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17. 特定共同住宅の消防設備

共同住宅等(令別表第1(5)項ロに掲げる防火対象物)に設置すべき消防用設備の概要

区分 法令で規制を受ける共同住宅等の規模等
収容人員 居住者の数
防火管理者の選任 収容人員50人以上
防炎物品の使用 高層建築物(高さ31mを超えるもの)のカーテン、じゅうたん等は防炎性能が義務付けられている。
消火器又は簡易消火用具 防火対象物の全体に設置 一般の部分 延べ面積 150u以上
危険物の貯蔵・取り扱う部分 少量危険物(危政令第1条の11に指定する指定数量1/5以上で指定数量未満)**6   指定可燃物(危政令別表第4)**7 
特定の部分に設置 地階 ・ 無窓階**1
3階以上の階
床面積 50u以上
屋内消火栓設備 防火対象物の全体に設置 一般の部分 延べ面積 700u以上(耐火構造・内装制限2,100u以上、耐火構造又は準耐火建築物・内装制限1,400u以上)
危険物の貯蔵・取り扱う部分 危政令別表第4の数量の750倍以上の指定可燃物(可燃性液体類に係るものを除く。)
特定の部分に設置 地階 ・ 無窓階**1
4階以上の階
延べ面積 150u以上(耐火構造・内装制限450u以上、耐火構造又は準耐火建築物・内装制限300u以上)
スプリンクラー設備 **2 防火対象物の全体に設置 指定可燃物の貯蔵・取り扱う部分 危政令別表第4の数量の1、000倍以上の指定可燃物(可燃性液体類に係るものを除く。)
特定の部分に設置 階数11以上のもの 11階以上の階
水噴霧消火設備

泡消火設備

不活性ガス消火設備

ハロゲン化物消火設備
特定の部分に設置 指定可燃物の貯蔵・取り扱う部分 危政令別表第4の数量の
1、000倍
以上
綿花類、木毛及びかんなくず、ぼろ及び紙くず(動植物がしみこんでいる布又は紙及びこれらの製品を除く。)、糸類、わら類又は合成樹脂類(不燃性又は難燃性でないゴム製品、ゴム半製品、原料ゴム及びゴムくずに限る。)に係るもの→水噴霧、泡、不活性ガス(全域)
ぼろ及び紙くず(動植物がしみこんでいる布又は紙及びこれらの製品に限る。)又は石炭・木炭類に係るもの→水噴霧、泡
可燃性固体類、可燃性液体類又は合成樹脂類((不燃性又は難燃性でないゴム製品、原料ゴム及びゴムくずを除く。)に係るもの→水噴霧、泡、不活性ガス、ハロゲン、粉末
木材加工品及び木くずに係るもの→水噴霧、泡、不活性ガス(全域)、ハロゲン(全域)
屋上部分 回転翼航空機、垂直離着陸航空機の発着場
道路の用に供される部分 床面積  屋上部分  600u以上
      その他    400u以上
→水噴霧、泡、不活性ガス、粉末
自動車の修理整備部分 床面積  地階・2階以上の階  200u以上
       1階           500u以上
→水噴霧、泡、不活性ガス、ハロゲン、粉末
駐車場 床面積  地階・2階以上の階  200u以上
       1階           500u以上
       屋上           300u以上
      機械装置駐車     収容台数10台以上
→水噴霧、泡、不活性ガス、ハロゲン、粉末
発電機・変圧器等電気設備 床面積   200u以上
→不活性ガス、ハロゲン、粉末
鍛造場・ボイラー室・乾燥室 床面積   200u以上
→不活性ガス、ハロゲン、粉末
通信機器室 床面積   500u以上
→不活性ガス、ハロゲン、粉末
屋外消火栓設備 **3 防火対象物の全体に設置 1・2階の床面積の合計  耐火建築物   9、000u以上
                準耐火建築物  6、000u以上
                その他の建築物 3、000u以上
動力消防ポンプ 屋内・屋外消火栓設備と同じ
自動火災報知設備 防火対象物の全体に設置 一般の部分 延べ面積 500u以上
指定可燃物の貯蔵・取り扱う部分 危政令別表第4の数量の500倍以上の指定可燃物
特定の部分に設置 地階 ・ 無窓階 ・ 3階以上の階 床面積   300u以上
駐車の用に供する部分 床面積   地階・2階以上の階 200u以上
道路の用に供される部 床面積  屋上部分  600u以上
       屋上部分以外   400u以上
通信機器室 床面積   500u以上
階数11以上のもの 11階以上の階
漏電火災警報器 **4 防火対象物の全体に設置 一般の部分 延べ面積 150u以上
契約電力量 50Aを超えるもの
消防機関へ通報する火災報知設備 **5 防火対象物の全体に設置 一般の部分 延べ面積 1、000u以上
非常警報設備 防火対象物の全体に設置 非常ベル等 収容人員       50人以上
       地階・無窓階の収容人員       20人以上
非常ベル等及び放送設備 収容人員       800人以上
       地階を除く階数が11以上のもの
       地階の階数が3以上のもの
避難器具 特定の部分に設置 2階以上の階
地階
収容人員       30人以上
       (下階に(1)から(4)項、(9)項、[12)項イ、(13)項イ、(14)項、(15)項が存するものにあっては収容人員10人以上)
3階以上の階 避難階又は地上に直通する階段が一の階
収容人員       10人以上
誘導灯及び誘導標識 防火対象物の全体に設置 誘導標識 全部
特定の部分に設置 誘導灯 地階・無窓階・11階以上の階
消防用水 **3 敷地面積20、000u以上で、1階、2階の床面積の合計
耐火建築物   15、000u以上
準耐火建築物  10、000u以上
その他の建築物  5、000u以上
高さ31mを超え、延べ面積2、500u以上(地階の面積を除く。)
耐火建築物   15、000u以上
連結散水設備 特定の部分に設置 地階 地階・無窓階・11階以上の階
連結送水管 防火対象物の全体に設置 一般の部分 地階を除く階数が7以上
地階を除く階数が5以上で、延べ面積が6、000u以上
特定の部分に設置 道路の用に供される部分 全部
非常コンセント設備 防火対象物の全体に設置 一般の部分 地階を除く階数が11以上のもの

