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22. 共同住宅用自動火災報知設備

1.共同住宅用自動火災報知設備の概要

2. 自動火災報知設備の更新時期

 

3.共同住宅用自動火災報知設備(告示第18号関連)

項目 220号特例通知
(旧基準)
省令第40号・告示第18号
(新基準)
用語 住棟受信機 同左
建物全体を集中監視します。
P型又はGP型3級受信機 共同住宅用受信機
→名称が変更になりました。
  (ガス漏れの有無は必須ではありません。)
スピーカ 音声警報装置
→名称が変更になりました。
補助音響装置 同左
戸外表示器 同左
P型3級受信機等が必要な部分 住戸・共用室・管理人室 同左
→但し、管理人室に住棟受信機が設置される場合は管理人室が除かれる。
感知器が
必要な
部分
住戸等 住戸 厨房、居室、収納室(4m2以上)、階段 厨房、居室、収納室(4m2以上)
→メゾネットタイプの階段への設置義務がなくなりました。但し、品確法取得時に必要であるため階段への煙感知器設置準とします。
住戸以外 共用室、管理人室、倉庫(4m2以上) 同左
共用部分 外気に開放されていない部分 同左
感知器の
種別
居室・収納室等 差動式スポット型2種、定温式スポット型特種(公称作動温度が60度又は65度のもの)又は煙感知器 同左
共用廊下 煙感知器又は上記熱感知器 同左
共用階段 煙感知器又は上記熱感知器 煙感知器
→熱感知器は認められません。
その他 住戸内の感知器は自動試験機能等対応型 同左
警戒区域 1500m2以内かつ一辺は50m以下 (但し廊下型は100m以下) 同左
音声警報音 非常警報設備の基準による 同左
音声警報(火災警報)の範囲 廊下型:出火階及び直上階 同左
階段室型: 5層以下を1ブロックとした出火ブロック及び直上ブロック 5層以下を1ブロックとした出火ブロック及び直上ブロック並びにエレベータ昇降路(カゴ内)
→カゴ内へも認定品のスピーカが必要です。
その他 配線の基準、電源の取り方等は概ね変更なし

3.共同住宅用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件

(平成18年5月30日消防庁告示第18号)

 特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成17年総務省令第40号)第3条第2項第3号イただし書及びヘの規定に基づき、共同住宅用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準を次のとおり定める。

共同住宅用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準

第1 趣旨
この告示は、特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成17年総務省令第40号。以下「省令」という。)第3条第2項第3号イただし書及びヘに規定する共同住宅用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定めるものとする。

第2 用語の意義
この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

1 共同住宅用受信機 共同住宅用自動火災報知設備の受信機(受信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第19号。以下「受信機規格省令」という。)第2条第7号に規定する受信機のうち、P型3級受信機又はGP型3級受信機に限る。)であって、住戸、共用室(省令第2条第3号に規定する共用室をいう。以下同じ。)及び管理人室に設ける感知器(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第17号。以下「感知器等規格省令」という。)第2条第1号に規定する感知器をいう。以下同じ。)から発せられた火災が発生した旨の信号(以下「火災信号」という。)を受信した場合に、火災の発生を当該住戸、共用室及び管理人室の関係者に報知するものをいう。

2 住棟受信機 共同住宅用自動火災報知設備の受信機(受信機規格省令第2条第7号に規定する受信機をいう。)であって、住戸、共用室及び管理人室以外の部分に設ける感知器又は共同住宅用受信機から発せられた火災信号を受信した場合に、火災の発生を特定共同住宅等(省令第2条第1号に規定する特定共同住宅等をいう。以下同じ。)の関係者に報知するものをいう。

3 音声警報装置 共同住宅用受信機又は住棟受信機から発せられた火災信号を受信し、音声により火災の発生を報知するものをいう。

4 補助音響装置 住戸、共用室又は管理人室にいる者に対し、有効に音声警報を伝達するために、共同住宅用受信機から発せられた火災信号を受信し、補助的に音声警報を発する装置をいう。

