4.1 管理組合会計規定
1 ○○〇〇管理組合会計規程(モデル)
1.総 則
(目 的)
1−1 この規程は当管理組合の管理、運営に伴って生ずるすべての会計業務の事務的処理に際し、
準拠すべき事項を規定することにより、会計処理を正確、適切に処理し、
その円滑なる運営に資するとともに会計監査の実施にあたって基礎とすることを目的とする。
(会計区分)
1−2 前条の目的遂行のため次の会計区分を設ける。
(1)一般会計
(2)特別会計
(会計期間)
1−3 会計年度は、管理組合規約の定めるところにより、毎年○月○日より翌年○月○日までとする。
(会計業務の内容)
1−4 この規程による会計業務の内容は次の通りとする。
(1)現金及び預金の出納.保管
(2)会計帳簿の設定、記録及び整理
(3)資金の運用
(4)月次決算、年次決算
(5)年次予算
(6)監査
(帳簿及び書類の保存期間)
1−5 帳簿及び書嶺の保存期間は、次の通りとする。
(1)決算報告書その他重要書類 (永久)
(2)会計帳簿、会計伝票及び証憑類 (5年)
(3)月次収支計算表 (5年)
(4)前3項以外の帳簿、伝票及び書類 (3年)
(内部牽制)
1−6 理事長は業務上の不正、脱漏、誤謬等の発生を防止し、会計処理の適正を期するため、次の事項に留意しなければならない。
2.銀行印は理事長保管とし、預金通帳は会計担当理事保管とする。
3.銀行のキャッシュカード等は作成してはならない。
4.各会計担当理事の業務分担及び責任区分を明確にし、金銭の出納、保管、記録、計算の業務の分離を図ること。
5.各記録の帳簿、現物、証憑書類相互の照会確認を定期的に積極的に行うこと
2.会計帳簿、会計伝票及び勘定組織
(会計帳簿)
2−1 帳簿組織は、伝票会計制度により、次の会計帳簿を備える。
(1)会計伝票(別表○)
(2)月計表 (別表○)
(3)総勘定試算表(別表○)
(4)台帳(伝票会計)
(勘定科目)
2−2 勘定科目は、別に定める勘定科目表(別表1−1、1−2、1−3)によって整理する
(会計伝票)
2−3 会計に関する取引は、すべて証憑書類により発行する会計伝票(以下伝票という)(別表2)により処理する。
2.伝票の記載は簿記の原則により、明瞭的確に行う。
3.伝票は日付、勘定科目、金額、その他取引内容を明確に記載する。
伝票の金額は訂正することが出来ない。
(月 計 表)
2−4 月計表(別表5)は、日々の伝票の総取引金額を勘定科目別に集計記入する。
(総勘定試算表)
2−5 総勘定試算表(別表3)は、期末最終月計表から集計作成する。
(台 帳)
2−6 台帳は別に定める勘定科目毎に見出しをつけて設定し伝票を綴込の上補足整理する。
3.金銭の会計
(金銭の範囲)
3−1 この規程で金銭とは、現金、預金をいう。
(出納責任者)
3−2 金銭の出納および保管に関しては、当該事務を担当する会計担当理事2名が連帯し、その直接の責に任ずる。
(出 納)
3−3 金銭の出納は、理事長の捺印した伝票及び証憑書類により、会計担当理事がこれを行う。ただし、3−4に定める小口現金による支払については、この限りではない。
2.金銭の収納に対しては、所定の領収書を発行し、支払いに対しては、相手方より適正な領収書、証憑書類を受領しなければならない
3.収納された金銭は、原則として、これを遅滞なく銀行に預け入れなけれはならない。
(小口現金)
3−4 小口現金とは、日常経費に充てるために、原則として定額前渡制によるものとし、1万円を限度として毎月未又は払出のつど清算の上補給するものとする。
2.1万円を越える支払いは、原則として3−3による振込みとする。
4.資金会計
(資 金 繰)
4−1 資金を有効適切に運営するため、必要に応じて収支予算にもとづき資金繰表を作成する。
2. 銀行預金の口座名義は○○○○管理組合理事長とし、会計年度当初に取引銀行に届出をしなければならない。
(預金口座と会計区分)
4−2 預金口座の設定及び運用に関する会計処理は、1−2による会計区分によって行うものとする。
(資金の借入)
4−3 特別の管理に必要な資金の借入は、管理規約第○○条に定めるところにより、総会の決議を経たる後
理事会の指示によりこれを実行する。
5.予 算
(目的)
この規程で予算とは事業計画にもとづき予算を編成し、その活動方針を明らかにするとともに予算と実績の比較検討を行い、事業の合理的な運営に資することを目的とする。
(予算区分)
予算区分は会計区分に準じて次の通り区分する。
(1)一般会計予算
(2)特別会計予算
(予算編成)
予算原案は会計担当理事で編制し理事会の承認を経た後、管理組合規約第○○条の定めるところにより、総会の決議を経なければならない。
(予算期間)
予算期間は、一会計年度とする。
(実績評価)
月次決算並びに年次決算終了後理事会において予算と実績の比較を行い、事業活動の成果を検討すると共に、次期の予算編成の資料とする。
6.決 算
(目的)
6-1 決算は、毎会計年度の会計記録を整理し、その期間の収支計算を行うと共に、期末における財政状態を明らかにすることを目的とする.
