作成

○条例の施行状況

	   分譲マンション数 	報告マンション数 	報告率 
 R1.6.30時点 	1,171 	      800 	    68.3%

2 墨田区分譲マンションの適正管理に関する条例

墨田区分譲マンションの適正管理に関する条例
     平成28年(2016年)12月制定、平成29年(2017年)年4月施行

豊島区に続き、管理状況などの届出を義務化した条例を制定

○条例制定の背景・目的
  :区民の財産及び安全で安心な住環境並びに良好な市街地環境の保護

 分譲マンションの課題
・管理規約・総会議事録がない
・設計図面・長期修繕計画がない
・区分所有者の名簿がない
・修繕積立金がない
・大規模修繕工事を実施したこと
 がない

マンションが管理不能・スラム状態になる
管理に必要な事項を条例で示すことにより
管理組合の合意形成の円滑化と居住者間等
及び地域とのコミュニティ形成の推進
良好で継続的な住環境の維持促進

○条例の主な内容
 1 区長、区分所有者、管理者、管理業者等の責務を明記
 2 マンション管理について義務規定と努力義務規定を明記

マンションの適正管理に関する義務規定
 ・管理規約等の作成と保管
 ・総会等議事録の作成と保管
 ・長期修繕計画の作成
 ・区分所有者・居住者等の名簿の作成と保管
 ・設計図書等の保管
 ・法定点検、設備点検・清掃の実施

実行性の確保
マンションの管理状況の届出を義務化
(区内の全てのマンション(3階以上・6戸以上))
未届や条例不適合のマンションに対しては、 区からアドバイス・支援を行うとともに、 状況に応じて指導・勧告の上、マンション名の公表を行う。

○条例の施行状況

	     分譲マンション数  報告マンション数 	報告率 
  R1.7.10 時点 	1,195 	     612 	    51.2%

3 板橋区良質なマンションの管理等の推進に関する条例

板橋区良質なマンションの管理等の推進に関する条例
     平成29年(2017年)12月制定、平成30年(2018年)7月施行

○条例制定の目的
   :安心安全な住環境づくりと良質な住まいの確保を促進

○条例制定の背景
・板橋区を代表する団地である高島平団地の入居が開始された1972年(昭和47年)頃から建築数が増加
・板橋区の住宅の総数268,180戸のうち、分譲マンションは、61,970戸
 今や分譲マンションは区民の住まいの形態として大きな柱となっている。
 一方で、多くの分譲マンションにおいて老朽化が進んできており、
 建物の修繕資金の不足や管理不全などの問題が生ずることが懸念されている。

管理に必要な事項を条例で示すことにより、マンションの適切な維持管理と、 居住者等間及び地域とのコミュニティの形成を推進する。

○条例の主な内容
1 区長、区分所有者、管理者、管理業者、分譲事業者等、
  マンション管理士等、宅地建物取引業者、 居住者等の責務を明記
2 マンションの適正管理、危機管理、コミュニティ の形成について、
  義務規定と努力義務規定を明記

マンションの適正管理に関する義務規定
 ・区分所有者全員でマンションを適切に維持管理
  (管理組合を置き、集会を開き、規約を定め、管理者を置く)
 ・管理規約等の設定及び取扱い
 ・議事録の作成及び適正な取扱い
 ・設計図書等の適正な保管
 ・法定点検、設備点検、清掃等の適切な実施
 ・長期修繕計画の作成
 ・名簿の作成及び保管

実行性の確保
マンションの管理状況の届出を義務化 (区内の全てのマンション)
未届や条例不適合のマンションに対しては、区からアドバイス・支援を行うとともに、 状況に応じて指導・勧告の上、マンション名の公表を行う。

○条例の施行状況

	  分譲マンション数 	報告マンション数   報告率 
 R1.6.30 	1,771棟 	 920棟(835件)   51.9%

4 中央区マンションの適正な管理の推進に関する条例

中央区マンションの適正な管理の推進に関する条例
     平成21年(2009年)3月制定、平成21年(2009年)10月施行

○条例制定の背景・目的
 中央区のマンション居住世帯率は88%となっており、区民の主要な居住形態となっている

マンションの適正な維持管理を誘導
管理に必要な事項を条例で示すことにより、良好なマンションストックの形成と、 マンション居住者間や地域住民とのコミュニティの育成と振興を支援

○条例の主な内容
1 区長、建築主、所有者等、管理業者、居住者の責務を明記
2 適正な管理を行うため、建築時等の基準について示すとともに、
 適正な管理を推進するため、所有者等への努力義務規定を明記