5 戸外表示器 住戸等(省令第2条第2号に規定する住戸等をいう。以下同じ。)の外部において、共同住宅用受信機から発せられた火災信号を受信し、火災の発生を報知するものをいう。

第3 設置及び維持に関する技術上の基準
共同住宅用自動火災報知設備は、次の各号に定めるところにより設置し、及び維持するものとする。

1 省令第3条第2項第3号イただし書の警戒区域が2以上の階にわたったとしても防火安全上支障がないものとして消防庁長官が定める設置及び維持に関する技術上の基準は、次に定めるところによること。

(1) 共同住宅用自動火災報知設備の1の警戒区域の面積が住戸、共用室及び管理人室にあっては150m2以下、その他の部分にあっては500m2以下であり、かつ、当該警戒区域が特定共同住宅等の2の階にわたる場合又は第2号(1)イ及びハの規定により煙感知器を設ける場合であること。

(2) (1)の規定にかかわらず、階段室型特定共同住宅等(特定共同住宅等の構造類型を定める件(平成17年消防庁告示第3号。(3)において「構造類型告示」という。)第2第4号に規定する階段室型特定共同住宅等をいう。以下同じ。)にあっては、1の階段室等(省令第2条第5号に規定する階段室等をいう。以下同じ。)に主たる出入口が面している住戸等及び当該階段室等を単位として、六以上の階にわたらない部分を1の警戒区域とすること。

(3) 廊下型特定共同住宅等(構造類型告示第2第5号に規定する廊下型特定共同住宅等をいう。以下同じ。)の階段室等にあっては、当該階段室等ごとに1の警戒区域とすること。

2 感知器は、次に定めるところによること。

(1) 次のイからチまでに掲げる場所に、当該イからチまでに定めるところにより感知器を設けること。

イ 階段及び傾斜路 煙感知器

ロ 廊下及び通路 差動式及び補償式スポット型感知器のうち1種若しくは2種、定温式スポット型感知器のうち特種(公称作動温度六十度又は65度のものに限る。以下ヘ及びトにおいて同じ。)又は煙感知器

ハ エレベーターの昇降路、リネンシュート、パイプダクトその他これらに類するもの 煙感知器

2 感知器を設置する区域の天井等(天井の室内に面する部分又は上階の床若しくは屋根の下面をいう。以下同じ。)の高さが15m以上20m未満の場所 煙感知器又は炎感知器

ホ 感知器を設置する区域の天井等の高さが20m以上の場所 炎感知器

ヘ 住戸 自動試験機能等対応型感知器(感知器等規格省令第2条第19号の3に規定する自動試験機能等対応型感知器をいう。以下同じ。)であって、差動式及び補償式スポット型感知器のうち1種若しくは2種、定温式スポット型感知器のうち特種又は煙感知器のうち1種、2種若しくは3種

ト 共用室及び管理人室 差動式及び補償式スポット型感知器のうち1種若しくは2種、定温式スポット型感知器のうち特種又は煙感知器のうち1種、2種若しくは3種

チ イからトまでに掲げる場所以外の場所 その使用場所に適応する感知器

(2) 感知器の設置は、次に定めるところによること。

イ 熱感知器は、共用部分(省令第2条第4号に規定する共用部分をいう。以下同じ。)の廊下及び通路にあっては、歩行距離15mにつき1個以上の個数を、火災を有効に感知するように設けること。

ロ 煙感知器は、共用部分の廊下及び通路にあっては歩行距離30m(3種の感知器にあっては20m)につき1個以上の個数を、階段及び傾斜路にあっては6以上の階にわたらない部分ごとに1個以上の個数を、火災を有効に感知するように設けること。

(3) 住戸、共用室及び管理人室に設ける感知器にあっては共同住宅用受信機に、その他の部分に設ける感知器にあっては住棟受信機に接続すること。ただし、管理人室に設ける感知器にあっては、当該管理人室内に住棟受信機を設ける場合に限り、共同住宅用受信機を介さずに当該住棟受信機に接続することができる。

