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コンドミニアム法,1998  (コンドミニアム所有者保護法.2015) 【第T編/第1章】

Condominium Act, 1998 ( S.O. 1998, CHAPTER 19)
(Protecting Condominium Owners Act, 2015.)

 
目 次(CONTENTS) 【第T編/第1章】

第T編 (PART T)

第1章 (PART T.1) 本法律の執行 (ADMINISTRATION OF THIS ACT)

第1節 行政権の委任 (DELEGATION)

1.1コンドミニアム庁の指定 (Designation of condominium authority)
1.2行政契約 (Administrative agreement)
1.3政策指示 (Policy directions)
1.3.1協議 (Consultation)
1.4コンドミニアム庁による法の遵守 (Compliance by condominium authority)
1.5見直し審査 (Review)
1.6法の適用に矛盾があるとき (Conflict)
1.6.1コンドミニアム庁管理者を任命する大臣の権限
(Minister’s authority to appoint administrator)
1.6.2コンドミニアム庁管理者在任中の理事会の地位
(Status of board during administrator's tenure)
1.7コンドミニアム庁指定の取消し(Revocation of designation)
1.8特定の権限を行使するための前提条件
(Condition precedent for exercise of certain powers)
 

第2節 コンドミニアム庁 (CONDOMINIUM AUTHORITY)

1.9コンドミニアム庁の理事に対する業務基準と指示事項
    (Criteria and directives re board members)
1.10理事会の任命 (Board appointments)
1.11理事数の変更  (Change in number of directors)
1.12議長の任命  (Appointment of chair)
1.13コンドミニアム庁法人定款の公開 (Public access to corporate by-laws)
1.13.1情報公開 (Public access to information)
1.13.2報酬及びその他の支払いの開示
(Disclosure of compensation and other payments)
1.14雇用職員 (Employees)
1.15公務員ではない (Not Crown agency)
1.16個人責任の免責 (No personal liability, employee of the Crown)
1.17国家責任の免責 (No Crown liability)
1.18国家賠償 (Indemnification of the Crown)
1.19理事他職員の免責 (No personal liability, board members and others)
1.20財政運営は公的資金によらない (Not public money)
1.21監査 (Audit)
1.22年次報告書 (Annual report)
 

第3節 コンドミニアム庁の権限と責任 (POWER AND DUTIES OF CONDOMINIUM AUTHORITY)

1.23追加の権限 (Additional powers)
1.24対象と目的の変更 (Additional powers)
1.25フランス語を使用する権利 (Right to use French)
1.26諮問委員会と諮問の手順 (Advisory councils, advisory process)
1.27大臣への通知義務 (Duty to inform Minister)
1.28コンドミニアム庁の助言 (Advice of condominium authority)
1.29形式と料金 (Forms and fees)
1.30管理組合の評価 (Assessments of corporations)
1.30.1命令の公布 (Publication of order)

【訳注】
c1行政権執行委任機関

   第 I.編 第1章 (PART I.1) 本法律の執行 (ADMINISTRATION OF THIS ACT)

第1節 行政権の委任 (DELAGATION)

(コンドミニアム庁の指定 [Designation of condominium authority])
1.1 (1) 議会が制定した規則により下記を定める。
 (a) オンタリオ州の法律に基づいて設立された株式資本を持たない非営利法人を、本法の目的のための
    コンドミニアム庁として指定する
 (b)  第(2)項に従うことを条件として、本章及びI.2章 及び 第XIV編を除く、本法及び規制のあらゆる規定を
    第 (3) 項の目的のための委任規定として指定する。

(制限 [Restriction])
(2) 第 (1) (b) 項に基づいて作成された規則によって作成される委任規定としての規定の指定は、特定の
    規定の特定の側面叉は目的に限定される (restricted to specified aspects or purposes) 場合がある。

執行権限の委任 (Delegation of administration)lllllllll
(3) 議会において法人をコンドミニアム庁として指定した場合には、委任規定の管理は当該当局に委任され、
    当該当局が委任規定の管理を行うものとする。

(行政契約 [Administrative agreement])
1.2  (1) 国叉は公共団体の長は、大臣と法人が行政契約を締結するまで、第 1.1 条 (1) (a) に基づく
    法人をコンドミニアム庁として指定してはならない。