**1  「無窓階」とは、建築物の地上階のうち、次に掲げる一定の基準を満たした避難上又は消火活動上有効な開口部を有していない階をいう。(規則第5条の2)

@ 避難上又は消火活動上有効な開口部とは次のものをいう。
  〜10階以下の階〜
   ア  aの開口部を2以上有するものであること。
   イ  a・bの開口部の面積の合計 > 床面積/30
  〜11階以上の階〜
      bの開口部の面積の合計 > 床面積/30

A 開口部は、次の条件を満たすものとされている。
   ア  床面から開口部の下端までの高さは1.2m以内であること。
   イ  開口部は、道又は道に通ずる幅員1m以上の通路その他の空地に面したものであること
       (11階以上の階を除く。)
   ウ  開口部は、内側から容易に避難できるとともに、外部からも容易に進入できるものであること。
   エ  開口部は、開口のため常時良好な状態に維持されていること。

**2  スプリンクラー設備を設置しなければならない階のうち、規則第13条第1項に定める区画には、当該設備を設置しないことができるとされていたが、 「消防法の一部を改正する省令」(平成8年自治省令第2号)が平成8年2月16日に公布されたことに伴い、スプリンクラー設備の設置が義務付けられる共同住宅等については、初期消火対策の充実を図るため、 当該区画にかかわらずスプリンクラー設備の面積算定除外や設置免除はできないこととされた。

**3  屋外消火栓設備及び消防用水については、1つの敷地に2つ以上の建築物がある場合、相互の外壁間の中心線からの水平距離が1階にあっては3m以下、2階にあっては 5m以下の部分を有するものにあっては、当該2以上の建築物は1つの建築物としてみなされ床面積の算定がなくなる。ただし、屋外消火栓設備を設置しなければならない建築物が耐火建築物 又は準耐火建築物の場合を除く。また、スプリンクラー設備、特殊消火設備又は動力消防ポンプの有効範囲内の部分には、その設備の同等性から屋外消火栓設備の設置はしないことができることとされている。 
有効範囲内の部分に設置をしないことができる条件は下記の関係式による。
 スプリンクラー設備 又は 特殊消火設備 > 屋外消火栓設備 > 屋内消火栓設備

**4  漏電火災警報器を設置しなければならない防火対象物の構造は、間柱若しくは下地を不燃材料及び準不燃材料以外の材料で造った鉄網入りの壁、根太若しくは下地を 不燃材料以外の材料で造った鉄網入りの床又は天井、野縁若しくは下地を不燃材料及び不燃材料以外の材料で造った鉄網入りの天井を有するものとされている。

**5  消防機関へ通報する火災報知設備については、消防機関に常時通報することができる電話を設置したときは、当該設備を設けないことができる。

**6  危険物(危政令別表3)参照

**7  指定可燃物(令別表第4)参照

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