3 中継器は、消防法施行規則(昭和36年自治省令第六号。以下「規則」という。)第23条第9項の規定の例によるほか、その付近に当該中継器の操作上支障となる障害物がないように維持すること。この場合において、遠隔試験機能(中継器に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第18号。以下「中継器規格省令」という。)第2条第十3号に規定する遠隔試験機能をいう。)を有する中継器のうち、中継器規格省令第3条の3第3項第1号に規定する外部試験器を接続するものにあっては、住戸の外部であって容易に接続することができる場所に設けること。

4 配線は、規則第24条第1号(チを除く。)及び第5号の2ハの規定の例によるほか、次に定めるところによること。

(1) 共同住宅用受信機から住棟受信機、戸外表示器、音声警報装置(共同住宅用受信機の音声警報装置を除く。)及び補助音響装置までの配線は、規則第十2条第1項第5号の規定の例によること。

(2) 非常電源から共同住宅用受信機までの配線は、規則第12条第1項第4号ホ((ハ)を除く。)の規定の例によること。ただし、火災により直接影響を受けるおそれのない部分の配線にあっては、規則第12条第1項第5号の規定の例によることができる。

(3) 住戸、共用室及び管理人室に設ける感知器及び音声警報装置の信号回路の配線(戸外表示器と共用する配線を除く。)は、当該住戸、共用室及び管理人室の外部から容易に導通を確認することができるように措置が講じられていること。

5 共同住宅用受信機は、規則第24条第2号(イ及びロに限る。)及び第6号並びに第24条の2第1号(ホ及びヘを除く。)の規定の例によるほか、次に定めるところによること。

(1) 住戸、共用室及び管理人室(住棟受信機を設ける管理人室を除く。)に設けること。

(2) 住戸、共用室又は管理人室で床面積が150m2を超えるものに設けないこと。

(3) 住戸、共用室及び管理人室に設けられた共同住宅用受信機にあっては、感知器から発せられた火災信号を受信した場合に、当該信号を住棟受信機及び戸外表示器に発信する機能を有すること。

(4) 感知器が作動した旨の警報(以下「感知器作動警報」という。)を停止できる機能を設けること。

(5) 火災が発生した旨の警報(以下「火災警報」という。)を停止できる機能を設けることができること。

6 住棟受信機は、規則第24条第2号(ハ及びリを除く。)及び第6号から第8号まで並びに第24条の2第1号の規定の例によるほか、次に定めるところによること。

(1) 共同住宅用受信機から発せられた火災信号を受信した場合に、当該共同住宅用受信機の警戒区域の火災表示を行うこと。

(2) 規則第12条第1項第8号に規定する防災センター等がない場合は、管理人室に設けること。ただし、当該管理人室に常時人がいない場合は、火災表示を容易に確認できる場所に設けることができる。

(3) 特定共同住宅等の棟ごとに設けること。ただし、同1敷地内に特定共同住宅等が2以上ある場合で、当該特定共同住宅等の火災発生時に、円滑な対応ができる場合はこの限りでない。

7 電源は、規則第24条第3号の規定の例によるほか、共同住宅用受信機の電源にあっては、住戸、共用室又は管理人室の交流低圧屋内幹線の開閉器が遮断された場合において、当該住戸、共用室又は管理人室の感知器、戸外表示器、音声警報装置及び補助音響装置の機能に支障を生じないように措置を講じること。

8 非常電源は、次に定めるところによること。

(1) 非常電源の容量は、次のイ及びロに定める容量を合算した容量であること。

イ 監視状態を60分間継続することができる容量

ロ 次の(イ)及び(ロ)に定める容量を合算した容量に系統数(30台以下の共同住宅用受信機を1の系統とし、当該系統数が5を超えるときは、5とする。)を乗じた容量

(イ) 1の住戸10分間以上連続して鳴動することができる容量

(ロ) 1の作動表示灯(戸外表示器に設けられ、当該戸外表示器が設置された住戸、共用室及び管理人室の感知器が作動した旨を表示する表示灯をいう。以下同じ。)が10分間以上連続して点滅することができる容量

