「建物設備の知識」 > 「防火管理 目次」 > 【前頁】 1. 防火管理制度の概要  > 2. 法令上求められる義務 > 【次頁】 2.7 消防法施行令別表第1

2. 法令上求められる義務

2.1 防火対象物とは

 防火対象物とは、建築物をはじめ、車両や船舶その他の工作物及び山林など火災予防の対象となるすべてのものですが、その用途によって、消防法施行令別表第1で規定されています。

防火管理の実施や消防用設備等の設置に関する基準は、この用途区分に応じて定められています。


2.2 法の適用を受ける防火対象物か?

 防火管理が義務付けられる防火対象物は、消防法第8条第1項に、学校、病院、工場などの「多数のものが出入りし、勤務し、または居住する防火対象物で政令で定めるもの」と定められています。

「防火対象物で政令で定めるもの」とは、消防法施行令別表第1に掲げる防火対象物(同表(16の3)項及び(18)項〜(20)項に掲げるものを除く。)において、 その用途区分に応じて
特定防火対象物(16の3)項を除く)で特別養護老人ホームなど収容人員が10人以上、それ以外は30人以上
非特定防火対象物((16)(項〜20)項を除く。)で収容人員が50人以上のもの
に分けて指定されています。 ( 区分の詳細は、【次頁】「3. 防火管理者の資格」に掲載しています。 )

特定防火対象物とは、不特定多数の人が利用する建物など、火災の発生危険や火災が発生した場合の人命危険を考慮して指定されています。 非特定防火対象物とは、共同住宅や学校、事業所、工場など特定の人が利用する建物のほか、図書館、教会、船や駅の待合室なども含まれます。

 なお、ここでいう「収容人員」とは、その防火対象物に出入りし、勤務し、又は居住する者の数をいい、その算定方法は消防法施行規則第1条の3に定められています。 施行規則では、消防法施行令別表第1(5)項ロの防火対象物である共同住宅の収容人員算定方法は、「居住者の数により算定する」となっています。

1 特定共同住宅等について
省令第2条第1号の特定共同住宅等は、令別表第1(16)項に掲げる防火対象物で、令第8条の規定により他の用途に供される部分と区画された令別表第1(5)項ロに掲げる防火対象物 (共同住宅、寄宿舎又は下宿)も含まれます。

2 メゾネット型の住戸等の取扱いについて
メゾネット型の住戸等(−の住戸等の階数が二以上であるものをいう。)の階の算定にあっ ては、当該住戸等を一の階と扱うものではなく、建築基準法施行令第2条第1項第8号の規定により、これらの階数のうち最大のものとなります。

(注) 特定共同住宅とは、建物構造やレイアウト等によって、火災の発生や延焼の恐れが少ないなどの一定の要件を満たした共同住宅のことで、消防用設備等の設置が緩和されてきましたが、 平成19年4月1日から性能規定化の導入により省令で定められた共同住宅用スプリンクラー設備等や共同住宅用自動火災報知設備等を設置することができる規定に変わっています。 (特定共同住宅等の取扱いは令第29条の4第1項の規定に基づく省令第40号で規定されています。)     「共住省令第40号」

(※注) 下表の「防火対象物の用途」の説明は簡略化しています。

消防法施行令 別表第一の規定は、平成25年10月1日、平成27年4月1日、平成28年4月1日の各施行日ごとに、 規定が細かくなってきていますので、詳しくは右を参照してください。 「消防法施行令 別表第一」

