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共住省令の構造類型と設備

特定共同住宅の構造類型と設備

(1) 「令別表第1(5)項ロに掲げる防火対象物」・「特定共同住宅」の詳細は「特定共同住宅の消防法令」を参照下さい。

(2) 「光庭」:主として採光又は通風のために設けられる空間であって、その周囲を特定共同住宅等の壁その他これに類するものによって囲まれ、かつ、その上部が吹抜きとなっているもの。「避難光庭」とは 光庭のうち、火災時に避難経路として使用することができる廊下又は階段室等が、当該光庭に面して設けられているもの。

(3)「特定光庭」:光庭のうち、当該光庭を介して他の住戸等へ延焼する危険性が高いもの。


「位置・構造告示」

1 特定光庭は、次の各号に掲げる基準に適合しない光庭をいうものとする。

 (1) 光庭に面する1の住戸等で火災が発生した場合において、当該火災が発生した住戸等(以下「火災住戸等」という。)のすべての開口部から噴出する火炎等の輻射熱により、当該火災住戸等以外の住戸等の光庭に面する開口部が受ける熱量が10キロワット毎u未満であること。

 (2) 光庭が避難光庭に該当する場合においては、当該避難光庭は、次に定めるところによるものであること。

   イ 火災住戸等(避難光庭に面するものに限る。以下同じ。)のすべての開口部から噴出する火炎等の輻射熱により当該避難光庭に面する廊下及び階段室等を経由して避難する者が受ける熱量が3キロワット毎u未満であること。

   ロ 避難光庭にあっては次に定めるところによること。

    (イ) 避難光庭の高さを当該避難光庭の幅で除した値が2.5未満であること。

    (ロ) (イ)により求めた値が2.5以上の場合にあっては、火災住戸等のすべての開口部から噴出する煙層の温度が4ケルビン以上上昇しないこと。

2 特定共同住宅等に特定光庭が存する場合にあっては、当該光庭に面する開口部及び当該光庭に面する特定共同住宅等の住戸等に設ける給湯湯沸設備等(対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成14年総務省令第24号)第3条第10号に規定する給湯湯沸設備及び同条第二号に規定するふろがまをいう。以下同じ。)は、次に定める基準に適合するものであること。

 (1) 廊下又は階段室等が特定光庭に面して設けられている場合において、当該特定光庭に面して設ける開口部は、次に定めるところによること。

   イ 特定光庭に面する一の開口部の面積が2u以下であり、かつ、1の住戸等の開口部の面積の合計が4u以下であること。ただし、当該開口部が設けられている住戸等に共同住宅用スプリンクラー設備が設けられている場合にあっては、この限りでない。

   ロ 特定光庭の下端に設けられた開口部が、常時外気に開放され、かつ、当該開口部の有効断面積の合計が、特定光庭の水平投影面積の50分の1以上であること。

 (2) 特定光庭((1)に定めるものを除く。)に面する開口部にあっては、次に定めるところによること。

   イ 開口部には、防火設備であるはめごろし戸が設けられていること。ただし、次に定める特定光庭に面する住戸等の開口部((ロ)の特定光庭に面するものにあっては、4階以下の階に存するものに限る。)に防火設備である防火戸を設ける場合にあっては、この限りでない。

    (イ) 特定光庭に面して階段(平成14年消防庁告示第7号に適合する屋内避難階段等の部分に限る。)が設けられている当該特定光庭

    (ロ) その下端に常時外気に開放された開口部(当該開口部の有効断面積が1u以上のものに限る。)が存する特定光庭

   ロ 異なる住戸等の開口部の相互間の水平距離は、次に定めるところによること。ただし、住戸等の開口部の上端から上方に垂直距離1.5m(当該開口部に防火設備であるはめごろし戸が設けられている場合にあっては、0.9m)以上の範囲にある他の住戸等の開口部については、この限りでない