(コンテンツ [Contents])
(2) 行政契約には、少なくとも、コンドミニアム庁に関する以下の事項に関連する条項が含まれなければならない。
 1. 当局のガバナンス
 2. 大臣が委任規定の管理を行う権限に必要と認めるすべての事項
 3.  本法叉は規制に基づく権限及び義務の実行から生じる責任に対する当局による適切な保険の維持
 3.1 コンドミニアム庁の財務条件(国への支払い、ライセンス料、ロイヤリティ、資産譲渡の償還を含む)
 4. その他、この法律又は規則に基づく当局の権限及び義務に関連し、大臣が必要と認める事項

(大臣による修正 [Amendment by Minister])
(3) 第1.8 項に従い、大臣は状況に応じて合理的であるとみなす通知をコンドミニアム庁に与えた後、
    行政契約を一方的に修正することができる。

(政策指示 [Policy directions])
1.3 (1) 第1.8 項に従い、大臣は状況に応じて合理的であると考える通知をコンドミニアム庁に発した後、
    本法叉は規制に基づく権限と義務に関連する政策指示をコンドミニアム庁に発令することができる。

(行政契約の一部 [Part of the administrative agreement])
(2) 政策の指示は行政契約の一部を形成するものとみなす。

(コンプライアンス[Compliance])
(3)  コンドミニアム庁は政策の指示に従い、そのための措置を講じなければならない。

(協議 [Consultation])
1.3.1 大臣は、コンドミニアム庁とその活動に影響を与える可能性のある立法
    叉は政策の変更案について協議することができる。

(コンドミニアム庁による法の遵守 [Compliance by condominium authority])
1.4 本法叉は規則に基づく権限と義務を遂行する際、コンドミニアム庁は行政契約、本法、
    規則及びその他の適用法を遵守するものとする。

(見直し審査 [Review])
1.5 (1) 大臣は、次のことを行うことができる。
 (a) この法律、規則叉は行政契約に基づくコンドミニアム庁の権限と義務に関連する政策、
    立法叉は規則の見直し審査を要求すること。
   (i) 当局による、叉は当局を代表して、叉は
   (ii) 大臣が指定した個人叉は団体によるもの。また
 (b) コンドミニアム庁、その運営、叉はその両方のパフォーマンス、ガバナンス、説明責任及び
    財務レビューを含むがこれらに限定されない見直し審査を要求すること。
   (i) 当局による、叉は当局を代表して、叉は
   (ii) 大臣が指定した個人叉は団体によるもの、叉は

(見直し審査に期間と条件を課すこと [Reviews, terms and conditions])
(1.1) 大臣は、第 (1) 項に基づいて審査に関して期間と条件を課すことができる。
   (i) 当局による、叉は当局を代表して、叉は
   (ii) 大臣が指定した個人叉は団体によるもの。

(記録へのアクセス  [Access to records])
(2) 大臣が指定した個人叉は団体によって審査が実施される場合、コンドミニアム庁は、審査
    業務の遂行のために大臣が指定した個人叉は団体、及びその個人叉は団体の従業員、
    叉は代理人に必要なすべての記録及びその他の情報へのアクセスを許可するものとする。

(法の適用に矛盾があるとき [Conflict])
1.6  本章、I.2章及び規則を適用する際に矛盾が生じるときは、次の規則を適用する。
1. 本章、I.2章、規則及び委任規定は、行政契約及びコンドミニアム庁の作成文書、規約、及び
    決議に優先する。
2. 1.6.1 (1), 1.9 (1), 1.10 (4) or 1.13.2 (1)叉は1.11に基づいてなされた命令は、行政契約及び
    コンドミニアム庁の作成文書、規約及び決議より優先する。
3. 本章、I.2章及び規則は、法人情報法(Corporations Information Act. 2020,)に優先する。

(コンドミニアム庁管理者を任命する大臣の権限 [Minister's authority to appoint administrator])
1.6.1 (1) 第1.8 項に従い、大臣は、命令により、コンドミニアム庁の管理とその活動に対する
   責任を担う目的で、個人を管理者として任命することができる。

(コンドミニアム庁管理者任命の通知[Notice of appointment])
(2.) 大臣は、管理者を任命する前に、状況に応じて合理的な通知をコンドミニアム庁の理事会に
    与えるものとする。

(管理者の直接任命 [Immediate appointment])
(3.) 理事会に定足数を満たす十分なメンバーがいない場合、 (2)項 は適用されない。

(管理者の任期 [Term of appointment])
(4.) 管理者の任期は、大臣が任命を終了する命令を下すまで有効である。

(管理者の権限と義務 [Powers and duties of administrator])
(5.) 管理者を任命する命令に別段の定めがない限り、管理者は、コンドミニアム庁の理事、
   役員及び構成員のすべての権限を行使し、すべての義務を遂行する独占的権利を有する。

