「建物設備の知識」 > 「防火管理 目次」 > 【前頁】 10. 消防計画(1) > 11. 消防計画(2) > 【次頁】 「12. 消防計画例(P3)」

11. 消防計画(2)

○○○○マンション消防計画

平成○年○月○日

共同住宅用消防計画(2)

  第3 火災が発生した場合の行動について

  1  火災を発生させた者又は火災を発見した居住者は、大声で他の居住者に知らせる。

  2  119番通報は、火災を発生させた者又は同一階の居住者が協力して行う。

  3  初期消火は、消防隊が到着するまで居住者が協力して行う。

  4  玄関から避難できない場合にあっては、バルコニーの仕切り板を破壊して   
     隣戸から安全な場所へ避難を行う。

  5  その他

     避難する場合は、エレべーターを使用しない。

  第4 地震時の行動について

  1  地震発生直後は、身の安全を守ることを第一とする。

  2  地震が発生した場合は、使用中の火気の消火を行う。

  3  各設備器具は、安全を確認した後使用する。

  4  その他

     (1) 防災関係機関の避難命令により、広域避難場所に避難する。

     (2) 地震に関する警戒宣言が発せられた場合は、火気使用の自粛等を行う。

 第5 訓練について

  1 防火管理者は、居住者に対して消防用設備等・特殊消防用設備等の設置場所   
    及び使用方法、避難経路等の周知徹底を行う。

  2 居住者は町会、自治会等が実施する地域の訓練に積極的に参加して訓練を行う。

  3 居住者は、消火器を用いた消火訓練を積極的に行う。

  4 その他

    (1)訓練は、毎年○月ごろ実施する。

    (2)防火管理者は各居住者に対しては、避難通路、火災等災害発生時の対応行動等を

       記載したパンフレットを各室へ備え付けたり、避難経路図を広報板に掲示する。

(解説)

第3 火災が発生した場合の行動について

(注)(1) 共同住宅が集合している団地等の場合は、別棟の居住者等に知らせ応援を求めます。

   (2) 片廊下型住戸の場合は、同一階の居住者が、階段室型住戸の場合は、階段を使用する
      居住者が協力して119番通報を行うのが望ましい。

  5   その他必要な事項を記入します。

(注)(1) エレベーターが設置されている場合は、避難の際使用しないことを明記します。

   (2) 自衛消防の組織に関する事項については、自衛消防の組織を実効性のあるものと
       するため、火災時に確実な対応が期待できる者について、
       その行動をその他欄に記入します。
       その他の居住者については、必ずしも自衛消防の組織に位置づける必要はありません。

第4 地震時の行動について

(注) 地震により、火災が発生し被害が拡大する要因となるものは、
    各住戸での使用中の火気設備器具や危険物等であるため、
    地震発生時に居住者の責任において火気管理を徹底することが必要です。

  4 例示のほか、その他必要な事項を記入します。
    広域避難場所を居住者に周知しておくことが必要です。
(注) 避難場所には、指定避難場所(学区内の公立学校等)と
    広域避難場所(公園等)があります。

第5 訓練について

  4 その他必要な事項を記入します。
    共同住宅として定期的に実施する場合は、その旨を明記します。


(※)共同住宅用消防計画の自衛消防組織について

消防法第8条により共同住宅における共有部の管理について権原を有する者(管理権原者=理事長)は、火災、地震等から自分達の共同住宅を守るために、 防火管理者を定めて、消防計画を作成させ、自衛消防組織を設置し、防火管理業務を行わなければなりません。

「自衛消防組織」と言っても、事業所や職場の自衛消防組織と同じような組織的・計画的な組織は作れません。
具体的には本頁で示したように、火災が発生した場合及び地震時の行動について、 住民がどう行動しなければならないかをマニュアルの形で具体的に記述しているだけです。これで自衛消防組織なの?と拍子抜けするかも知れません。 形にとらわれず、ご自分のマンションに合った実効性ある自主防災組織をお考えください。

