法制改革の包括的手法 (A COMPREHENSIVE APPROACH TO REFORM )
法制改革の包括的手法
(A COMPREHENSIVE APPROACH TO REFORM )
この第U段階の報告書は5つの作業部会で出された論点と推奨案に加えて専門部会での見直しで構成されています。
ほとんどの資料は作業部会議事録の要約から直接引用しています。
専門部会の役割は[冷静で客観的な補佐役]です。
作業部会の2番煎じではなく、討議の要約を書き直す役目でもありません。
自らの考えに従って変更し、注釈をつけ、追加の推奨案を出すことが求められています。
本報告書においても専門部会自身の明確な意見が記録されています。
付録T 本報告書のリストに含まれるすべての推奨案について
私達が協同作業を進めていく中で思ったことは、作業部会と専門部会が他者との違いを見つけて相手の点数を引き下げる
競争的な立場よりも、むしろ、関心を共有し、その関心を共に建設していく試みでした。
幾つかの事例では、ひとつ若しくはそれ以上の作業部会メンバーが多数意見と異なる意見を強く主張しましたが、
報告書では反対者が異議を唱える理由について、読者が理解する手助けとなるように、その主張の全文を記載しています。
すべての参加者は最初のオリエンテーション集会の時に下記の宣言文に同意することを求められました
改定作業の狙いは、重要な社会的重要性を有する問題の解決であり、作業部会と専門部会は、 オンタリオ州の全ての共同住宅居住者の利益となるよう、新しい改定法についてのバランスがとれた偏見のない公平な推奨案に到達することが期待されています。 このことから、同様に、特別の組織や団体の利益よりも、共同住宅に関係する社会全体の価値を高め、利益を促進するために、メンバー同士が丁重かつ公平に協力することが期待されています。 |
全参加者がこの宣言文を支持したにも拘らず、多くの固執した意見、異った見方と利害の衝突がありました。
( 多分、妥協できないという、その瞬間は確かにありました。 )
予想していた以上にごくまれでしたが、メンバー同士が衝突していました。
意見の相違が表面化したとき、推奨案に取り入れるべき基本のルールは、 少なくとも作業部会または専門部会のメンバーの多数が支持したほうを採用するということです。
このことは、報告書の記述の中で、「以下について同意した。」又は、「作業部会は以下の理由で推奨する」とし、 例え、多くの問題で一定の多数意見の標準に達していたとしても、満場一致を暗に含む(imply unanimity)記述はしていません。
多数意見に対する一人ないし複数のメンバー(全員ではない)の少数意見で彼ら自身の深い反対意見が出る事があります。
報告書では反対者が異議を唱える理由について、読者が理解する手助けとなるように、その主張の全文を記載しています。
同じく象徴的にいえることは、専門部会が本報告書を支持した事実はメンバー全員がすべての推奨案に同意したことを意味するものではないということです。
同意に至らないこともよくありました。
報告書を是認(endorse)することは、
意見がたびたび分裂するような多くの複雑な問題が抱える広範囲な関心事を公平(fair)に、
合理的(reasonable)に適応させるための努力を正当であると認める(recognize)ということです。
民主主義においては、このようなことはたびたび予想されます。しかし、これもまた、物事を実際に前進させるためには必要なことです。
合意に至らなかった問題 (- 幾つかありますが -) については、この報告書に記載してあります。
最終的に政府が法制化の過程で決定する事になるでしょう。
私達が引き受けた職務は、参加者の間でしっかりとした合意をとりつけることですが、より大きな視点で、 政府が推奨案を基に法制化することになるでしょう。
この報告書は法制改革第U期の結果報告です。作業部会の討論で即決合意が得られなかった事例については、 更に権威のある専門的な見解が示されることになるでしょう。
いずれにしても、主要な参考資料が討論の要約に残されていますので、 これらが改定共同住宅法案を実際の形にしていくための政策作りと法律の草案づくりの手引きとなるでしょう。
幾つかの問題については、報告書に記載されている以上に範囲の広い、更に詳細な推奨案が提出されました、
それらはこの報告書には記載していません。
作業部会の結論の要約は PPCのウエブサイトに掲載されています。(www.ppforum.ca)
共同住宅法の範囲を超える問題について (Other Issues outside the Condo Act)
法制改革第T期において、参加者は現状の共同住宅法の専管範囲を超える多くの問題を確認しました。
これらの問題の中には、法の専管事項に影響を与える幾つかの問題がありました。
資産課税、共同住宅への変換(後述)時の権利保証、建築物の品質と性能保証、保険料率、土地開発などの問題がこれらに含まれます。
これらの幾つかは第U期の期間中において、専門部会を含めて取り上げられました。
例えば、騒音問題に重大な影響を与える共同住宅の建築物の品質と性能保証の問題です。
なお、その上で、第T期の問題提起への回答として、
Tarion(訳注:建築保証協会(Tarion Warranty Corporation) 建築業者の登録と自主規制を行う。
建築業協会の監督と影響下にある。キャッチフレーズは「信頼を建築する」(BUILDING CONFIDENCE))
が2013年4月26に発表した「共同住宅へ変換(例えば、教会、学校、ホテルを共同住宅に変換)
事例における保証提供の実用化調査を開始した」記事があります。
Tarionは、2013年12月までに調査報告を消費者省に提出することを予定しています。