2.3 消防法で管理者(防火管理者・統括防火管理者 ・防災管理者)が義務付けられている防火対象物

防火対象物の用途 防火管理者 統括防火管理者 (※2) 防災管理者
根拠法 消防法施行令 別表第一 法第8条 法第8条の2 法第8条の2の5、36条
(1)劇場、映画館、演芸場又は観覧場収容人員30人以上管理権原が分かれるもので、3階以上で人員30人以上・11階以上で1万u以上
・5階以上、10階以下で2万u以上
・4階以下で5万u以上
[管理権原が分かれるものは統括防災管理者が必要]
公会堂又は集会場
(2)キャバレー、カフェー、ナイトクラブその他これらに類するもの
遊技場又はダンスホール
風俗営業等の店舗
カラオケボックス
(3)待合、料理店その他これらに類するもの
飲食店
(4)百貨店、マーケツトその他の物品販売業を営む店舗又は展示場
(5)旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの
寄宿舎、下宿又は共同住宅収容人員50人以上  
(6)(1)病院
(2)診療所
(3)助産所
収容人員30人以上管理権原が分かれるもので、3階以上で人員30人以上・11階以上で1万u以上
・5階以上、10階以下で2万u以上
・4階以下で5万u以上
[管理権原が分かれるものは統括防災管理者が必要]
(1)老人短期入所施設
(2)救護施設
(3)乳児院
(4)障害児入所施設
(5)障害者支援施設
収容人員10人以上管理権原が分かれるもので、3階以上で人員10人以上
(1)老人デイサービスセンター、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム
(2)更生施設
(3)助産施設、保育所、児童養護施設
(4)児童発達支援センター
(5)身体障害者福祉センター、障害者支援施設、地域活動支援センター、福祉ホーム、障害者総合支援施設
収容人員30人以上管理権原が分かれるもので、3階以上で人員30人以上
幼稚園又は特別支援学校
(7)小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、大学、専修学校、各種学校その他これらに類するもの収容人員50人以上  
(8)図書館、博物館、美術館その他これらに類するもの
(9)公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場その他これらに類するもの収容人員30人以上管理権原が分かれるもので、3階以上で人員30人以上
イに掲げる公衆浴場以外の公衆浴場収容人員50人以上 
(10)車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場
(11)神社、寺院、教会その他これらに類するもの
(12)工場又は作業場
映画スタジオ又はテレビスタジオ
(13)自動車車庫又は駐車場
飛行機又は回転翼航空機の格納庫 
(14)倉庫
(15)前各項に該当しない事業場・11階以上で1万u以上
・5階以上、10階以下で2万u以上
・4階以下で5万u以上
[管理権原が分かれるものは統括防災管理者が必要]
(16)複合用途防火対象物のうち、その一部が(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているもの収容人員30人以上((6)項ロが含まれる場合は、10人以上)管理権原が分かれるもので、3階以上で人員30人以上((6)項ロが含まれる場合は、10人以上)・11階以上で1万u以上
・5階以上、10階以下で2万u以上
・4階以下で5万u以上
[管理権原が分かれるものは統括防災管理者が必要]
※ 対象用途の存する最上階及び対象用途部分の床面積の合計で算定する。
イに掲げる複合用途防火対象物以外の複合用途防火対象物収容人員50人以上管理権原が分かれるもので、5階以上で人員50人以上
(16の2)地下街収容人員30人以上((6)項ロが含まれる場合は、10人以上)管理権原が分かれるもの1千u以上
[管理権原が分かれるものは統括防災管理者が必要]
(16の3)建築物の地階((16の2)項に掲げるものの各階を除く。)で連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたもの((1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものに限る。)   
(17)文化財保護法(昭和25年法律第214号)の規定によつて重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡若しくは重要な文化財として指定され、又は旧重要美術品等の保存に関する法律(昭和8年法律第43号)の規定によつて重要美術品として認定された建造物収容人員50人以上高層建築物で管理権原が分かれるもの・11階以上で1万u以上
・5階以上、10階以下で2万u以上
・4階以下で5万u以上
[管理権原が分かれるものは統括防災管理者が必要]
(18)延長五十メートル以上のアーケード   
(19)市町村長の指定する山林   
(20)総務省令で定める舟車   

2.4 火災予防条例で定める管理者(防火管理技能者・防災センター要員・自衛消防活動中核要員)

(注)火災予防条例は地方条例で、下記は東京都火災予防条例の条項です。
防火対象物の用途 防火管理技能者 防災センター要員
(※3)
自衛消防活動中核要員 (※2)
根拠法 消防法施行令 別表第一 条例第55条3の2 条例第55条2の3 条例第55条5
(1)劇場、映画館、演芸場又は観覧場・11階以上で1万u以上
・5階以上、10階以下で2万u以上
・4階以下で5万u以上
1万u以上又は2千人以上
公会堂又は集会場
(2)キャバレー、カフェー、ナイトクラブその他これらに類するもの3千u以上で3百人以上
遊技場又はダンスホール
風俗営業等の店舗
カラオケボックス
(3)待合、料理店その他これらに類するもの
飲食店
(4)百貨店、マーケツトその他の物品販売業を営む店舗又は展示場5千u以上
(5)旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの3千u以上
寄宿舎、下宿又は共同住宅・15階以上で3万u以上
・11階以上、14階以下で1万u以上
・10階以下で5万u以上
・15階以上で3万u以上
・5万u以上
 