(同じ [Same])
(6.) 大臣は、管理者を任命する命令において、管理者の権限と義務及びそれらを支配する条件を
   指定することができる。

(アクセス権 [Right of access])
(7.) 管理者は、コンドミニアム庁の文書、記録、情報に関して理事会と同じ権利を有する。

(大臣への報告 [Report to Minister])
(8.) 管理者は、大臣の要求に応じて大臣に報告しなければならない。

(大臣の指示 [Minister’s directions])
(9.) 大臣は、管理者の権限に属する事項について管理者に対し指示をすることができ、管理者は、
   これを実行するものとする。

(管理者の個人責任の免責  [No personal liability])
(10.) 以下の目的で、管理者叉は元管理者に対して訴訟やその他の手続きを起こしてはならない。
 (a) 本法、本法に基づいて制定された規則、大臣命令叉は第 (1) 項に基づく任命に基づく義務叉は
    権限の行使叉は履行、叉は意図された行使叉は履行において誠実に行われた行為、叉は
 (b) (a) 項に記載されている義務叉は権限の誠実な行使叉は履行に関する怠慢叉は不履行。

(国の責任 [Crown liability])
(11.) 本条第(10)項は、国家賠償法2019(Crown Liability and Proceedings Act, 2019)第8条(3)
    の規定にかかわらず、そうでなければ国が負うであろう責任を免除するものではない。

(コンドミニアム庁の責任  [Liability of condominium authority])
(12.) 本条第(10)項は、別の方法で課されるであろうコンドミニアム庁の責任を免除するものではない。

(管理者在任中の理事会の地位 [Status of board during administrator’s tenure])
1.6.2 (1) 1.6.1 条に基づいて管理者が任命されたとき、命令に別段の定めがない限り、
    コンドミニアム庁の理事会のメンバーはその職を停止するものとする。

(同じ [Same])
(2.) 管理者の任命期間中、命令に別段の定めがない限り、引き続きその職にある理事会のメンバー
    の権限は停止される。

(個人責任の免責 [No personal liability])
(3.)  第 (1) 項に基づくメンバーの解任後、叉は第 (2) 項に基づいてメンバーの権限が停止されている間、
    管理者叉はコンドミニアム庁が行った行為、怠慢、叉は不履行について、コンドミニアム庁理事会
    のメンバー叉は元メンバーに対して訴訟やその他の訴訟を起こしてはならない。

(国の免責 [Crown liability])
(4.) 本条第(3項は、国家賠償法2019(Crown Liability and Proceedings Act, 2019)第8条(3) の規定
    にかかわらず、そうでなければ国が負うであろう責任を免除するものではない。

(コンドミニアム庁の責任  [Liability of condominium authority])
(5.) 本条第(3項は、別の方法で課されるであろうコンドミニアム管理当局の責任を免除するものでは
    ない。

(コンドミニアム庁指定の取消し [Revocation of designation)
1.7. (1) 国叉は公共団体の長が公共の利益のためにそうすることが望ましいと判断した場合、
    規則により、コンドミニアム庁の指定の範囲を取り消したり、制限したりすることができる。

(不遵守による指定の取消し  [Revocation for non-compliance])
(2.) 国叉は公共団体の長は、次の場合には、規則により、コンドミニアム庁の指定の範囲を取り消したり、
    制限したりすることができる。
 (a) 当局が本法、規則、その他の適用法叉は行政契約を遵守しなかった場合。
 (b) 大臣は、状況に応じて大臣が合理的であると考える特定の期間内にその不履行を是正する機会
    を当局に許可した場合 及び
 (c) 当局が不履行を、(b) 項に記載の指定期間内に大臣が満足するように是正せず、大臣が議会で
    国叉は公共団体の長にそのように勧告した場合。

(前項は(1)項を制限しない [Same, no restriction on subs. (1)])
(3.) 第 (2) 項の規定は、第 (1) 項に基づいて行う議会における国叉は公共団体の長の能力を制限する
    ものではない。

(要求に応じて取り消し [Revocation on request])
(4.) 国叉は公共団体の長は、当局が取消し叉は制限を要求した場合、規則により、国叉は公共団体
   の長が公益上望ましいと考える条件に基づいて、コンドミニアム庁の指定の範囲を取り消し叉は
   制限することができる。