(区分)
6-2 会計担当理事は毎会計年度末に決算を行い、毎月末に月決算を行う。
(決算書類)
6-3
決算において作成すべき決算書類は次の通りとする。
(1)月次決算書類
月計表
月次収支計算表
(2)年次決算書類
総勘定残高試算表
財産目録
年次一般会計報告書
(収支計算書・貸借対照表・正味財産増減計算書)
年次特別会計報告書 (同上)
年次一般会計予算報告書
年次特別会計予算報告書
預金残高証明書及び預金勘定照合表
その他付属書類
7.監 査
(監査要領)
7 −1 監査に関しては別に定める内部監査実施要額による。
8.付 則
(実施期日)
8 −1 この規程は平成○○年○○月○○日より施行する。
2 法や規約に盛り込まれている会計規定との整合性
管理組合会計の規定は単独で存在するものではなく、既に法や規約の中に密接に盛り込まれています。
区分所有法第30条(規約事項)第1項
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適正化指針(二 管理組合が留意すべき基本的事項 2 管理規約)
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管理規約に定める会計に関する事項 | 標準管理規約の規定 |
@ 管理組合の業務(長期修繕計画の作成、変更)
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【標準管理規約第32条】
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3 修繕積立金の会計処理
管理組合は、修繕積立金に関して、次に掲げる事項により会計処理を行うことが必要です。
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(解説)
新築マンションの場合は、分譲業者が提示した長期修繕計画(案)と修繕積立金の額について、重要事項説明に併せて説明を受け、
個人契約時の書面合意により分譲事業者からの引渡しが完了した時点で決議したものとするのが一般的です。また、引渡し後速やかに
管理組合総会を開催し、長期修繕計画及び修繕積立金の額の承認に関しても決議することもあります。
長期修繕計画の見直しは、大規模修繕工事と大規模修繕工事の中間の時期に単独で行う場合、大規模修繕工事の直前に基本計画 の検討に併せて行う場合、又は、大規模修繕工事の実施の直後に修繕工事の結果を踏まえて行う場合があります。
4 管理組合の業務と会計規定
標準管理規約 第32条 (管理組合の業務)
第32条 管理組合は、次の各号に掲げる業務を行う。
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5 維持管理費用の区分経理
区 分 | 内 容 | 費用の区分 | |
点検 | 建物、給排水設備、消防設備、電気設備、昇降機、外構について、法令に基づく点検、保守契約による点検など | 管理費 | |
調査・診断 | 大規模修繕(計画修繕)工事の実施や長期修繕計画の見直し前に行う調査・診断 | 修繕積立金 (注1) | |
長期修繕計画の見直し | 5年ごとに、調査・診断を行いその結果に基づいて計画を見直す。 | ||
修繕工事 | 経常的補修 | 磨耗など通常の使用による劣化、 予測しがたい破損や故障の補修工事(ガラス、建具、機器の破損等) | 管理費 |
大規模修繕 (計画修繕) | 長期修繕計画に基づいて計画的に行う大規模な修繕工事 | 修繕積立金 | |
特別修繕 | 不測の事故や自然災害(台風、大雨、大雪等)による被害の復旧など、特別な事由による大規模な修繕工事 | ||
(注1) 解説 (経費の区分)
ただし、修繕工事の前提としての劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、 修繕工事の一環としての経費であることから、原則として修繕積立金から取り崩すこととなる。 |
6 議決事項の中の会計規定
第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
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