(6)(1)病院
(2)診療所
(3)助産所
・11階以上で1万u以上
・5階以上、10階以下で2万u以上
・4階以下で5万u以上
1万u以上で500人以上
(1)老人短期入所施設
(2)救護施設
(3)乳児院
(4)障害児入所施設
(5)障害者支援施設
 
(1)老人デイサービスセンター、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム
(2)更生施設
(3)助産施設、保育所、児童養護施設
(4)児童発達支援センター
(5)身体障害者福祉センター、障害者支援施設、地域活動支援センター、福祉ホーム、障害者総合支援施設
幼稚園又は特別支援学校
(7)小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、大学、専修学校、各種学校その他これらに類するもの・15階以上で3万u以上
・11階以上で1万u以上のうち防災センターが設置されているもの
・5万u以上
・15階以上で3万u以上
5万u以上
(8)図書館、博物館、美術館その他これらに類するもの
(9)公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場その他これらに類するもの・11階以上で1万u以上
・5階以上で10階以下で2万u以上
・4階以下で5万u以上
イに掲げる公衆浴場以外の公衆浴場・15階以上で3万u以上
・11階以上で1万u以上のうち防災センターが設置されているもの
5万u以上
・15階以上で3万u以上
5万u以上
(10)車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場
(11)神社、寺院、教会その他これらに類するもの
(12)工場又は作業場5千u以上
映画スタジオ又はテレビスタジオ
(13)自動車車庫又は駐車場1万u以上
飛行機又は回転翼航空機の格納庫 
(14)倉庫
(15)前各項に該当しない事業場3万u以上
(16)複合用途防火対象物のうち、その一部が(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているもの・11階以上で1万u以上
・5階以上で10階以下で2万u以上
・4階以下で5万u以上
それぞれの用途で該当する部分が存するもの又は(5)項ロ部分を除き1万u以上
イに掲げる複合用途防火対象物以外の複合用途防火対象物・15階以上で3万u以上
・11階以上で1万u以上のうち防災センターが設置されているもの
5万u以上
・15階以上で3万u以上
5万u以上
(12)項、(13)項イ又は、(15)項の部分で該当するもの
又は(5)項ロ部分を除き3万u以上
(16の2)地下街1万u以上1千u以上3千u以上
(16の3)建築物の地階((16の2)項に掲げるものの各階を除く。)で連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたもの((1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものに限る。)   
(17)文化財保護法の規定による重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡5万u以上 
(18)延長五十メートル以上のアーケード   
(19)市町村長の指定する山林   
(20)総務省令で定める舟車   

※2 高層建築物(高さ31mを超える建築物)に対する消防法と条例の規定

1.「消防法第8条の2 統括防火管理者」に関する規定

  • 令 別表第一(1)項から(16)項までの各項に掲げる用途の高層建築物で管理権原が分かれるものは、統括防火管理者の配置が義務付けられます。

2.「東京都火災予防条例第55条の5 自衛消防活動中核要員」に関する規定

  • 令 別表第一(1)項から(17)項までの各項に掲げる用途の高層建築物は(5)項ロを除き、2万u以上のものは自衛消防活動中核要員の配置が義務付けられます。

2.5 資格者講習一覧

分類 防火管理者 消防設備点検 資格者 防火対象物点検資格者 自衛消防業務講習の修了者 防災管理者 防災管理点検資格者 特殊建築物等調査資格者
「特定建築物調査員」「防火設備検査員」(※4)

根拠条文(消防法・建基法)

法第8条第1項・令第3条第1項

法第17条3の3第1項・規則第31条の6第6項

法第8条2の2第1項・規則第4条の2の4第4項

法第8条2の5第1項・令第4条の2の8第3項

法第36条第1項・令第47条第1項

法第36条第1項・規則第51条の12第3項

建築基準法第12条第2項

対応する災害

火災対応

火災・地震等対応

地震等対応

火災・地震等対応(建築物の維持保全)