(SPPA非適用 [Non-application of SPPA])
(5.) 法定権限手続法(Statutory Powers Procedure Act 略称SPPA)は、国叉は公共団体の長が行う
    本条に基づく指定の取り消し叉は制限する権利の行使には適用されない。

(移行事項 [Transition])
(6.) 国叉は公共団体の長が行う本条に基づくコンドミニアム庁の指定の取り消し、叉は制限する場合、
    国叉は公共団体の長は、規則により、取り消し叉は制限の効果的な実施に必要な移行事項を
    規定することができる。
 (a) コンドミニアム庁が法律、規制、及び行政契約に基づく活動の実施に関して保有する資産、負債、
    権利、義務、記録、データベース、銀行口座及び金銭を含む財産の無償譲渡。及び
 (b) 取り消し前にコンドミニアム庁が締結した契約の無償譲渡

(国の免責 [No Crown liability])
(7.) 第6項に基づいて行われた規則の直接的叉は間接的な結果としてのコンドミニアム庁の指定の
    取消しや制限を原因とする国や公共団体を相手とした訴訟は認められないものとする。

(訴えの禁止  [No proceeding])
(8.) (7)項記載の訴訟原因に基づく、叉はそれに関連する傷害叉はその他の損失、契約、賠償、
    不法行為叉は信託に関する訴訟を含む、及びこれらに限定されないいかなる訴訟も、損害を
    被った者によって国に対しての訴訟は認められないものとする。

(特定の権限を行使するための前提条件 [Condition precedent for exercise of certain powers])
1.8  大臣は、次の条件のうち少なくとも 1 つが満たされた場合であって、公共の利益の
    ために権限を行使することが賢明であると考える場合に限り、1.2 (3), 1.3 (1), 1.6.1 (1) 叉は
     1.24 (1)に基づく権限を行使することができる。
  1. 権限の行使が、公衆、管理組合、所有者叉は購入者、抵当権者叉は住戸の占有者の利益に
    対する重大な被害を防止するために必要な場合
  2 不可抗力の事由が発生した場合
  3 コンドミニアム庁が破産の危機に直面している場合
  4 コンドミニアム庁の理事会のメンバーの数が定足数を満たしていない場合

 

第2節 コンドミニアム庁 (CONDOMINIUM AUTHORITY)

(コンドミニアム庁の理事に対する業務基準と指示事項 [Criteria and directives re board members])
1.9. (1) 大臣は、命令により、次のことを行うことができる。
 (a) コンドミニアム庁の理事会メンバーの適性能力基準を確立すること。及び
 (b) 理事の指名、任命叉は選挙の手順、任期の長さ、及び再任叉は再選の可能性について
    の指示を作成すること。

.

(適性能力基準 [Competency criteria])
 (2.) 第 (1) (a) 項に基づいて定められた能力基準を満たしている場合にのみ、理事会に任命
    叉は選出される資格が与えられる。
 (3.) (この項は2020年に廃止(repealed)された。)

(理事会の任命 [Board appointments])
1.10. (1) 大臣は、任命で指定された任期で、コンドミニアム庁の理事会に1人以上の
    理事を自由に任命することができる。

(過半数 [Majority])
 (2) 大臣が任命する委員の数は、理事会の過半数を構成してはならない。<.p>

(構成 [Composition])
 (3) 大臣が任命する委員には、以下の者が含まれる。
 (a) 一般大衆、消費者団体、政府機関、管理組合、所有者、叉は居住目的で住戸を占有している
    所有者もしくは占有者の代表、及び
 (b) 大臣が決定するその他の利益の代表者。

(理事会メンバーの比率 [Percentages of board members])
 (4) 大臣は、理事会のメンバーの一定の割合を超えない範囲で、大臣の命令により指定された人物
    叉は特定分野の中から選出されることを定めることができる。

理事数の変更([Change in number of directors])
1.11. 大臣は、命令により、コンドミニアム庁の理事会の理事の数を増減することができる。

議長の任命([Appointment of chair])
1.12. 大臣は、コンドミニアム庁の理事の中から議長を任命することができる。

コンドミニアム庁法人定款の公開([Public access to corporate by-laws])
1.13. コンドミニアム庁は、ウェブサイト上、及びコンドミニアム庁が定めるその他の手段
    により、コンドミニアム庁法人定款を公開するものとする。
 (a) 行政契約で指定された時機及び方法の範囲内で (within the time and manner)、及び
 (b) 行政契約で時機が指定されていない場合は、理事会によって細則が作成されてから 10 日以内。