(2) 共同住宅用受信機の主電源が停止した場合において、当該共同住宅用受信機が設置された住戸、共用室又は管理人室の感知器、音声警報装置、補助音響装置及び戸外表示器の機能に支障を生じないように措置を講じている場合は、当該共同住宅用受信機に非常電源を設けないことができること。

9 音声警報装置は、次に定めるところによること。

(1) 音声警報装置の音圧は、次に定めるところによること。

イ 住戸、共用室及び管理人室に設ける音声警報装置の音圧は、取り付けられた音声警報装置から1m離れた位置で70デシベル以上であること。

ロ イに掲げる部分以外の部分に設ける音声警報装置の音圧は、規則第25条の2第2項第3号イの規定の例によること。

(2) 音声警報装置の設置は、次のイ及びロに掲げる区分に従い、当該イ及びロに定めるところによること。

イ 住戸、共用室及び管理人室に設ける場合 当該住戸、共用室又は管理人室ごとに、音声警報装置を1個以上設けること。ただし、有効に音声警報が伝わらないおそれのある部分については、当該部分に音声警報を有効に伝達することができるように補助音響装置を設けることとする。

ロ 住戸、共用室及び管理人室以外の部分(直接外気に開放された共用部分を除く。)に設ける場合 規則第25条の2第2項第3号ロの規定の例によること。

(3) 音声警報装置の音声警報音は、次に定めるところによること。

イ 音声警報音は、シグナル及びメッセージにより構成するものであること。

ロ シグナルは、非常警報設備の基準(昭和48年消防庁告示第6号)第4第3号(2)に定めるところによること。

ハ メッセージは、感知器作動警報にあっては女声によるものとし、火災警報にあっては男声によること。

2 感知器作動警報のメッセージの内容は、次の(イ)及び(ロ)に掲げる区分に従い、当該(イ)及び(ロ)に定めるところによること。

(イ) 住戸、共用室又は管理人室の感知器が作動した場合 感知器が作動した旨及び火災の発生を確認する必要がある旨の情報又はこれに関する内容

(ロ) 住戸、共用室又は管理人室以外の部分の感知器が作動した場合 感知器が作動した場所及び火災の発生を確認する必要がある旨の情報又はこれに関する内容

ホ 火災警報のメッセージの内容は、火災が発生した場所、避難誘導及び火災である旨の情報又はこれに関連する内容であること。

ヘ 住戸、共用室又は管理人室以外の部分においては、感知器が作動した後、60秒以内に火災警報を発することができる場合に限り、感知器作動警報を省略することができる。

ト 音声警報音は、サンプリング周波数8キロヘルツ以上及び再生周波数帯域3キロヘルツ以上のAD−PCM符号化方式による音声合成音又はこれと同等以上の音質を有するものであること。

(4) 音声警報を発する区域(以下「警報区域」という。)は、次に定めるところによること。

イ 感知器作動警報の警報区域は、作動した感知器が設けられた住戸等及び共用部分とすること。

ロ 火災警報の警報区域は、次の(イ)から(ハ)までに掲げる区分に従い、当該(イ)から(ハ)までに定めるところによること。

(イ) 住戸、共用室及び管理人室において火災の発生が確認された場合 当該住戸、共用室及び管理人室のほか、次のa及びbに掲げる区分に従い、当該a及びbに定める範囲

a 階段室型特定共同住宅等 当該住戸、共用室及び管理人室の主たる出入口が面する階段室等(開放型階段(省令第2条第7号に規定する開放型階段をいう。以下同じ。)を除く。)のうち、6以上の階にわたらない部分を1の区域として当該区域及びその直上の区域並びに当該区域に主たる出入口が面する住戸等及びエレベーターの昇降路

b 廊下型特定共同住宅等 当該住戸、共用室及び管理人室の存する階が2階以上の階に存する場合にあっては出火階及びその直上階、1階に存する場合にあっては出火階、その直上階及び地階、地階に存する場合にあっては出火階、その直上階及びその他の地階