主な業務

消防計画(防火)の作成・消火、避難訓練の実施

消防用設備等の点検、作動試験

消防計画の作成状況、避難経路の状況等の点検

平成21年4月より既存の「防災センター要員講習」が自衛消防業務講習に移行された
(※3)参照

消防計画(防災)の作成・避難訓練の実施

消防計画の作成状況、家具の固定状況等の点検

特殊建築物等定期調査報告

主な受講・受験者

各店舗・施設の責任者(管理職)等

消防設備士・電気工事士・管工事施工管理技士・建築士他
  (注2)参照

消防設備士・消防設備点検資格者・防火管理者他  (注3)参照

防災センター要員等

防災管理対象物の防火対策は防災管理者が行う。(防火対策と防災対策との一元化)

防災管理者・市町村の消防職員・消防団員・防火対象物点検資格者等

建築士他(但し法的には建築士は受講しなくても調査報告はできる)

資格者が必要となる建物の規模等
(*)建物棟数は平成22年度時点

小規模以上の建物
[約106万]

中規模以上の建物
[約90万]

店舗等が入居する中規模以上の建物・雑居ビル
[約11万]

大規模な建物 (注4)参照
[約9,000]

特殊建築物(定期報告制度(平成20年4月1日及び平成28年1月15日建築基準法施行令改正)(※4)

実施主体 ( )内は、実施機関数

都道府県知事(0)
消防長
(甲種570乙種147)
登録講習機関
【一般財団法人日本防火・防災協会】

登録講習機関
【一般財団法人 日本消防設備安全センター】

登録講習機関
【一般財団法人 日本消防設備安全センター】

都道府県知事(0)
消防長(8)
登録講習機関
【一般財団法人 日本消防設備安全センター】

都道府県知事(1)
消防長(53)
登録講習機関
【一般財団法人日本防火・防災協会】

登録講習機関
【一般財団法人 日本消防設備安全センター】

登録講習機関
【一般財団法人 日本建築防災協会】

講習時間
※( )日数は登録講習機関における講習実施日数

甲種新規講習:
 10時間(2日)
乙種新規講習:
  5時間(1日)
   (注1)参照
甲種再講習[5年毎]:おおむね2時間(半日)(※2.5時間程度が多い)
※中規模以上の建築物の防火管理者のみ

新規講習:
 16時間(3日)
再講習[5年毎]:
  5時間(1日)

新規講習:
 18時間(4日)
再講習[5年毎]:
  5時間(1日)

新規講習:
 12時間(2日)
再講習[5年毎]:
  6時間(1日)

新規講習:
 5時間(1日)
再講習[5年毎]:
 3時間(半日)
※防火防災管理併催新規講習:
 14時間(2日半)

新規講習:
 8時間(2日)
再講習[5年毎]:
 3時間(半日)

新規講習:
 4日間


※3 :平成21年4月より既存の「防災センター要員講習」が自衛消防業務講習に移行されましたが、東京都については、火災予防条例第55条の2の3にて「防災センター要員講習」が規定されており、そのまま継続されるため、 東京都では、条例上の防災センター要員講習と消防法上の自衛消防業務講習をまとめて実施し、講習を受講すると防災センター要員講習修了証と 自衛消防業務講習修了証の二つの免状が付与されます。

※4 :平成28年2月29日建築基準法施行規則の改正により、従来の調査資格者、検査資格者が調査員、検査員に改められ、 それまでの「特殊建築物等調査資格者」は国土交通大臣から「特定建築物調査員」の資格者証の交付を受けていない場合、 平成28年6月1日より調査・検査業務が出来なくなりました。 また新たに「防火設備検査員」の資格が創設されました。


(注1):平成23年4月1日から実施される講習会の受講時間は下記のように変更になっています。

防火管理講習  「平成23年総務省令第55号」及び「平成23年消防庁告示第8号」
   甲種新規講習:12時間(2日)−−−>10時間(2日)
   乙種新規講習: 6時間(1日)−−−> 5時間(1日)

      講習事項            講習時間 (括弧内は乙種新規講習)
      防火管理の意義及び制度     2時間 (1)
      火気管理               2時間 (1)
      施設及び設備の維持管理     2時間 (1)
      防火管理に係る訓練及び教育   2時間 (1)
      防火管理に係る消防計画      2時間 (1)

 平成22年5月24日に開催された行政刷新会議の公益法人事業仕分けにおいて、再講習の必要性について検討し受講者負担の軽減に努めるべきであるとの指摘を受け、 必要な防火・防災性能の確保に留意しつつ、講習のカリキュラム基準の見直しを行った結果、消防法施行規則の一部を改正する省令(平成22年総務省令第109号)平成22年12月14日公布・平成23年4月1日施行により改正されたものです。 各種講習の受講期限に係る改正内容は下記の通りです。


