コンドミニアム法 【総目次】 > 【前頁】 B 【第U編〜第V編】 >  C 【第W編】第1節〜第2節  >  【次頁】 D 【第W編】第3節〜第4節

コンドミニアム法,1998 (コンドミニアム所有者保護法.2015)  【第W編】(第1節〜第2節)

Condominium Act, 1998 ( S.O. 1998, CHAPTER 19)
(Protecting Condominium Owners Act, 2015.)

目 次(CONTENTS) 【第W編】第1節〜第2節

第W編  (PART W) 管理組合 (CORPORATION)
第1節 総則 (GENERAL)

16.標章 (Seal)
17.管理組合の目的 (Objects)
17.0.1.管理サービス契約 (Agreement for management services)
17.1.不動産所有権の扱い (Dealing with title to real property)
18.資産 (Assets)
19.立ち入る権利 (Right of entry)
20.宣言書記載の地役権 (Easements described in declaration or phase)
21.地役権と共用部の賃貸 (Easements and lease of common elements)
21.1.共用施設契約 (Shared facilities agreement)
22.電気通信契約 (Telecommunications agreements)
23.管理組合の活動 (Action by corporation)
23.1.訴訟能力の制限 (Restriction on ability to sue)
23.2.有効な契約 (Contracts valid)
24.土地収用法に基づく告知 (Notices under the Expropriations Act)
25.計画法に基づく告知 (Notices under the Planning Act)
26.占有者の責任 (Occupier's liability)
26.1.住戸等の取得の禁止 (No acquisition of units, etc.)
26.2.現状回復 (Existing remedies)
26.3.所有者への情報証明書 (Information certificate to owners)

第2節 理事と役員 (DIRECTORS AND OFFICERS)

27.理事会 (Board of directors)
28.理事の選任 (Election of directors)
29.資格 (Qualifications)
30.同意 (Consent)
31.任期 (Term)
32.業務遂行 (Conduct of business)
33.解任 (Removal)
34.欠員 (Vacancy)
35.理事会 (Meetings of directors)
36.役員 (Officers)
37.職務基準 (Standard of care)
38.補償 (Indemnification)
39.保険 (Insurance)
39.1.調達プロセス (Procurement process, etc.)
40.対象理事による開示 (Disclosure by director of interest)
41.対象役員による開示 (Disclosure by officer of interest)

【訳注:】
【c1】 法第 16 (1)  標章(Seal) 
【c2】 法第 20 (1)  地役権(easement)に関する規定
【c3】 法第 20 (4)  "even though"
【c4】 法第 35 (4)  明示の同意と暗黙の同意に関する規定。
【c5】 法第 37 (1)  善管注意義務に関する規定

第W編 (PART W) 管理組合 (CORPORATION)

第1節 総則 (GENERAL)

 (標章 [Seal])
16(1) 管理組合は、理事会が採用する標章(seal)を有するものとし、変更することができる。

 (名称 [Name])
 (2)  標章には、管理組合名を読みやすい文字で記載すること。(【訳注 c1】参照)

 (管理組合の目的 [Objects])
17(1) 管理組合の目的は、所有者に代わって管理組合の財産及び資産を管理することである。
   (The objects of the corporation are to manage the property and the assets)

 (管理組合の責務 [Duties])
 (2) 管理組合は、管理組合の共用部及び資産を管理(control)、運営(manage)及び統括(administer)
   する義務を負う。

 (コンプライアンスの徹底 [Ensuring compliance])
 (3) 管理組合は、所有者、住戸の占有者、共用部分の賃借人、管理組合の代理人及び従業員が
   本法、宣言書、管理規約、使用細則を遵守することを保証するためにあらゆる合理的な措置を
   講じる義務を負う。