(ロ) 倉庫等(倉庫(室の面積が4m2以上のものをいう。)、機械室その他これらに類する室をいう。以下同じ。)又は共用部分(階段室等及びエレベーターの昇降路を除く。以下この(ロ)において同じ。)において火災の発生が確認された場合 当該倉庫等又は共用部分のほか、次のa及びbに掲げる区分に従い、当該a及びbに定める範囲

a 階段室型特定共同住宅等 当該倉庫等又は共用部分の主たる出入口が面する階段室等(開放型階段を除く。)のうち、6以上の階にわたらない部分を1の区域として当該区域、その直上の区域並びに当該区域に主たる出入口が面する住戸等及びエレベーターの昇降路

b 廊下型特定共同住宅等 当該倉庫等又は共用部分の存する階が2階以上の階に存する場合にあっては出火階及びその直上階、1階に存する場合にあっては出火階、その直上階及び地階、地階に存する場合にあっては出火階、その直上階及びその他の地階

(ハ) 階段室等において火災の発生が確認された場合 次のa及びbに掲げる区分に従い、当該a及びbに定める範囲

a 階段室型特定共同住宅等 当該階段室等(開放型階段を除く。)、当該階段室等に主たる出入口が面する住戸等及び共用部分(エレベーターの昇降路を除く。以下この(ハ)において同じ。)

b 廊下型特定共同住宅等 共用部分

(2) エレベーターの昇降路において火災の発生が確認された場合 次のa及びbに掲げる区分に従い、当該a及びbに定める範囲

a 階段室型特定共同住宅等 1の階段室等に主たる出入口が面する住戸等又は共用部分及び当該階段室等(開放型階段を除く。)のうち、6以上の階にわたらない部分を1の警報区域としてエレベーターが停止する最上階の警報区域に存する階段室並びに当該警報区域内の住戸等及び共用部分

b 廊下型特定共同住宅等 エレベーターが停止する最上階に存する住戸等及び共用部分

(5) 音声警報は、次に定めるところによること。

イ 音声警報の構成は、次に定めるところによること。

(イ) 感知器作動警報は、感知器が作動した旨の信号を受信してから火災警報が発せられるまで又は当該感知器作動警報の停止操作がされるまでの間、第1シグナル、感知器作動警報のメッセージ、1秒間の無音状態の順に連続する警報を1単位として、これを連続して繰り返すものであること。

(ロ) 火災警報は、第1シグナル、火災警報のメッセージ、1秒間の無音状態、第1シグナル、火災警報のメッセージ、1秒間の無音状態、第2シグナルの順に連続する警報を1単位として、これを10分間以上連続して繰り返すものであること。

ロ 音声警報の機能は、次に定めるところによること。

(イ) 感知器が作動した旨の信号を受信した場合に、自動的に感知器作動警報を行うこと。

(ロ) 感知器が作動した旨の信号を受信した後感知器作動警報を停止させずに2分以上5分以下の範囲で任意に設定した時間が経過した場合又は火災信号を受信した場合は、自動的に火災警報を行うこと。

(6) 住戸の外部から、自動試験機能(中継器規格省令第2条第12号に規定する自動試験機能をいう。)又は遠隔試験機能を用いて住戸に設置されている共同住宅用受信機及び自動試験機能等対応型感知器並びに住戸の外部に設置されている戸外表示器の機能の異常を確認する場合には、当該住戸の音声警報装置が音声警報(戸外表示器の警報を除く。)を発しない措置を講じることができるものであること。

10 戸外表示器は、次に定めるところによること。

(1) 戸外表示器は、次のイからハまでに適合する場所に設けること。
イ 住戸、共用室及び管理人室の主たる出入口の外部であって、作動表示灯が当該住戸、共用室及び管理人室が面する
  共用部分から容易に確認できる場所
ロ 点検に便利な場所
ハ 雨水のかかるおそれの少ない場所