消防設備士等に係る講習の受講期限に係る事項(平成22年総務省令第109号)

1 消防設備士講習に係る改正
消防設備士が受けることとされている講習の受講期限である「免状の交付を受けた日 から2年以内」及び「講習を受けた日から5年以内」を、「免状の交付を受けた日以後 における最初の4月1日から2年以内」及び「講習を受けた日以後における最初の4月 1日から5年以内」にそれぞれ改めることとしたこと(規則第33条の17第1項及び 第2項関係)。

2 危険物の取扱作業の保安に関する講習に係る改正
(1) 危険物取扱者が危険物の取扱作業に従事することとなった日前2年以内に危険物取 扱者免状の交付を受けている場合又は講習を受けている場合に受けることとされてい る講習の受講期限である「当該免状の交付を受けた日又は当該講習を受けた日から3 年以内」を「当該免状の交付を受けた日又は当該講習を受けた日以後における最初の 4月1日から3年以内」に改めることとしたこと(改正省令による改正後の危険物の 規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号。以下「危規則」という。)第58 条の14第1項関係)。
(2) 危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者が受けることとされている講習の受講期 限である「講習を受けた日から3年以内」を「講習を受けた日以降における最初の4 月1日から3年以内」に改めることとしたこと(改正省令による改正後の危規則第5 8条の14第2項関係)。

3 甲種防火管理再講習及び防災管理再講習に係る改正
甲種防火管理講習既習者(一定の建築物等に係る防火管理者である者に限る。)又は 防災管理講習既習者が受けることとされている講習の受講期限である「最後に講習の課 程を修了した日から5年以内」を「最後に講習の課程を修了した日以後における最初の 4月1日から5年以内」に改めることとしたこと(第8号告示による改正後の甲種防火 管理再講習について定める件(平成16年消防庁告示第2号)及び第8号告示による改 正後の防災管理再講習について定める件(平成20年消防庁告示第17号)関係)。

4 消防設備点検資格者再講習、防火対象物点検資格者再講習又は防災管理点検資格者再 講習に係る改正
消防設備点検資格者、防火対象物点検資格者又は防災管理点検資格者が受けることと されている講習の受講期限である「免状の交付を受けた日から5年以内」を「免状の交 付を受けた日以後における最初の4月1日から5年以内」に改めることとしたこと(第 8号告示による改正後の消防法施行規則第31条の6第6項第6号の期間を定める件 (平成12年消防庁告示第14号)第1、消防法施行規則第4条の2の4第5項第6号 の規定に基づき、同号の期間を定める件(平成14年消防庁告示第9号)第1及び消防 法施行規則第51条の12第4項第6号の規定に基づき、同号の期間を定める件(平成 20年消防庁告示第20号)第1関係)。

5 自衛消防業務再講習に係る改正
統括管理者又は自衛消防組織の要員のうち、統括管理者の直近下位の内部組織の業務 を統括する者(消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第4条の2の13に掲げ る統括管理者として必要な学識経験を有する者を除く。)が受けることとされている講 習の受講期限である「講習の課程を修了した日から5年以内」を「講習の課程を修了し た日以後における最初の4月1日から5年以内」に改めることとしたこと(第8号告示 による改正後の自衛消防業務再講習について定める件(平成20年消防庁告示第15号) 関係)。

6 消防設備点検資格者免状、防火対象物点検資格者免状及び防災管理点検資格者免状に 係る所要の改正
各種免状の様式について定めた関係告示の別記様式中「免状の交付を受けた日から5 年以内」を「免状の交付を受けた日以後における最初の4月1日」に改めることとした こと(第8号告示による改正後の消防法施行規則第31条の7第2項において準用する 消防法施行規則第1条の4第10項の規定に基づき、登録講習機関の行う講習に係る基 準を定める件(平成16年消防庁告示第18号)別記様式、消防法施行規則第4条の2 の5第2項において準用する消防法施行規則第1条の4第10項の規定に基づき、登録 講習機関の行う講習に係る基準を定める件(平成16年消防庁告示第17号)別記様式 及び消防法施行規則第51条の13第2項において準用する同規則第1条の4第10項 の規定に基づき、登録講習機関の行う講習に係る基準を定める件(平成20年消防庁告 示第21号)別記様式関係)。