ここで言うマンションの自衛消防組織とは、消防法施行規則第3条第1項で定める消防計画に記載する事項の「イ 自衛消防の組織」を指しています。 消防法8条の2の5に定める「自衛消防組織」を指している訳ではありません。
法8条の2の5の「自衛消防組織」は共同住宅には適用されませんので、ご注意ください。 法8条の2の5の「自衛消防組織」については、下記の「消防法改正(平成19年法律第93号)の要点」で説明しています。

消防法改正(平成19年法律第93号)の要点:

改正法の要点(大規模地震等に対応した防災体制を整備・強化するための消防法改正)

 東海地震、東南海地震や首都直下地震の発生が切迫している状況を踏まえ、新たに一定の大規模・高層の建築物について、 自衛消防組織の設置及び防災管理者の選任並びに火災以外の災害に対応した消防計画の作成を義務付ける消防法の一部を改正する法律(平成19年法律第93号。以下「改正法」という。)が2007年6月22日に成立・公布、 2009年(平成21年)6月1日から施行されました。

一定の大規模・高層の建築物について、自衛消防組織の設置と防災管理者の選任及び火災以外の災害に対応した消防計画の作成が義務付けられました。 但し、共同住宅(5)項ロは対象外です。
複合用途の場合は、共同住宅、格納庫、倉庫部分を除いた規模が上記に該当する部分が適用対象です。

対象とする防火対象物

災害時における人命危険の大きさを考慮し、建築物等の構造に不案内な不特定者が利用するもので組織的かつ計画的な応急対策が必要なものとして、

●令別表第1(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項から(12)項まで、(13)項イ、(15)項及び(17)項(以下「対象用途」という。)に掲げる防火対象物(共同住宅、倉庫、格納庫は含まれません。)で以下のいずれかに該当するもの

(1)地階を除く階数が11以上で、延べ面積10,000u以上
(2)地階を除く階数が5以上10以下で、延べ面積20,000u以上
(3)地階を除く階数が4以下で、延べ面積50,000u以上

●令別表第1(16)項に掲げる防火対象物で、対象用途を含むもので以下のいずれかに該当するもの

(1)対象用途が11階以上にあり、対象用途の床面積の合計が10,000u以上
(2)対象用途が5階以上10階以下にあり、対象用途の床面積の合計が20,000u以上
(3)対象用途が4階以下にあり、対象用途の床面積の合計が50,000u以上
(4)令別表第1(16の2)項(地下街)に掲げる防火対象物で、延べ面積が1,000u以上のもの

(注) 
同一敷地内に管理権原が同一の建物が複数ある場合には、それらの建物を一の建物として義務を判断します。
建物内の事業所等の規模ではなく、防火対象物全体で、義務の判断を行います。
・防災管理者は、管理権原者に指示を求め、誠実に職務を遂行しなければならない
・防災管理者は、消防計画を作成し、これに基づいて避難の訓練を定期的に実施しなければならない

●自衛消防組織に関し消防計画に定める事項

・自衛消防組織の統括管理者及び自衛消防組織の要員の職務に関すること
・自衛消防組織の編成及び要員の配置に関すること
・自衛消防組織に関し消防計画に定める事項、人員配置、統括管理者講習の細目
・防災管理者に関し防災管理に係る講習の細目、防災に係る消防計画の記載事項等
・自衛消防組織の要員に対する教育に関すること(統括管理者の直近下位の内部組織の業務を統括する要員に対する教育については消防庁長官の定めるところによること) 等

●自衛消防組織には、以下の業務についておおむね2人以上の要員を配置すべきこと
・火災の初期段階における初期消火活動に関する業務
・情報の収集及び伝達、消防用設備の監視並びに消防機関への通報に関する業務
・在館者が避難する際の誘導
・救出及び救護に関する業務等

●自衛消防組織の業務に関する講習の実施に関し必要な事項
・初めて受ける者に対する講習(新規講習)及び新規講習終了後5年以内に受講する再講習(直近の再講習を修了した日以降も5年以内に再講習の課程を修了しなければならない)とすること等

●統括管理者として必要な学識経験を有すると認められる者を定めること
・市町村の消防職員で1年以上管理的又は監督的な職にあった者
・市町村の消防団員で3年以上管理的又は監督的な職にあった者
・上記に準ずるものとして消防庁長官が定める者等