注: 布告によって指定される日に、第17条は次の項を追加することによって修正される。

 (管理組合の損失のみに課せられる [Levies only for corporation’s loss] )
 (4) 本法の他の規定に従うことを条件として、管理組合の目的及び義務の履行において被った実際
   の損失を賠償するものとする規定に基づく事実上の損害(actual loss)を、区分所有者、占有者、
   叉は他の所定の者に対して、賠償(indemnify)叉は補償(compensate)しない場合であっても、
   いかなる科料(any penalty)、罰金(fine)、叉はその他の金額も区分所有者、占有者、叉は他の
   所定の者に対して課してはならない。

 (管理サービス契約 [Agreement for management services])
17.0.1 管理組合は、コンドミニアム管理サービス法(Condominium Management Services Act, 2015)
   に基づく認可を受けていない限り、コンドミニアム管理プロバイダー叉はコンドミニアム管理者と
   コンドミニアム管理サービスを受ける契約を結んではならない。

 (不動産の所有権の扱い [Dealing with title to real property])
17.1 本法のいかなる規定も、管理組合が所有していない不動産の所有権、叉は管理組合が
   所有していない不動産の権益を付与、譲渡、賃貸借、解放、処分、叉はその他の方法で処理する
   権限を管理組合に与えるものではない。ただし、この法律が特に管理組合に権限を与える場合を除く。

 (資産 [Assets])
18(1) 管理組合は、管理組合の目的及び義務と一致する目的に限り、不動産及び個人の財産を
   所有、取得、負担及び処分することができる。

 (不動産の利益 [Interests in real property])
 (1.1) 管理組合の資産には、管理組合が所有していない不動産、叉は管理組合が所有権を有していない
   不動産に対する持分は含まれない。

 (資産の利益 [Interest in assets])
 (2) 所有者は、本法、宣言書及び管理規約に従って、共同の利益の割合と同じ割合で管理組合の資産
   を共有する。

 (地役権の有効性 [Validity of easement])
 (3) 管理組合に対する地役権の付与叉は譲渡は、管理組合が地役権の恩恵を受けることができる土地を
   所有していない場合であっても、有効である。


(立ち入る権利 [Right of entry])
19 合理的な通知を行った上で、管理組合叉は管理組合によって権限を与えられた者は、
   管理組合の権限で、管理組合の目的及び義務を遂行するため、所有者が排他的に使用する
   住戸叉は共用部の一部に合理的な時期にいつでも立ち入ることができる。

注: 布告によって指定される日に、法の第 19 条は廃止され、次の条項に置き換えられる。

 (立ち入る権利 [Right of entry])
19 (1) 第 (2) 項に従い、所有者に合理的な通知を行った上で、管理組合叉は管理組合から
   権限を与えられた者は、いつでも合理的な時期に、管理組合内の所有者の住戸、叉は
   管理組合が管理組合の目的と義務を遂行するため、叉は管理組合の権限を行使する
   ために独占的に使用できる共用部の一部に入ることができる。

 (同、通知なしで立ち入る権利 [Same, no notice])
 (2) 規則の規定や制限を条件として、緊急事態叉はその他の規定されている事態(event)叉は
   状況(circumstance)により、所有者に事前通知することなく(without prior notice )、.宣言書
   叉は管理規約により、管理組合叉は管理組合から権限を与えられた者が所有者が事前に
   独占的に使用する住戸叉は共用部の一部に立ち入ることが許可される場合がある。

 (宣言書記載の地役権 [Easements described in declaration or phase])  (【訳注 c2】 参照)
20(1) 第 (2) 項に記載の地役権は下記において設定される。
  (a) 地役権が宣言書及び説明書に記載されている場合、管理組合を設立する宣言書及び説明書
    の登記時。叉は
  (b) 地役権が補正書(amendment)に記載されている場合、段階的コンドミニアム管理組合において
    XI編 に規定の範囲内で開発段階を作成する宣言書及び説明書に対する補正書の登記時。

