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10. 消防計画(1)

抽象的条文から具体的なマニュアル化への流れ

 数年前まで、消防計画は条文形式で作成されていました。

 平成19年2月7日消防審議会「大規模地震等に対応した自衛消防力の確保に関する答申」の中で、 従来の消防計画は抽象的で実用的でないとの指摘があり、それらを踏まえて、近年の消防計画は 本例に示したように簡潔明瞭に、具体的に作成し、火災が発生した場合の行動や避難経路図を明示するなど、 緊急時の行動マニュアルを意図したものになっています。

○○○○マンション消防計画

平成○年○月○日

 この計画で定めたことは、居住者全員が守らなければなりません。

 第1 防火管理者等の業務について

  防火管理者は次に掲げる業務を行う

  1  消防署への報告及び連絡

  2  居住者への火災予防対策及び火災発生時に近隣者が行うべき行動の呼び掛け

  3  建物、屋外階段当の自主検査の実施及び報告

  4  共用部分における消防用設備等 @ 消火器、非常ベル、連結送水管

     ・特殊消防設備等の点検及び維持管理

  5  居住者に対する消防訓練参加の呼び掛け

  6  消防署から配布された広報紙の回覧及び管理

  7  その他

    (1) 防火担当責任者(管理組合会計担当)

       防火担当責任者は管理組合会計担当者とし、次の業務を行う。

      ア  防火管理者の補佐

      イ  防火管理者への連絡

      ウ  管理人室の鍵の管理

    (2) 防火管理者は、政令第32条に基き消防用設備当に特例が適用されている場合、

        特例適用条件の適否についても点検等に合わせて確認するものとする。

 第2 居住者が行う防火管理対策について

 居住者は、自己の責任において、次の対策を行う。

  1 住戸内における火気管理

  2 住戸出入口防火戸の閉鎖機能の維持管理

  3 バルコニーにおける避難障害となる物件の除去

  4 階段・通路等の共用部分における燃えやすい物及び避難障害となる物品の除去

  5 消防用設備等 ( A 消火器、屋内消火栓箱、自動火災報知設備の発信機

    ・特殊消防設備等の周囲における使用障害となる物品の除去

  B 防火水槽の採水口、連結送水管の送水口、構内通路の周囲における使用障害となる物品の除去

  6  その他

    特例基準が適用されている場合、特例基準の維持管理

    (1) 二方向避難の確保(避難器具の維持管理、ベランダ等に物を置かない。)

    (2) 共用部分に関する各住戸の開口部の維持管理

(解説)

第1 防火管理者等の業務について

@ 当該マンションに設置されているすべての消防用設備等・特殊消防設備等を記入します。

注(1)
 管理組合が組織され、マンション管理会社等が管理している場合等で、防火管理者が日中管理人室に勤務しているが 居住していない場合は、防火に関する連絡を担当する者等(会計担当、環境担当等)としての連絡調整を行うことが出来る者の業務を、上記の例示 のように記入します。

また、公営団地内に自治会が組織され、同一敷地内又は一団の敷地に共同住宅が集合している場合は、自治会組織の防火に関する連絡を担当する者等(例:会計担当、環境担当等)としての連絡調整を行うことが出来る者の業務を記入します。

自治会役員○○担当者の業務

   ア  防火管理者への連絡

   イ  居住者に対する消防訓練参加の呼び掛け補助

   ウ  消防署から配布された広報紙の回覧及び管理

 (2)  特例適用されている場合、特例条件の維持管理事項を明記します。

第2 居住者が行う防火管理対策について

住戸内の火気管理等は、居住者の責任において管理します。

A 物品の存置等により操作障害を及ぼすおそれのある消防用設備等・特殊消防用設備等の具体的な箇所を記入します。
(例)非常ベルの押しボタン、連結送水管放水口収納箱等

B 建物周囲の消防車両の接近不能及び消防隊の活動障害となる部分を上記の例示のように記入します。

6 その他必要な事項を記入します。

 特例基準が適用されている場合、居住者が、特例条件の維持管理に努めることを明記します。


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