(情報公開 [Public access to information])
1.13.1. コンドミニアム庁は、コンドミニアム庁の記録の情報公開、及びそれらの記録に含まれる
    個人情報の管理に関して、所定の手順及び手続きがある場合には、それに従うものとする。

(報酬及びその他の支払いの開示 [Disclosure of compensation and other payments])
1.13.2. (1) 大臣は、命令により、コンドミニアム庁に対し、以下に関連する大臣が指定した
    情報を、そのウェブサイト上、及びコンドミニアム庁が定めるその他の手段により、一般に公開
    するよう要求することができる。
 (a) コンドミニアム庁が理事会の理事、職員及び従業員に支払う報酬、及び
 (b) コンドミニアム庁が (a) 項に記載の人物に対して行う、叉は行う必要があるその他の支払い。

(発効日以前の情報公開  [Information for prior period])
 (2) 第 (1) 項に基づく命令の発効日以前に在職していた理事会の理事叉は職員に関して、同項で
    言及されている情報を公開することを要求する場合がある。

(情報公開実施の基本的な趣旨 [Effect of compliance])
 (3) コンドミニアム庁が第 (1) 項に基づいてなされた命令に従って、叉は裁判所命令、個人、その他の
    団体からの要求ではなく、コンドミニアム庁が自ら下記の行為に該当すると合理的に信じる場合には、
    コンドミニアム庁は情報を一般に公開するものとする。
 (a) 本条の発効前若しくは発効後に制定された法律叉は規則に違反した場合、叉は
 (b) 本条の発効前叉は発効後かどうかに関係なく、その行為を制限叉は禁止することを目的とする協定
    の不履行がある、叉は違反したことがある場合。

(用語の定義 [Definition])
 (4) 「報酬(compensation)」とは、職務及び職務を遂行する人に直接的叉は間接的に支払われる、
    給与(salary)、利益(benefits)、特典(perquisite)、及びあらゆる形態の非裁量の支払
    (non-discretionary)及び自由裁量の支払(discretionary payments)、叉は提供されるものを
    意味する。

(雇用職員 [Employees])
1.14. (1) 行政契約に従い、コンドミニアム庁は、本法叉は規則に基づく権限及び義務
    を遂行するための有資格者を雇用叉は維持することができる。

(公務員ではない [Not Crown employees])
 (2) 以下の者は公務員ではないため、そのように称してはならない。
   1 第 (1) 項に基づいて雇用され、その業務に継続従事している者。
   2 コンドミニアム庁の理事、職員、代理人(Members, officers and agents)
   3 コンドミニアム庁の理事会の理事で大臣によって任命された者を含む
   4 コンドミニアム裁判所が第I.2編 に基づいて設立されている場合、
     そのメンバー(司法裁判官・職員含む)
 【訳注】(1) 法ではCrown employee、Crown agencyなど英連邦公務員の伝統的呼称を使用している。
      (2) 行政契約に基づく委任事項の範囲内でコンドミニアム庁に行政権の執行を認めているが、
        それらに従事する職員には公務員としての包括的地位は与えていない。ー以下同じー

(公務員ではない  [Not Crown agency])
1.15. (1) 王室代理人法(Crown Agency Act)にもかかわらず、コンドミニアム庁職員は
    いかなる目的においても公務員ではなく、そのように称してはならない。

(同じ  [Same])
 (2) 以下の者は公務員ではないため、そのように称してはならない。
   1 第 (1) 項に基づいて雇用され、その業務に継続従事している者。
   2 コンドミニアム庁の理事、職員、代理人(Members, officers and agents)
   3 コンドミニアム庁の理事会の理事で大臣によって任命された者を含む
   4 コンドミニアム裁判所が第I.2編 に基づいて設立されている場合、そのメンバー
     (司法裁判官・職員含む)

(公務責任に関する免責  [No personal liability, employee of the Crown])
1.16. (1) 国王の職員(employee of the Crown)は、現職叉は元職員にかかわらず、
    以下の行為により、いかなる訴訟叉はその他の手続きを受けることはないものとする。
 (a) この法律、規則、叉は大臣の命令に基づく義務叉は権限の行使叉は履行、叉は意図
    された行使叉は履行において誠実に行われた行為
 (b) (a) 項に記載されている義務叉は権限の誠実な行使叉は履行における怠慢叉は不履行