(2) (1)に定めるもののほか、戸外表示器は、消防庁長官が定める基準に適合するものであること。

11 規則第24条第9号の規定は、共同住宅用自動火災報知設備について準用する。

附 則
この告示は、平成19年4月1日から施行する。

4.感知器の種類

感知器 熱感知器 差動式 スポット 1種 2種
分布型 空気管
熱電対
熱半導体
定温式 スポット型 特種 1種 2種
感知線型 特種 1種 2種
熱複合式 スポット型 多信号機能
補償式 1種 2種
熱アナログ スポット型
煙感知器 イオン化式 スポット型 1種 2種 3種
光電式 スポット型 1種 2種 3種
分離型 1種 2種
煙複合式 スポット型
イオン化式アナログ スポット型
光電アナログ スポット型
分離型
多信号感知器
熱煙複合式スポット型
炎感知器 紫外線式 スポット型
赤外線式 スポット型
紫外線赤外線併用式 スポット型
炎複合式 スポット型

        取付面の高さ
感知器の種別

.

4m未満

4m以上
8m未満

8m以上
15m未満

15m以上
20m未満

20m以上

差動式 スポット型 1種    ○    ○  .  . .
2種
分布型 1種    ○    ○    ○  .  .
2種
補償式 スポット型 1種    ○    ○ .  .  .
2種
定温式 スポット型 特種    ○    ○ .  .  ..
1種
イオン化式

光電式

スポット型 1種    ○    ○    ○    ○ ...
2種  ..
3種  .  .
光電式 分離型 1種    ○    ○    ○    ○ .
2種  ..

熱複合式
熱煙複合式
煙複合式
多信号

スポット型 .  それぞれの有する感知器の取付面の高さが低いものを基準とします

紫外線式
赤外線式
併用式
複合式

スポット型      ○    ○    ○    ○    ○

注)
1.○印は適応
2.差動式分布型は3種および定温式スポット型2種は消火設備の場合のみ使用
3.屋内に設ける電気接点を有する感知器は取り扱う危険物の品目により防爆型であること

5.自動火災報知設備に関する基準(消防法施行令)

第21条 自動火災報知設備は、次に掲げる防火対象物又はその部分に設置するものとする。
  1.別表第1(13)項ロ及び(17)項に掲げる防火対象物
  2.別表第1(9)項イに掲げる防火対象物で、延べ面積が200m2以上のもの
  3.別表第1(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項、(16)項イ及び(16の2)項に掲げる防火対象物で、
    延べ面積が300m2以上のもの
  4.別表第1(5)項ロ、(7)項、(8)項、(9)項ロ、(10)項、(12)項、(13)項イ及び(14)項に掲げる防火
    対象物で、延べ面積が500平方m以上のもの
  5.別表第1(16の3)項に掲げる防火対象物のうち、延べ面積が500m2以上で、かつ、
    同表(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供される
    部分の床面積の合計が300m2以上のもの
  6.別表第1(11)項及び(15)項に掲げる防火対象物で、延べ面積が1000m2以上のもの
  6の2.前各号に掲げる防火対象物以外の別表第1に掲げる防火対象物のうち、同表(1)項から(4)
    項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が避難階以外
    の階に存する防火対象物で、当該避難階以外の階から避難階又は地上に直通する階段が2
    (当該階段が屋外に設けられ、又は総務省令で定める避難上有効な構造を有する場合にあ
    つては、1)以上設けられていないもの
  7.前各号に掲げる防火対象物以外の別表第1に掲げる建築物その他の工作物で、指定可燃物
    を危険物の規制に関する政令別表第4で定める数量の500倍以上貯蔵し、又は取り扱うもの
  8.前各号に掲げる防火対象物以外の別表第1(2)項及び(3)項に掲げる防火対象物並びに同表
    (16)項イに掲げる防火対象物の地階又は無窓階(同表(16)項イに掲げる防火対象物の地階
    又は無窓階にあつては、同表(2)項又は(3)項に掲げる防火対象物の用途に供される部分が
    存するものに限る。)で、床面債が100m2(同表(16)項イに掲げる防火対象物の地階又は
    無窓階にあつては、当該用途に供される部分の床面積の合計が100m2)以上のもの
  9.前各号に掲げるもののほか、別表第1に掲げる建築物の地階、無窓階又は3階以上の階で、
    床面積が300m2以上のもの
  10.前各号に掲げるもののほか、別表第1に掲げる防火対象物の道路の用に供される部分で、
    床面積が、屋上部分にあつては600m2以上、それ以外の部分にあつては400m2
    以上のもの
  11.前各号に掲げるもののほか、別表第1に掲げる防火対象物の地階又は2階以上の階のうち、
    駐車の用に供する部分の存する階(駐車するすべての車両が同時に屋外に出ることができ
    る構造の階を除く。)で、当該部分の床面積が200m2以上のもの
  12.前各号に掲げるもののほか、別表第1に掲げる防火対象物の11階以上の階
  13.前各号に掲げるもののほか、別表第1に掲げる防火対象物の通信機器室で床面積が
    500m2以上のもの