    (イ) 同一の壁面に設けられるもの(当該開口部相互間の壁面に0.5m以上突出したひさし等で防火上有効に遮られている場合を除く。)にあっては、0.9m以上

    (ロ) 異なる壁面に設けられるものにあっては、2.4m(当該開口部に防火設備であるはめごろし戸が設けられている場合にあっては、2m)以上

   ハ 異なる住戸等の開口部の相互間の垂直距離は、1.5m(当該開口部に防火設備であるはめごろし戸が設けられている場合は、0.9m)以上(同一壁面上の当該開口部相互間の壁面に0.5m以上突出したひさし等で防火上有効に遮られている場合を除く。)であること。ただし、同一の壁面に設けられる場合にあっては、当該開口部の側端から水平方向に0.9m、異なる壁面に設けられる場合にあっては、当該開口部の側端から2.4m(当該開口部に防火設備であるはめごろし戸が設けられている場合にあっては、2m)以上の範囲にある他の住戸等の開口部については、この限りでない。

   二 1の開口部の面積が1u以下であり、かつ、1の住戸等の1の階の開口部の面積の合計が2u以下であること。

 (3) 特定光庭に面して給湯湯沸設備等を設ける場合は、次に定めるところによること。

   イ 平成14年消防庁告示第7号に適合する屋内避難階段等の部分が存する特定光庭に限り設置することができること。

   ロ 防火上有効な措置が講じられたものであること。

「特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令」
(平成17年3月25日総務省令第40号)では、次の3つの性能別設置規定があります。

1. 初期拡大抑制性能(第3条)
2. 避難安全支援性能(第4条)
3. 消防活動支援性能(第5条)

 共住省令の規定を適用できる特定共同住宅等においては、共同住宅等に設置し、維持しなければならない通常用いられる消防用設備等に代えて、 特定共同住宅等の構造類型に応じて、上記の3つの各性能ごとに、ひとつのセットとして、一定の必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備に代替することが出来ます。 例えば、スプリンクラー設備だけを共同住宅用スプリンクラー設備に代えることはできません。 各性能単位でセットとして考える場合でも、設置義務のない消防用設備等に対しては、それに対する必要とされる防火安全性能を有する設備等は設置する必要がありません。 例えば、住戸内に設置する消火器を住宅用消火器に代えた場合に、スプリンクラー設備の設置義務がないにもかかわらず共同住宅用スプリンクラー設備を設置する必要はありません。

(必要とされる初期拡大抑制性能を有する消防の用に供する設備等に関する基準)

第3条  特定共同住宅等において、火災の拡大を初期に抑制する性能(以下「初期拡大抑制性能」という。)を主として有する通常用いられる消防用設備等に代えて用いることができる必要と される初期拡大抑制性能を主として有する消防の用に供する設備等は、次の表の上欄に掲げる特定共同住宅等の種類及び同表中欄に掲げる通常用いられる消防用設備等の区分に応じ、 同表下欄に掲げる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等とする。

特定共同住宅等の種類 通常用いられる消防用設備等 必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等
構造類型 階数
2方向避難型特定共同住宅等 地階を除く階数が5以下のもの 消火器具
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備
地階を除く階数が10以下のもの 消火器具
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用自動火災報知設備
地階を除く階数が11以上のもの 消火器具
屋内消火栓設備(11階以上の階に設置するものに限る。)
スプリンクラー設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用スプリンクラー設備
共同住宅用自動火災報知設備
開放型特定共同住宅等 地階を除く階数が5以下のもの 消火器具
屋内消火栓設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備
地階を除く階数が10以下のもの 消火器具
屋内消火栓設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用自動火災報知設備
地階を除く階数が11以上のもの 消火器具
屋内消火栓設備
スプリンクラー設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用スプリンクラー設備
共同住宅用自動火災報知設備
2方向避難・開放型特定共同住宅等 地階を除く階数が10以下のもの 消火器具
屋内消火栓設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備
地階を除く階数が11以上のもの 消火器具
屋内消火栓設備
スプリンクラー設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用スプリンクラー設備
共同住宅用自動火災報知設備
その他の特定共同住宅等 地階を除く階数が10以下のもの 消火器具
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用自動火災報知設備
地階を除く階数が11以上のもの 消火器具
屋内消火栓設備(11階以上の階に設置するものに限る。)
スプリンクラー設備
自動火災報知設備
屋外消火栓設備
動力消防ポンプ設備
住宅用消火器及び消火器具
共同住宅用スプリンクラー設備
共同住宅用自動火災報知設備