 (適用 [Application])
 (2) 第 (1) 項は、次の地役権に適用される。
  (a) 不動産以外の宣言者が所有する土地に利益叉は負担を課すこと。叉は
  (b) 承認当局が管理組合の宣言書及び説明書を承認する条件として要求する。

注: 布告によって指定される日には、第 20 条 (2) が廃止され、次の条項に置き換えられる。

(適用 [Application])
 (2) 第 (1) 項は、以下に適用される。
  (a) 宣言者が所有する不動産以外の土地に利益を与え、叉は負担を課す地役権。叉は
  (b) 地役権
   (i) 承認当局が管理組合の宣言書及び説明書を承認する条件として要求するもの、及び
   (ii) 宣言者が所有する土地叉は土地以外の土地に利益を与え、叉は負担を課す場合には、
      所定の要件を満たしていること。

 (地役権の設定 [Creation of easement])
 (3) 地役権を有効にするために、第 (1) 項に基づいて設定された地役権の恩恵を受ける土地の所有者
   に証書叉はその他の文書を登記叉は交付する必要はない。

注: 布告によって指定される日には、同法第 20 条 (3) が廃止され、次の条項に置き換えられる。

 (地役権の設定 [Validity of easement])
 (3) 第 (1) 項に基づいて作成された地役権を有効にするために、証書叉はその他の文書を登記叉は
   交付する必要はない。

 (地役権の有効性 [Validity of easement])
 (4) 第 (1) 項に基づいて設定された地役権は、宣言者が説明書に記載されている地役権に関連する
   土地の所有に加えて、地役権によって受益叉は負担を受ける土地を所有している場合にかかわらず、
   有効とする。

注: 布告によって指定される日には、20 ( 4 ) 項が修正され、「・・にかかわらず("even though")」
   を取り消し,「たとえ・・であっても("even if")」に置き換えられる。 ( 【訳注 c3】 参照)

 ( 共用部の地役権と賃貸借 [Easements and lease of common elements])
21(1) 管理組合は、管理規約により、下記を定めることができる。
  (a) 共用部の一部を賃貸する。ただし、宣言書で指定された部分を除き、1 つ以上の指定住戸の
   所有者のみが使用し、所有者全員が使用するわけではない。
  (b) 共用部を通じて地役権叉は使用権を付与叉は譲渡する。叉は
  (c) 共用部の一部である地役権を解除する。

 (すべての所有者に対する拘束力 [Binding on all owners])
 (2) 第 (1) 項に記載されている、管理組合の権限のある理事によって署名された賃貸(lease)、
   付与(grant)、譲渡(transfer)、叉は解除(release)は、共用部におけるすべての所有者の利益に
   影響を与える。

注: 布告によって指定される日に、次の条項を追加することにより法律が改正される。

(共用施設契約 [Shared facilities agreement])
21.1(1) 以下の者叉はその組み合わせのいずれかが、土地叉は財産の一部の提供、使用、
   保守、修理、保険、運営叉は管理を共有するか、共有することが提案されている場合、規則の
   対象となる。提案された不動産、管理組合の資産、施設叉はサービスについては、所定の要件
   を満たす契約を締結し、それが規則に従って登記されていることを確認する必要がある。
  1. 管理組合が2つ以上であること。
  2. 管理組合及びその他の者。
  3. 管理組合と 1 人以上の宣言者。
  4. 宣言者と 1 つ以上の管理組合。
  5. 2 人以上の宣言者。
  6. 申告者及びその他の者。

 (不動産に適用される約款 [Covenants running with real property])
 (2) 規則に別段の定めがない限り、(1) 項に記載の契約における地役権叉は特約は、その性質が
   積極的であるか消極的であるかにかかわらず、その契約に基づいて利益を受けるか、叉は負担
   の対象となる不動産に適用されるものとする。

 (執行 [Enforcement])
 (3) 次に掲げる者は、相互に地役権又は契約を執行することができる。
  1. 契約の当事者。
  2. 不動産の所有者叉はその後の所有者。
  3. 不動産が、第 17 条に基づいて管理組合の目的及び義務が適用される資産である場合、
   規則に従い、管理組合及びその後継者及び譲受人が適用される。