2. 前項に規定するもののほか、自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準は、
   次のとおりとする。
  1.自動火災報知設備の警戒区域(火災の発生した区域を他の区域と区別して識別することが
    できる最小単位の区域をいう。次号において同じ。)は、防火対象物の2以上の階に
    わたらないものとすること。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。
  2.一の警戒区域の面積は、600m2以下とし、その一辺の長さは、50m以下
    (別表第3に定める光電式分離型感知器を設置する場合にあつては、100m以下)
    とすること。ただし、当該防火対象物の主要な出入口からその内部を見通すことが
    できる場合にあつては、その面積を1000m2以下とすることができる。
  3.自動火災報知設備の感知器は、総務省令で定めるところにより、天井又は壁の屋内に
    面する部分及び天井裏の部分(天井のない場合にあつては、屋根又は壁の屋内に面する
    部分)に、有効に火災の発生を感知することができるように設けること。
    ただし、主要構造部を耐火構造とした建築物にあつては、天井裏の部分に設けないことができる。
  4.自動火災報知設備には、非常電源を附置すること。

3. 第1項各号に掲げる防火対象物又はその部分(総務省令で定めるものを除く。)にスプリンクラー
  設備、水噴霧消火設備又は泡消火設備(いずれも総務省令で定める閉鎖型スプリンクラー
  ヘッドを備えているものに限る。)を第12条、第13条、第14条若しくは第15条に定める技術上
  の基準に従い、又は当該技術上の基準の例により設置したときは、同項の規定にかかわら
  ず、当該設備の有効範囲内の部分について自動火災報知設備を設置しないことができる。

6.平成25年消防法施行令改正の理由とその概要

 平成24年5月13日、広島県福山市の「ホテルプリンス」において火災が発生し、死者7名、負傷者3名を出す惨事となりました。 この火災を受け、消防庁では「ホテル火災対策検討部会」を設置し検討を行い、平成25年7月に報告書をまとめています。

火災被害拡大の原因・今後の課題

○ 延べ面積300u未満の施設について、屋外に到達するまでの避難に要する時間が短いため、 自動火災報知設備による火災の早期覚知がなくとも避難できるものと考えられてきたが、 特に夜間の就寝時間帯における火災被害の拡大危険性が高くなっている。

○ 一般住宅については、平成16年の消防法改正により、 規模の大小を問わず就寝の用に供する施設への住宅用防災危機の設置が義務付けられているところ、就寝の用に供する300u未満のホテル・旅館、 診療所、社会福祉施設等については警報設備の設置義務はなく、制度的不均衡が生じている。

消防法施行令改正の考え方・必要な対策

○ 利用者を入居させ、又は宿泊させるホテル・旅館、病院、診療所、社会福祉施設等については、 延べ面積に関わらず自動火災報知設備を設置することを義務付け、火災被害の低減と設置基準の均衡を図ることとする。
○ ただし、上記施設については、新たに「特定小規模施設」に位置付けることとし、 設置等が容易で費用負担も比較的少ない特定小規模用自動火災報知設備の設置を可能とする。

以上により、平成25年12月27日、消防法施行令の改正令(平成25年政令第368号)及び消防法施行規則の改正省令(平成25年総務省令第126号) 並びに「特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令の一部を改正する省令」(平成25年総務省令第127号) が公布されました。

自動火災報知設備の技術上の基準の見直し(消防法施行令第21条第1項関係)