(必要とされる避難安全支援性能を有する消防の用に供する設備等に関する基準)

第4条  特定共同住宅等において、火災時に安全に避難することを支援する性能(以下「避難安全支援性能」という。)を主として有する通常用いられる消防用設備等に代えて 用いることができる必要とされる避難安全支援性能を主として有する消防の用に供する設備等は、次の表の上欄に掲げる特定共同住宅等の種類及び同表中欄に掲げる通常用いられる消防用設備等の区分に応じ、 同表下欄に掲げる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等とする。

特定共同住宅等の種類 通常用いられる消防用設備等 必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等
構造類型 階数
2方向避難型特定共同住宅等 地階を除く階数が5以下のもの 自動火災報知設備
非常警報器具又は非常警報設備
避難器具
共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備
地階を除く階数が6以上のもの 自動火災報知設備
非常警報器具又は非常警報設備
避難器具
共同住宅用自動火災報知設備
開放型特定共同住宅等 地階を除く階数が5以下のもの自動火災報知設備
非常警報器具又は非常警報設備
避難器具
誘導灯及び誘導標識
共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備
地階を除く階数が6以上のもの自動火災報知設備
非常警報器具又は非常警報設備
避難器具
誘導灯及び誘導標識
共同住宅用自動火災報知設備
2方向避難・開放型特定共同住宅等 地階を除く階数が10以下のもの 自動火災報知設備
非常警報器具又は非常警報設備
避難器具
誘導灯及び誘導標識
共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備
地階を除く階数が11以上のもの 自動火災報知設備
非常警報器具又は非常警報設備
避難器具
誘導灯及び誘導標識
共同住宅用自動火災報知設備
その他の特定共同住宅等 すべてのもの 自動火災報知設備
非常警報器具又は非常警報設備
避難器具
共同住宅用自動火災報知設備

(*)住戸、共用室及び管理人室に共同住宅用スプリンクラー設備を設置したときに限り、 当該設備の有効範囲内の部分について、共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備を設置しないことができる。

(必要とされる消防活動支援性能を有する消防の用に供する設備等に関する基準)

第5条  特定共同住宅等(住戸、共用室及び管理人室について、その主たる出入口が階段室等に面する特定共同住宅等に限る。)において、消防隊による活動を支援する性能(以下「消防活動支援性能」という。) を主として有する通常用いられる消防用設備等(連結送水管及び非常コンセント設備に限る。)に代えて用いることができる必要とされる消防活動支援性能を主として有する消防の用に供する設備等は、 共同住宅用連結送水管及び共同住宅用非常コンセント設備とする。

2 前項に規定するもののほか、特定共同住宅等における必要とされる消防活動支援性能を主として有する消防の用に供する設備等の設置及び維持に関する技術上の基準は、次のとおりとする。

 1 共同住宅用連結送水管は、次のイからハまでに定めるところによること。

   イ 放水口は、階段室等又は非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所ごとに、消防隊が有効に消火活動を行うことができる位置に設けること。

   ロ 放水口は、3階及び当該階から上方に数えた階数3以内ごとに、かつ、特定共同住宅等の各部分から1の放水口に至る歩行距離が50m以下となるように、設けること。

   ハ イ及びロに規定するもののほか、共同住宅用連結送水管は、令第29条第2項第2号 から第4号 まで並びに規則第30条の4 及び第31条 の規定の例により設置すること。

 2 共同住宅用非常コンセント設備は、次のイからハまでに定めるところによること。

   イ 非常コンセントは、階段室等又は非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所ごとに、消防隊が有効に消火活動を行うことができる位置に設けること。

   ロ 非常コンセントは、11階及び当該階から上方に数えた階数3以内ごとに、かつ、特定共同住宅等の各部分から1の非常コンセントに至る歩行距離が50m以下となるように、設けること。

   ハ イ及びロに規定するもののほか、共同住宅用非常コンセント設備は、令第29条の2第2項第2号 及び第3号 並びに規則第31条の2 の規定の例により設置すること。

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