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7. 消防設備の維持管理

目次7.1 消防用設備の種類と役割7.2 共同住宅の消防用設備7.3 自主点検チェック表

消防設備の維持管理について

 万一、火災が発生しても、火災の発生を早く知らせ、火災を消火し、迅速に避難でき、さらには消防隊が有効に消火活動を行うことができれば、火災による被害を軽減できます。 そのため、消防法第17条では、防火対象物の所有者、管理者又は占有者に対し、その防火対象物の用途、規模、構造及び収容人員に応じ、一定の基準に従って消防用設備等又は特殊消防用設備等を設置することを義務付けています。

7.1.消防用設備の種類と役割

消防用設備等には、消火設備、警報設備、避難設備などの「消防の用に供する設備」、防火水槽、貯水池等の「消防用水」、消防隊が使用する「消火活動上必要な施設」などがあります。

消防の用に供する設備

消火設備

消火器、簡易消火用具(水バケツ、水槽、乾燥砂、その他)
屋内消火栓設備、スプリンクラー設備
水噴霧消火設備、泡消火設備
不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
屋外消火栓設備、動力消防ポンプ設備

警報設備

自動火災報知設備
ガス漏れ火災警報設備
漏電火災警報器
消防機関へ通報する火災報知設備
非常警報器具(警鐘、携帯用拡声器、手動式サイレンなど)
非常警報設備(非常ベル、自動式サイレン、放送設備)

避難設備

すべり台、避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋、その他の避難器具
誘導灯、誘導標識

消 防 用 水

防火水槽又はこれに代わる貯水池その他の用水

消火活動上必要な施設

排煙設備、連結散水設備、連結送水管、非常コンセント設備
無線通信補助設備

必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備

パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備、共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備、共同住宅用非常警報設備、共同住宅用連結送水管、共同住宅用非常コンセント設備

 

7.2 共同住宅の消防用設備

この表は「共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例について(通知)(平成7年消防予220)」 の内容を一覧表にしたものです。上記詳細PDF(1MB)の ダウンロードはこちらへ

この特例基準を適用することのできる共同住宅等の建築構造上の要件は、次のとおりです。
1 主要構造部が耐火構造であること。
2 共用部分の壁及び天井の仕上げが不燃材料又は準不燃材料であること。
3 住戸等と住戸等及び住戸等と共用部分とは、開口部のない耐火構造の床又は壁で防火区画されていること。
 ただし、住戸等と共用部分を防火区画している壁には、一定の防火措置を講じた出入口、窓等の開口部を設けることができる。
 なお、防火区画及び開口部の防火措置については、別紙5「住戸等の防火区画の基準及び開口部の防火措置」によること。
4 特定光庭に面する開口部には、防火措置がとられていること。
 なお、特定光庭に面する開口部の防火措置については、別紙6「特定光庭に面する開口部の防火措置」によること。

上記に掲げる建築構造上の要件を満たす共同住宅等については、令第32条の規定を適用し、 次に掲げる共同住宅等の区分に応じて、それぞれ定める消防用設備等の設置の特例を認めて差し支えない。(平成7年消防予220)

特定共同住宅等の種類 (※)

必要とされる防火安全性能を有する
消防の用に供する設備等

通常用いられる消防用設備等
(左記○印(白抜き)を一式設置することにより免除出来る設備)

構造類型 階数

住戸用消火器及び消火器具

住戸用自動火災報知設備および共同住宅用非常警報設備

共同住宅用自動火災報知設備

共同住宅用スプリンクラ-設備
 11階以上の部分

消火器具

自動火災報知設備

屋外消火栓設備

動力消防ポンプ設備

屋内消火栓

スプリンクラ-設備

非常警報器具又は非常警報設備

避難器具

誘導灯及び誘導標識

二方向避難型 5階建て以下 ○注2        
6階〜10階建て以下          
11階建て以上   ●注1  
開放型 5階建て以下 ○注2    
6階〜10階建て以下      
11階建て以上   ○注3
二方向避難開放型 10階建て以下 ○注2    
11階建て以上   ○注4
非二方向避難非開放型 10階建て以下          
11階建て以上   ●注1  

(※) 特定共同住宅等の種類は、5項ロもしくは令8区画された5項ロの部分に限る建築構造の要件を満たすものをいいます。
 令8区画とは、消防法施行令第8条「防火対象物が開口部のない耐火構造(建築基準法第2条第7号 に規定する耐火構造をいう。以下同じ。) の床又は壁で区画されているときは、その区画された部分は、それぞれ別の防火対象物とみなす。」とされている規程です。

  1. 表中、○印(白抜き)を設置することで、●印(黒塗り潰し)設備が免除できます。
     (但し、「通常用いられる消防用設備等」において、空欄(無印部分)は消防法通り設置の有無を決定します)。 また、都合のよい設備だけを選択することはできません。

  2. ●注1 … 共同住宅用スプリンクラー設備を設置した階のみ屋内消火栓設備が免除できます。

  3. ○注2 … どちらか一方の設備を選択できます。

  4. ○注3 … 11階〜14階の部分においてのみ、内装制限かつ、共用室の開口部に防火戸が設けられている場合に免除ができる。 この場合、15階以上の階には設置が必要です。

  5. ○注4 … 11階以上において、内装制限かつ、共用室の開口部に防火戸が設けられている場合に免除ができる。

  6. 上記表にある設備の他、共通項目として、「共同住宅用連結送水管、共同住宅用非常コンセント設備」があります。 この2つの設備は、通常の設置基準に代えて、階段室型の場合、階数が3以内ごとに、歩行距離50m以下となるよう設置することができます。

 

7.3 消防用設備等・特殊消防用設備等自主点検チェック表

 本ページの消防計画別表5に掲げる「消防用設備等・特殊消防用設備等自主点検チェック表」は
複合用途の中規模用消防計画作成例におけるチェック表を掲載していますので、項目が多くなっています。
この中からご自分の防火用対象物にあわせて適宜取捨選択してご使用下さい。 

「消防用設備等・特殊消防用設備等自主点検チェック表」



(参考) 消防士長・消防指令補 昇任試験の模擬問題から

[消防法規]問1
消防法第3条に規定されている屋外における火災の予防又は消防活動の障害除去のための措置命令において、消防長が第3条第1項に規定されている事項の違反している管理権原者に対して、命ずることのできる措置について誤っているものはどれか。
(1) 残火、取灰又は火粉の始末
(2) 放置され、又はみだりに存置された物件の整理又は除去
(3) 火遊び、喫煙、たき火、火を使用する設備若しくは器具(物件に限る。)の使用その他これらに類する行為の禁止、停止若しくは制限又はこれらの行為を行う場合の消火準備
(4) 高圧ガス又は放置され、若しくはみだりに存置された燃焼のおそれのある物件の除去その他の処理

(解説)(4)は高圧ガスではなく、危険物です。(消防法第3条参照)

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