(公務員による不法行為  [Tort by employee of the Crown])
 (2) 国王責任及び訴訟法, 2019 (Crown Liability and Proceedings Act, 2019) 第 8 条 (3)
     にもかかわらず、本条第 (1) 条は、対象となる王室職員による不法行為に関する王室の
    責任を免除するものではなく、そうでなければ国王が負うはずの責任を免除するものではない。

(国王責任の免責  [No Crown liability])
1.17. (1) 行為叉は不作為が、本法、規則叉は大臣命令に基づく義務叉は権限の行使
    叉は履行、叉は意図された行使叉は履行に直接的叉は間接的に関連する場合において、
    国王叉は王室担当大臣ではない者の作為叉は不作為の直接的叉は間接的な結果として、
    国王、大臣、国王職員叉は国王代理人に対して訴訟原因は生じないものとする。

(国王に対する訴訟の禁止 [No proceeding])
 (2) (1)項に記載されている訴訟原因に基づく、叉はそれに関連する損害叉は損失を受けた者は、
    契約、賠償、不法行為叉は信託に関する訴訟及びこれらに限定されないいかなる訴訟も、国王、
    王室担当大臣、国王職員叉は国王代理人に対して提起してはならない。

(一般訴訟 [Application])
 (3) 第 (2) 項の一般性を制限することなく、特定の履行、差し止め命令、宣言的救済、収入の損害や
    損失を含むあらゆる形式の補償叉は損害賠償を含む、救済叉は救済を求める訴訟叉はその他の
    手続きに適用される。これには、カナダ国外の裁判所、法廷、叉は仲裁人によって下された判決、
    命令、叉は裁定を執行する手続きが含まれる。

(同、取り消し叉は制限 [Same, revocation or restriction])
 (4) 第 1.16 条及び本条(1) から (3)項 は、第 1.7 条に基づく指定の取消し叉は制限、叉は第 1.7 条に
    基づいて行われた規制の直接的叉は間接的な結果に関して、必要な修正を加えて適用される。

(国家賠償  [Indemnification of the Crown])
1.18. コンドミニアム庁の管理者、理事、職員、従業員、叉は代理人の本法、規則、大臣命令
    もしくは行政契約に基づく権限及び義務の意図された行使もしくは履行により国王が被った損害
    及び費用に関して補償するものとする。

(理事他職員の免責  [No personal liability, board members and others])
1.19. (1) この法律叉は規則に基づく個人の権限叉は義務の履行、叉は義務の誠実な行使叉は
    履行における怠慢叉は不履行に関して、第 (2) 項に記載されている者、叉は以前そのような人物
    であった者に対して、いかなる訴訟叉はその他の訴訟手続きも提起されないものとする。

(同 [Same])
 (2) 第 (1) 項は以下の者に適用される。
  (a) 登記官
  (b) 第 9.1 条 (1) に基づいて任命された副登記官。
  (c) コンドミニアム庁の理事会の理事
  (d) コンドミニアム庁の業務として本法叉は規則に基づく職務を遂行する者及び職員、代理人。
  (e) 法及び規則においてコンドミニアム庁の理事会のメンバーとしての職務を行う者
  (f) I.2.章において任命されたコンドミニアム裁判所のメンバー

(理事及びその他の個人に対する責任はない  [No personal liability, board members and others])
1.19.(1)  第(2)項に記載されている者、叉は以前にその職務に従事していた者に対して、
    以下のいずれかの権利の行使もしくは履行、叉は意図された行使もしくは履行が誠実に
    行われた行為、叉は履行における怠慢叉は不履行に対して、いかなる訴訟叉はその他の
    訴訟手続きも提起されないものとする。

(同 [Same])
 (2) 第 (1) 項は以下の者に適用される。
  (a) 登記官
  (b) 第 9.1 条 (1) に基づいて任命された副登記官。
  (c) コンドミニアム庁の理事会の理事
  (d) コンドミニアム庁の業務として本法叉は規則に基づく職務を遂行する者及び職員、代理人。
  (e) 法及び規則においてコンドミニアム庁の理事会のメンバーとしての職務を行う者
  (f) I.2.章において任命されたコンドミニアム裁判所のメンバー

(コンドミニアム庁の責任 [Liability of condominium authority])
 (3)  (1)項は、(2)項のコンドミニアム庁の法に基ずく業務の遂行叉は怠慢に関する責任を軽減
    するものではない。

(財政運営は公的資金によらない  [Not public money])
1.20.(1)  コンドミニアム庁が権限と義務を遂行するための運営資金は、行政財政法
    (Financial Administration Act)に基づく公的資金から支出されることなく、そのための法と
    規則に基づいて徴収するものとする。