○ 次に掲げる防火対象物について、利用者を入居させ、又は宿泊させるものであることから、 延べ面積300u未満のものについても新たに自動火災報知設備の設置を義務付けることとする。

 ア 別表第1(3)項イに掲げるホテル・旅館等
 イ 別表第1(6)項イ及びハに掲げる病院、診療所、社会福祉施設等(利用者を入居させ、又は宿泊させるものに限る。)

○ 消防機関の検査を受けなければならない防火対象物等の見直し(第35条関係)
消防機関の検査を受けなければならない防火対象物に、次に掲げるもので延べ面積300u未満のものを追加することとする。

 ア 別表第1(2)項ニ及び(5)項イに掲げるカラオケボックス等及びホテル・旅館等
 イ 別表第1(16)項イ及びハに掲げる診療所、社会福祉施設等(利用者を入居させ、又は宿泊させるものに限る。)
 ウ 別表第1(6)項イ、(16の2)項及び(16の3)項に掲げる複合用途防火対象物、地下街及び準地下街 (ア又はイに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものに限る)

○ 施行期日
 平成27年4月1日

 

7.居室を壁で区切ると、各室に感知器の増設が必要になる

2020.09.03 神奈川県在住のMさんからのご質問です。
ご相談の内容: 2年ほど前にリフォーム済み中古マンションを購入しました。
管理会社が委託している共同住宅用自動火災報知設備の点検業者から、 「あなたの部屋だけリビングに火災報知器が設置されていない」と言われ、 管理会社から自己負担でリビングに火災報知器をつける必要があると連絡がありました。

マンションを購入した際の仲介会社に確認したところ、 「元々1LDKの部屋に間仕切りを入れ3LDKにリフォームして販売した」とのことでした。

管理会社に、リビングへの火災報知器設置が必須である根拠を聞いたところ、
「消防庁告示第18号」と貴サイトの「22. 共同住宅用自動火災報知設備」ページを参考として紹介されました。

貴サイトページの「3.共同住宅用自動火災報知設備の設置表を確認しましたが、 全居室に設置する必要があるととれる記載は表内項目「感知器が必要な部分>住戸等>住戸>居室」箇所かと思いますが、 これは、消防庁告示第18号のどの部分に書かれていることでしょうか?

以下2点について教えていただきたいと思っております。
1、リビングを含む全居室に自動火災報知設備を設置する必要がある根拠となる法律(の、どの部分に記載があるのか)
2、全居室に設置が必要である場合の条件(「居室」の定義)

「回答」

居室の定義は、建築基準法第2条第4項
「居室:居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。」 からきています。消防法で居室という場合はこの建築基準法の定義を用いています。

天井までの高さがあるパーテーションは、壁として扱われます。
壁で区画された部屋、及び、天井から突き出した梁で囲われた部分の厨房、 居室、収納室(4u以上)は 当Hpでも掲載している平成18年5月30日消防庁告示第18号の 「第3 設置及び維持に関する技術上の基準」により、 最低1個以上の自動火災報知設備を設置する必要があります。

この告示18号で示している警戒区域は、感知器の設置基準では感知区域といい、
「消防法施行規則23条4項3号ロ」で感知区域を次のように定めています。
1. 壁で区画された部分ごとに1つの感知区域
2. 天井から突き出した梁で囲われた部分ごとに1つの感知区域

消防法施行令別表第一で感知区域に設置する感知器の種別ごとに、例えば、
・煙感知器(法令名:光電式スポット型感知器)は面積150uあたり1個設置(各室)
・熱感知器(法令名:差動式スポット型感知器)は面積70uあたり1個設置
のように、感知器の種別ごとに基準面積が異なっています。

ご質問の「リビングを含む全居室に自動火災報知設備を設置する根拠」は
上記の「消防法施行規則23条4項3号ロ」での感知区域の区分になります。

感知器の設置は当然ながら、非常警報設備(戸外表示器、地区音響装置又は非常放送設備、
共同住宅用受信機)への接続工事と、動作確認試験が必要です。


 

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