 (管理規約と使用細則 [By-laws and rules])
 (4) 第 (1) 項に記載の契約の当事者は、規定に従い、土地、不動産の一部叉は提案された不動産、
    管理組合の資産、叉は契約の対象となる施設叉はサービスに関して、共同規約叉は規定の提供、
    使用、保守、修理、保険、運用叉は管理を規定する規則を制定、修正、叉は廃止することができる。

 (非適用 [Non-application])
 (5) 第 56 条及び第 58 条は、第 (4) 項に基づいて作成された管理規約叉は使用細則には適用されない。

 (電気通信契約 [Telecommunications agreements])
22(1)   この節において
    「電気通信」・「テレコミュニケーション」とは、有線、ケーブル、無線、叉は光、電磁気、叉は類似の
    技術システムによるあらゆる性質の記号、信号、書き込み、画像、音声、データ、英数字叉は知能
    の任意の組み合わせの発信、送信、叉は受信を意味する。

    「電気通信契約」とは、管理組合の財産への、管理組合の財産からの、叉は管理組合の財産内での
    電気通信に関連するサービス叉は設備の提供に関する契約を意味し、以下の目的で管理組合の
    財産を通じた地役権、賃貸叉はライセンスの付与叉は譲渡が含まれる。

注: 布告によって指定される日に、 22 (1) の「電気通信契約」の定義は廃止され、次のように
    置き換えられる。

 (電気通信契約 [Telecommunications agreements])
22(1)   この節において
    「電気通信契約」とは、不動産への、不動産からの、叉は不動産内での電気通信に関連するサービス
    叉は設備の提供に関する契約を意味し、電気通信を目的とした不動産を通じた地役権、賃貸叉は
    ライセンスの付与叉は譲渡が含まれる。

 (管理規約による規定が不要な事例 [By-law not required])
 (2) 第 21 条 (1) にかかわらず、管理組合は、管理規約の規定なしで理事会の決議により、以下を
    行うことができる。
  (a) 管理組合の住戸にサービスを提供する電気通信システムへのネットワークの機能向上(upgrade)
     に関する契約を結ぶ。
  (b) 管理組合の住戸にサービスを提供する電気通信システムに接続されていない電気通信システム
     に関する契約を締結する。叉は
  (c) 管理組合の住戸にサービスを提供する電気通信システムの契約を修正して、契約の相手方
     当事者がサービスの一部叉は全部を住戸所有者に直接提供し、請求できるようにする。

注: 布告によって指定される日に、法第 22 条 (2) (a)、(b)、及び (c) が修正され、その表現が
    出現する箇所の「管理組合の住戸」を削除し、「管理組合内の住戸」に置き換えられる。

 (予告必要 [Notice required])
 (3) 第 97 条 (3)、(4)、(5) 及び (6) は、管理組合が所有者に提供するサービスの変更として、
    第 (2) 条に記載の契約に適用される。

注: 布告によって指定される日に、 22 条 (3) が修正され、「第 97 条(3)、(4)、(5)、及び (6)」が
    削除され、「第 97 条」に置き換えられる。

 (区分所有者への請求 [Charge to unit owners])
 (4) 第 (2) (c) 項に基づいて区分所有者に直接請求されるサービスの費用は、宣言の内容に
    かかわらず、共益費の一部を構成しないものとする。