(注2) 消防設備点検資格者講習の受講資格

1. 甲種又は乙種の消防設備士
2. 第1種又は第2種電気工事士
3. 1級又は2級の管工事施工管理技士
4. 水道布設工事監督者の資格を有する者
5. 建築設備検査資格者、特殊建築物等調査資格者又は昇降機検査資格者
6. 1級又は2級の建築士
7. 技術士の第2次試験に合格した者(機械部門、電気・電子部門、化学部門、水道部門又は衛生工学部門に係るものに限る。)
8. 第1種、第2種又は第3種の電気主任技術者
9. 1級、2級又は3級の海技士(機関)
10. 建築基準適合判定資格者検定に合格した者
11. 消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について5年以上の実務の経験を有する者
その他

消防設備点検資格者が点検できる消防用設備等及び特殊消防用設備等の種類

資格者区分 点検できる消防用設備等及び特殊消防用設備等の種類
消防設備点検資格者 消防設備士
特 種 特 類 特殊消防用設備等
第 1 種 第 1 類 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備、共同住宅用スプリンクラー設備
第 2 類 泡消火設備
第 1 類
第 2 類
動力消防ポンプ設備、消防用水、連結散水設備、連結送水管、共同住宅用連結送水管
第 3 類 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
第 6 類 消火器、簡易消火用具
第 1 類
第 2 類
第 3 類
パッケージ型消火設備
パッケージ型自動消火設備
第 2 種 第 4 類 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備、特定小規模施設用自動火災報知設備、複合型居住施設用自動火災報知設備
第 5 類 避難器具
第 7 類 漏電火災警報器
第 4 類
第 7 類
非常警報器具、非常警報設備、排煙設備、非常コンセント設備、無線通信補助設備、共同住宅用非常コンセント設備、共同住宅用非常警報設備、加圧防排煙設備
第4類又は第7類の消防設備士のうち電気工事士又は電気主任技術者免状の交付を受けている者 誘導灯、誘導標識

(注3):防火対象物点検資格者の受講資格

防火対象物点検資格は、下記の受講資格を持つ者が所定の4日間の講習を受けて修了考査を取得した者に与えられます。
(1)消防法第17条の6に規定する消防設備士で、消防用設備等の工事、整備又は点検について3年以上の実務の経験を有する者
(2)消防法施行規則第31条の6第6項に規定する消防設備点検資格者で、消防用設備等の点検について3年以上の実務の経験を有する者
(3)消防法第8条第1項に規定する防火管理者として選任された者で、3年以上その実務の経験を有する者
(4)消防法施行令第3条1項第1号イに規定する甲種防火管理講習又は同項第2号イに規定する乙種防火管理講習の課程を修了した者で、防火管理上必要な業務について5年以上の実務の経験を有する者(前3に掲げる者を除く。)
(5)建築基準法第5条第1項に規定する建築基準適合判定資格者検定に合格した者で、建築主事又は確認検査員として2年以上の実務の経験を有する者
その他、市町村の消防職員、消防団員、特定行政庁の職員で規定に定める者など。

(注4):防災管理対象物(防災管理者の選任が必要な防火対象物)

防災管理者を必要とする建築物その他の工作物は、消防法施行令第46条に規定される建築物その他の工作物で、消防法施行令第4条の2の4の防火対象物です。

対象用途等地階を除く階数延べ面積
 共同住宅、格納庫、倉庫等を除く、
 すべての用途の建築物等
 11(階)以上  1万u以上
 5(階)以上10(階)以下  2万u以上
 4(階)以下  5万u以上
 地 下 街    1千u以上

 

2.6 団地における防火管理の実施単位

 同一の敷地内に複数の防火対象物があり、同一の管理権原者の下に相互に関連している場合、統一的な防火管理が必要となります。団地のように、同一の敷地内に複数の棟がある場合、どこの棟から火災が発生しても、消火、通報、避難などの対応は敷地全体として考えなければならないからです。

このため、同一敷地内に存する同一管理権原者の防火対象物については、収容人員をすべて合算して防火管理義務の有無を判断することとされています。

消防法施行令
(同一敷地内における二以上の防火対象物)
第二条  同一敷地内に管理について権原を有する者が同一の者である別表第一に掲げる防火対象物が二以上あるときは、それらの防火対象物は、法第八条第一項 の規定の適用については、一の防火対象物とみなす。

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