下記は消防庁が作成した消防計画に関する掲示物の具体的な例です。是非 活用してください。


事務連絡(消防庁予防課)平成24年4月17日: ⇒ 本資料のダウンロード  (PDF:600kB)
  出典:消防庁 http://www.fdma.go.jp/concern/law/tuchi2404/pdf/240417_jimurenraku_1.pdf

雑居ビル等における消防計画の実効性向上を図るための周知方策について

 消防計画は、防火対象物における防火管理の基本的な対応を定めるものであり、火災等の発生の未然防止や発生時における被害の軽減を図るため、その内容については当該防火対象物における事業所の従業員等に広く周知をし、理解を得ることが求められます。

 しかしながら、雑居ビルのテナント等では、当該計画の内容が従業員に周知されていないために、記載されている内容に基づいた対応が行われなかった事例が散見されています。

このことから、雑居ビルのテナント等の消防計画を、より効果的に従業員に周知するための方策として、火災発生時における従業員の任務分担、行動要領、消防隊への報告、119番通報要領等を従業員の誰もが容易に確認できるような場所(事務室、厨房、店内等)に掲示することにより、 火災等の災害が発生した際において、有効に対応ができるようにすることが望ましいと考えられます。

つきましては、掲示物の具体的な例について、別添のとおり資料を作成しましたので、事業所の指導に当たって御活用願います。

なお、掲示物については、事業所が作成する消防計画の添付書類としての位置付けとするものであり、当該添付書類を更新した際の新たな消防計画の届出は必要ないものとします。

いざという時のために、119番通報にあたっての留意事項を紹介します。

@一般的な留意事項
 119番通報の際、消防本部の指令員から「火事ですか? 救急ですか?」と聞かれます。
また、次のような情報をお尋ねしますので、落ち着いて対応をお願いします。

<火事の場合>
 ・住所(近くの目標物・何階か?)
 ・何が燃えているか?
 ・逃げ遅れはいないか?
 ・通報者の氏名・電話番号

<救急の場合>
 ・住所(近くの目標物・何階か?)
 ・誰がどうしたのか?
 ・通報者の氏名・電話番号

<事故の場合>
 ・住所(近くの目標物等)
 ・どういう事故か?
 ・怪我人(閉じこめられている人)はいるか?
 ・通報者の氏名・電話番号

 なお、適切な病院搬送を行うため、傷病者の年齢、持病、かかりつけの病院などをお尋ねする場合があります。
また、傷病者への気道確保や胸骨圧迫(心臓マッサージ)などの応急手当をお願いする事があります。

A携帯電話からの通報にかかる注意点

 近年の携帯電話の普及に伴い、携帯電話による119番通報は、通報総数の約4割(平成25年中)を占めています。
平成19年4月より、携帯電話からの119番通報時に、通報者の位置情報が消防本部に通知されるシステムの運用が始まりました。 平成26年4月1日現在、600消防本部でこのシステムが導入されています。
ただし、位置情報が十分確認できないことがありますので、迅速かつ的確な消防業務を行うため、次の2点のご協力をお願いします。

《通報場所の住所の確認》
分からない場合は、近くの人に聞く、道路の看板、電柱等で確認するなどの手段があります。

《通報後も携帯電話、PHSの電源は入れたままで》
確認のため、消防本部から折り返し電話をかけることがあります。

BIP電話からの通報にかかる注意点
 加入者番号が「050」から始まる電話番号は、原則、119番通報ができません。 自宅のIP電話が緊急通報に対応しているか、契約しているIP電話事業者に確認してください。
対応していない場合は、携帯電話から119番通報するか、お住まいの地域を管轄している消防本部の電話番号を控えておけば、 いざという時に慌てずに通報できます。

C音声以外の119番通報
 電話による音声通報以外の119番緊急通報手段として、FAXやインターネット(Eメール)による119番通報を受け付けている消防本部もあります。 通報の方法は、消防本部により異なりますので、管轄する消防本部にお問い合わせください。

 

(次頁へ)消防計画例(P3)