マンションの適正管理に関する所有者等への努力義務
・自己のマンションの適正な管理
・条例で規定する「建築時等の基準」に基づく施設及び設備の維持
・長期修繕計画の作成及び適時適切な修繕の実施
・劣化診断等の実施及び長期修繕計画の見直し
・居住者間及び居住者と地域のコミュニティの振興を図るための、居住者間のコミュニティ活動、地域コミュニティへの参加及び連携、災害発生時の体制の整備

5 大阪府分譲マンション管理適正化推進制度

大阪府分譲マンション管理適正化推進制度  平成29年(2017年)2月創設

1 目的
管理組合が管理状況を報告することにより、管理状況の課題に気づき、その改善に取組むきっかけを提供する。
2 概要
管理状況等の報告をした管理組合に適正な管理のために必要な情報や専門家のアドバイスなど支援を実施。
3 登録内容
○対象管理組合(平成31年3月現在登録数 87件)
○登録項目
管理組合名、理事長又は代表者の連絡先、
建物の基礎情報
○報告項目
管理組合の活動状況、経理の状況、修繕積立金の額、長期修繕計画作成の有無、
大規模修繕工事の実施の有無、耐震化の状況等
管理状況を分析した結果を通知
4 支援内容
・管理状況に応じた情報の提供
・相談対応窓口の設置
・セミナーの開催
・アドバイザーの派遣
5 運営
大阪府分譲マンション管理・建替えサポートシステム推進協議会

6 京都市高経年マンション実態調査

京都市高経年マンション実態調査 平成23年12月1日 〜平成24年3月15日

1 調査概要
市内の高経年マンションの実態調査を行い、ポイントに沿って各マンションを分類
2 調査対象
平成2年以前に建築された京都市内の分譲マンション
3 調査期間
平成23年(2011年)12月1日 〜平成24年(2012年)3月15日
4 調査方法
調査票による調査及び現地調査
5 調査対象数、回収率等

           調査票による調査     現地調査
 対象数          663          663
 回収総数、現地調査数   302          658
 回収率、現地調査実施率  45.6%         99.2%

6 調査結果を基にした要支援マンションの把握:市内663マンション
管理組合の有無、管理規約の有無、総会・理事会の開催状況等、 管理運営のポイント及び建物劣化の状況により分類

   グループ名        分類の概要 マンション数
第1グループ建物に深刻な劣化が認められず、 標準的な管理組合運営が行われているマンション45マンション
第2グループ建物に深刻な劣化は認められないが、 標準的な管理組合運営が行われていない部分が認められ、 今後要支援マンションとなる可能性があるマンション234マンション
第3グループ
(要支援マンション)
京都市住宅マスタープランに定義される要支援マンションの4項目(※)のいずれかに該当するマンション、 または建物に深刻な劣化症状が複数個所に認められるマンション34マンション
第4グループ
(要支援マンション)
建物に深刻な劣化症状が多数認められ、修繕だけでなく建替え等も視野に入れた検討が必要と認められるマンション13マンション
分類できず建物劣化については、 現地調査による劣化箇所が0又は1であり支援の必要性が認められない。
管理状況については、アンケート回答なしのため分類不能
337マンション

※京都市住宅マスタープランに定義される要支援マンションの4項目
@管理規約が無い A総会又は理事会が開かれていないB管理費又は計画修繕のための積立金を徴収していないC大規模修繕工事を実施していない

要支援マンションとして位置付けたマンションには、毎年ヒアリング及び建物外観調査を実施し、専門家派遣等を打診している

京都市高経年マンション専門家派遣運営業務

○ 要支援マンションの現状把握(ヒアリング・建物外観調査)
・全ての要支援マンションに対し、マンション管理士、建築士、司法書士等の専門家を派遣
 管理組合や窓口がない場合は、できる限り、区分所有者と接触できるまで訪問
・管理組合の運営状況・建物の劣化状況を把握し、今後の支援の方向性について提案

○ 要支援マンションへの専門家派遣
・現状把握したマンションのうち5件以上に対し、上記の専門家を複数回派遣
 各マンション管理組合との協議は、約10回程度
・要支援マンションとなった原因分析や、解決方法の検討等を行うとともに、
 総会や理事会の開催、管理規約の作成や改正等の管理組合の運営に係る
 具体的な実務に関する助言や支援を実施

○ 要支援マンション管理組合への役員派遣 ・現状把握したマンションのうち2件に対し、
  管理組合の外部役員として専門家を派遣
  各マンション管理組合との協議は、約15〜20回程度
・最長2か年以内に、区分所有者が主体的に管理組合を運営できるよう誘導

京都市と委託事業者の協議の上で,各派遣制度の対象マンションを選定する。(併用はしない)