ホーム > 大規模修繕目次  > 【前頁】 9.資金計画 > 10.施工業者選定の手順 > 【次頁】 11.総会を成功させよう

10.施工業者選定の手順

 施工業者選定方法の検討

1) 競争見積選定
複数の業者に見積を依頼し価格的な競争を基本とした選定方式で、競争効果により工事費の低減化が計りやすい。極端な低価格は要注意です。

2) 特命選定
管理会社や信頼できる業者がいる場合にその一社との交渉で価格を 決めていく選定方式で、競争見積より高くなる傾向が強い。
一社に決める客観的な理由が不明確な場合トラブルの原因になる。

フェアな選定であることが最も重要です。

1. 最終改修計画案の策定

 ・工事期間中の監理業務を委託する方針を決定します。

2. 改修計画案の説明会(臨時総会の承認)

 11.総会を成功させよう

3. 参加業者応募基準の策定

 工事の規模に応じて見積参加業者資格の基準を策定します。
会社規模、創業年数、マンション改修工事実績、経営内容(決算内容等)

4. 基準にもとづく参加業者の募集

 区分所有者、居住者の紹介
・専門誌への募集広告(規模が大きい場合が多い)
・データバンク等の改修工事業関係の情報収集

5. 設計仕様書の内容についての見積参加業者への現場説明の開催

ゼネコン(総合建設業)または管理会社と専門改修業者とを一緒に行わない注意が必要です。
元請け、下請けの関係が広範に有り、正常な競争が阻害される恐れが強いからです。
業者の業態別に時間を分ける等の工夫が必要です。

・説明は設計監理者が行いますが管理組合も立会います。
・業者への配付資料(図面コピー、設計仕様書、指定内訳書、見積発注要項)は設計監理者が準備します。

6. 設計、仕様内容についての質疑応答

・見積参加業者からの質問に設計監理者が回答します。
・見積条件を統一するため全ての質疑応答を全ての業者に返すことが大切。

7. 見積書の提出、集計、分析、業者選定

・提出時間は指定時間を厳守とする。後で不要な疑いを持たれないように。
・提出先は管理組合宛、設計監理者宛の2箇所とする。
・提出見積書は理事が集まった所で開封します。

8. 数社の候補業者を選定

・金額をベースに実績、経営内容、アフターサービス条件等で選定。

9. 選定候補数社に見積内容のヒヤリング開催

・理事会、修繕委員合同(または一般組合員の参加も)で行ったほうが共通認識が作りやすい。
現場監督予定者も同席してもらうこと。改修工事は現場監督の能力の比重が極めて大きい。
足場、仮設トイレ、現場事務所等の仮設計画の内容、安全管理、防犯対策も説明させる。
説明資料の分かりやすさもそれだけ実績の裏付けがある一つの判断材料。
思ったほど金額が落ちていない場合はこの場で減額の可能性を探る手もあり。

・このヒヤリングを行うとかなり明確に選定業者が絞り込まれます。
・個人負担することになるベランダのエアコン室外機の移動費用等も必ず各業者に確認します。