(同 [Same])
 (2) コンドミニアム庁は、第 1.23 条 (2) 及び本章の制限に従って、第 (1) 項に記載の資金を
    その目的に従って活動を実行するために使用することができる。

(監査  [Audit])
1.21.(1)  監査庁法(Auditor General Act)に基づいて任命された監査庁(Auditor General)は、
    非営利法人法,2010(Not-for-Profit Corporations Act, 2010) に基づいて要求される監査以外に、
    コンドミニアム庁の監査を実施することができる。

(記録と情報へのアクセス  [Access to records and information])
 (2) 監査庁が第(1)項に基づいて監査を実施する場合、コンドミニアム庁は監査庁及び監査庁の従業員
    に対し、監査の実施に必要なすべての記録及びその他の情報へのアクセスを許可するものとする。

(年次報告  [Annual report])
1.22.(1)  コンドミニアム庁の理事会は、本法、規則及び行政契約に関連するその活動及び財務
    状況について毎年大臣に報告するものとする。

(形式と内容  [Form and contents])
 (2) 財務報告書は大臣が許容できる形式でなければならず、大臣が要求する情報を提供するものとする。

(コンドミニアム庁の公表  [Disclosure by board])
 (3) コンドミニアム管庁は、大臣が要求する期間及び方法で、財務報告書をウェブサイト上及びその他の
    方法で公表するものとする。

第3節 コンドミニアム庁の権限と義務
    (POWERS AND DUTIES OF CONDOMINIUM AUTHORITY)

(追加権限  [Additional powers])
1.23.(1)  コンドミニアム庁は、第 (2) 項に従い、その目的叉は目的に従ってその他の活動を実施する
    場合がある。

(商業活動の禁止  [Commercial activities])
 (2) コンドミニアム庁は、コンドミニアム庁に関係する個人叉は団体を通じて商業活動を行ってはならない。

(対象と目的の変更  [Change to objects or purposes])
1.24.(1)  1.8 に従い、大臣はコンドミニアム庁に対し、その対象叉は目的に特定の変更を加えるように
    要求することができる。

(大臣の承認が必要  [Minister’s approval required])
 (2) コンドミニアム庁は、事前に大臣の書面による承認が得られない限り、その目的叉は目的を変更して
    はならない。

(フランス語を使用する権利  [Right to use French])
1.25.(1)  個人は、コンドミニアム庁とフランス語でコミュニケーションし、フランス語で利用可能なサービス
    を受ける権利を有する。

(用語の定義  [Definition])
 (2) 第 (1) 項において
 「サービス」とは、本法叉は規則に基づく権限と義務を遂行する際にコンドミニアム庁によって一般に提供
    されるサービス叉は手順を意味し、以下が含まれる。
  (a) 一般の人々からの問い合わせに対応するため、及び
  (b) サービス叉は手順の提供を目的としたその他の通信

(コンドミニアム庁の義務  [Board’s duty])
 (3) コンドミニアム庁の理事会は、人が本条に規定されたフランス語を使用する権利を確実に行使できる
    よう、あらゆる合理的な措置を講じ、あらゆる合理的な計画を立てるものとする。

(コンドミニアム庁の制限  [Limitation])
 (4) 本条により与えられるフランス語を使用する権利は、状況に応じて合理的な制限と、規則に規定されて
    いる例外の対象となる。

(諮問委員会と諮問プロセス  [Advisory councils, advisory process])
1.26. 大臣は、コンドミニアム管理当局に対し、次のことを要求することができる。
  (a) 一つ以上の諮問委員会を設置する。
  (b) 諮問委員会のメンバーとして、所有者の代表、住戸の占有者の代表、コンドミニアム部門のその他の
    代表、及び大臣が決定するその他の人物を含める。また
  (c) 国民及び本法に関する経験や知識を有する者の一方叉は両方から助言を求める助言プロセスを開始する。

(大臣への通知義務  [Duty to inform Minister])
1.27. コンドミニアム管理当局は、次の点について大臣に速やかに通知し、助言するものとする。
  (a) 本法叉は規制に基づく当局の職務遂行能力に影響を与える可能性のある重要な事実。また
  (b) 委任された規定の管理が適切に実行されることを保証するために大臣による措置を必要とする可能性が
    ある緊急叉は重要な事項。

