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カナダのコンド法令体系

カナダ・オンタリオ州のコンドミニアム法を紹介しています。

法令体系
Law(法律)は、ひとつの統一的秩序のもとに、Act(法)の下に Regulation(政令・省令・条例)を設けています。
Act(法)は専属所管事項(国民に義務を課し、又は国民の権利又は自由を制限する規定)を定め、 その法の委任によって、その法の施行若しくは実施のために必要な細則又は手続き等に関して定める命令が Regulation(令)です。

「Act」はAction 、即ち国会のアクション(=議決)を得て制定される法律です。
「Regulation」には、電流や水量を調節する装置をレギュレーター(Regulator)というように、 ある動作をより細かく調節するという意味があります。

(参考) 管理業者を規制する目的で作られた法律名称
日本の「マンション管理適正化法」の国交省 (Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism) 
による英訳名は "Act on Advancement of Proper Condominium Management" で、
「適正化」を英語に直訳して "Advancement of Proper" としています。

適正化する対象は"Condominium Management"に関わる(管理組合?、管理業者?)の誰なのか、
適正化して守るべき当事者は誰なのか、法律名称からはわかりません。

同じ目的のカナダの法律名称は" Condominium Management Services Act" (コンド管理業法) です。
日本の「適正化法」は、いつのまにか、管理組合を「適正化」する意味に変わってしまいました。

以下、それぞれの専属所管事項のもとに展開されている法令体系の詳細について解説しています。


コンド所有者を守る3つの法律

Three laws protect condo owners when buying and living in a condo:
コンドミニアムを購入して住むとき、所有者は3つの法律で守られます。


(1) Condominium Act (コンドミニアム法)
regulates how condo corporations are created, owned and governed
各区分所有者が管理組合を結成しオーナーとして運営することについて規定しています。

(2) Condominium Management Services Act (コンドミニアム管理業法)
condo managers and condo management companies must follow
管理者及び管理業者が守るべき事項について規定しています。

(3) Ontario New Home Warranties Plan Act (新築住宅保証計画法)


(1) Condominium Act (コンドミニアム法)


   法令体系

 (Act)
   Condonium Act, 1998, S.O. 1998, c. 19
 (Regulation)
    O.Reg. 48/01 (Act の内容全般にわたって実施のために必要な細則又は手続き)
    O.Reg. 49/01: Description and Registration (管理組合登録データベースの管理規定)
    O.Reg. 181/17: Designation of Condominium Authority (コンド専門行政機関の設立任命規定)
    O.Reg. 179/17: Condominium Authority Tribunal (コンド紛争専門行政裁判所の設立任命規定)
    O.Reg. 377/17: Condominium Returns (管理組合登録に関する申告手続と罰則の規定)


(2) Condominium Management Services Act (コンド管理業法)


   法令体系

 (Act)
   Condominium Management Services Act, , 2015,
   S.O. 2015, c. 28, Sched. 2

 (Regulation)
    CMSA-O.Reg. 123/1 (Act の内容全般にわたって実施のために必要な細則又は手続き)
    CMSA-O.Reg. 3/18: Code Of Ethics And Discipline And Appeals Committees
               (業者が守るべき倫理規定と罰則、被処分業者の控訴委員会への抗告手続)
    CMSA-O.Reg. 4/18: Complaints, Insurance and Other Requirements
                  (苦情処理、責任賠償保険、その他)
    CMSA-O.Reg. 177/17: Designation of Adminitrative Authority
                  (コンドミニアム庁への監督権限の任命)
    CMSA-O.Reg. 178/17: Delegation Of Regulation-Making Authority To The Minister
                  (監督権限をコンドミニアム庁に委任する行政契約)


(3) Ontario New Home Warranties Plan Act (新築住宅保証計画法)

 (Act)
   Ontario New Home Warranties Plan Act
    ○ deposit protection (預り金の保護)
    ○ a warranty program that protects owners against many building defects
      (住宅の瑕疵に対するオーナー保護のための保証プログラム)
    ○ direction on resolving disputes with vendors
      (住宅販売者との紛争解決の手引き)



(注) Regulation に対応する日本の法令は?

日本の法令体系
法の委任によって、その法の施行若しくは実施のために必要な細則又は手続き等に関して定める命令には、 政令、府令、省令の3つがあります。

○ (1) 政令とは内閣府の制定する命令を言い、法の施行若しくは実施のために必要な細則、 又は手続き等に関して定める命令(実施命令)と、法自らが明示した一定の事項について、 その委任を受けた事項について定める命令(委任命令)のふたつがあります。

 更に、政令の委任によって内閣総理大臣が発する命令(府令)と各省大臣が発する命令(省令)があります。

○ (2) 地方自治体の条例は、日本国憲法第94条【地方公共団体の権能】で規定された「法の範囲内で」、 具体的には地方自治法第14条【条例・罰則の委任】に基づいて制定されるもので、 その強制力と有効性は、すべての法律の中で最も低位にあります。

カナダの法令体系

○ カナダは日本と違い、各州に大幅な自治権が委託されています。
その為、それぞれの州に首相、内閣及び議会があり、連邦法に抵触しない範囲で、 独自に法を制定することができます。
カナダのRegulationは、専属所管事項を定めたActと一体となって運用されるという点において、 日本の地方自治体の条例とは異なることにご注意ください。