(コンドミニアム庁の助言  [Advice of condominium authority])
1.28.(1)  コンドミニアム庁は、大臣が指示する事項、及び本章、I.2章 叉は委任管理者の管理に関連
    する事項について、大臣が指定する期間内に大臣に助言叉は報告するものとする。

(同  [Same])
 (2) コンドミニアム庁は、次のことを考慮したオンタリオ州法の改正を大臣に提案することができる。
  (a) 本章叉は I.2 章の目的、叉は委任規定の目的。叉は
  (b) 本法叉は規則に基づく権限及び義務の遂行においてコンドミニアム庁を支援すること。

(様式と料金  [Forms and fees])
1.29.(1)  コンドミニアム庁は、次のことを行うことができる。
  (a) 委任規定の管理に関連する様式を確立する。
  (b) コンドミニアム庁によって確立され、大臣によって承認されたプロセスと基準に従って、設定及び収集
    される。
   (i) 委任された条項の管理に関連する料金、費用、叉はその他の料金、及び
   (ii) I.2 章に基づいてコンドミニアム裁判所が設立されている場合、 I.2 章に基づいてコンドミニアム裁判所
    への申請の対象となっている手続きの当事者が支払う必要がある手数料。及び
  (c) (b) 項に記載されている料金、費用、料金の支払いを管理する指示の作成

(料金の設定  [Setting fees])
 (2) (1) (b) 項に記載の料金、費用、料金を設定する際、コンドミニアム庁はその金額叉は金額の決定方法
    を指定することができる。

(料金表の公表  [Publication of fee schedule])
 (3) コンドミニアム庁において
  (a) ウェブサイト上、及び管理契約に記載されているその他の方法で、料金、コスト及び料金、プロセス及び
    基準及び指令を公開するものとする。及び
  (b) コンドミニアム庁が推奨すると考える他の形式で公開する場合がある。

(管理組合の査定評価  [Assessments of corporations])
1.30.(1) コンドミニアム庁は、本法叉は規則に基づく権限及び義務の実行に関連してコンドミニアム庁
    が負担した費用及び支出に関して管理組合を査定評価することができる。

(評価設定の流れ  [Process for setting assessment])
 (2) 第 (1) 項に基づいて評価額を設定する際、コンドミニアム庁は、その他の業務からの手数料を含め、
    コンドミニアム庁が受け取った手数料を考慮し、コンドミニアム庁が定めたプロセスと大臣が承認した
    基準に従うものとする。

(同 裁量権 [Same, discretion])
 (3) 第 (2) 項に従い、第 (1) 項に基づいて評価を設定する際、コンドミニアム庁は次のことを行うことが
    できる。
  (a) 評価は、指定された種類の管理組合には適用されないことを規定する。
  (b) 評価の対象となる管理組合の異なる種類、叉は評価の対象となる各管理組合の単位の種類と数に
    基づいて、異なる評価額を設定する。
  (c) 当局が適切と考えるその他の考慮事項を考慮する。叉は
  (d) 評価の対象となる各管理組合が II.1 章に基づいて申告書を提出する時期と一致するよう評価の
    支払い時期を設定する。

(評価手順の公表  [Publication of assessment schedule])
 (4) コンドミニアム庁において
  (a) 評価の手順と基準を Web サイト上、叉は行政契約に記載されているその他の方法で公開するもの
    とする。及び
  (b) コンドミニアム庁が推奨すると考える他の形式で公開する場合がある。

(共通経費の一部  [Part of common expenses])
 (5) 管理組合が第 (1) 項に基づく査定評価の対象となる場合、その査定額は管理組合の共通経費の
    一部を形成するものとする。

(査定額の支払  [Remittance])
 (6) 第 (1) 項に基づいて評価を受ける管理組合は、コンドミニアム庁にコンドミニアム庁が指定する方法
    及び時期に査定額を支払うものとする。

(命令の公表  [Publication of order])
1.30.1 大臣は、本法に基づいて行う命令をオンタリオ州政府のウェブサイトで公表するものとする。


【訳注】

c1.行政権執行委任機関
    本法律の「第1節 行政権の委任」 に基づいて創立された
    コンドミニアム庁 (CAO) 及び コンドミニアム裁判所 (CAT) の概要
    Condominium Authority of Ontario(CAO) ・Condominium Authority Tribunal (CAT)

コンドミニアム庁(condominium authority)」とは、1 (1) (a);に基づいて州当局が指定した機関をいいます。


【注】 本訳原典は、2024年5月1日現在のコンドミニアム法(電子公告版)です。