 (電気通信地役権 [Telecommunications easement])
 (5) 管理組合及びその管理組合と電気通信契約を締結している当事者は、電気通信設備の設置
    及び電気通信システムの使用を目的として、(b) 項に記載されている財産の部分に対して
    非独占地役権を有するものとする。
  (a) 管理組合は本条の発効日以降に設立され、居住目的の 1 つ以上の住戸を含む。
  (b) 施設の一部は、施設への、施設からの、叉は施設内での電気通信を制御、促進、叉は提供
     するように設計されている。及び
  (c) 管理組合は、説明書に記載されている不動産に対する地役権、叉はその不動産を使用する
     のに十分な権利を有していない。
   (i) 不動産に関して締結した電気通信契約 (そのような契約を締結している場合)、叉は
   (ii) 管理組合が不動産に関して電気通信契約を締結していない場合、管理組合がその不動産
      に設置し、使用する予定の電気通信システム。

 (地役権に対応する義務 [Duty to accommodate easement])
 (6) 第 (5) (b) 項に記載の不動産の一部に設置された電気通信システムが、管理組合が説明書
    に記載の不動産に設置して使用する予定の電気通信システムに干渉する場合、その所有者は、
    財産の一部は、第 (5) 項に記載されている地役権の所有者による 30 日前の書面による通告
    に基づいて、目的の電気通信システムに対応するために合理的なすべての必要な措置を講じる
    ものとする。

 (地役権の有効性 [Validity of easement])
 (7) 地役権は、管理組合及び管理組合と電気通信契約を締結した当事者があれば、地役権の恩恵
    を受ける土地を所有していない場合でも有効である。

 (非独占的な地役権 [Easements non-exclusive])
 (8) 電気通信目的の地役権が1 戸以上の居住用戸数を有する管理組合の財産である場合、地役権
    の付与及び登記のいずれかの遅い方の日から 10 年を経過した場合宣言と説明の内容が一致
    した場合、補助金の内容に関係なく、地役権は非独占的であるとみなされる。

注: 布告によって指定される日に、22 ( 8 )項は、冒頭の「管理組合の財産である場合」を削除し、
    「財産である場合」に置き換えることによって修正される。

 (契約の終了 [Termination of agreements])
 (9) 1 戸以上の居住用住戸を含む管理組合は、次の場合には電気通信契約を終了することができる。
  (a) 契約の締結及び宣言書及び明細書の登記の遅い方から少なくとも 10 年が経過していること。
  (b) 理事会の決議により契約の終了を承認していること。
  (c) 理事会が書面による契約終了の同意決議を可決した時点で50パーセントを超える区分所有者
    がいること。及び
  (d) 管理組合が当該個人に対して 120 日前までに書面による終了通知を与えていること。

 (所有者の同意権の喪失 [Loss of owner’s right to consent])
 (9.1) 所有者の住戸が支払う共益費の拠出が 30 日以上滞納している場合、所有者は第 (9) (c) 項
    に基づいて同意する権利を有しない。

 (延滞金の支払い [Payment of arrears])
 (9.2) 第 (9.1) 項に基づいて同意する権利がない所有者は、管理組合が所有者の住戸に関する延滞金
    の支払いを受け取った後に同意することができる。

 (例外 [Exception])
 (10) 第 (9) 項は、下記の電気通信契約には適用されない。
  (a) 第 43 条に基づいて開催される引継ぎ集会(a turn-over meeting )で新しい理事会が選出
    された後、管理組合が契約を締結する場合。
  (b) 契約は非独占的である場合。
  (c) 協定には、代替の電気通信システムの設置が考慮されている場合。

注: 布告によって指定される日に、第 22 条は次の条項を追加することによって修正される。

 (免責 [No liability])
 (10.1)  第 (9) 項に基づいて管理組合が契約を終了した場合、その管理組合及びその理事、役員、
    所有者は以下の責任を負わない。
  (a) 解除に関するあらゆる義務(キャンセル料、管理料、期限前支払い叉はその他の料金、違約金
    叉は手数料として発生するとされる義務を含む)。
  (b) 規則に別段の定めがある場合を除き、契約終了後の期間に関する契約に基づく金銭的義務。叉は
  (c) その他の所定の結果(any other prescribed consequences)

 (個人の資産 [Personal property])
 (11) 第 (9) 項に基づいて管理組合が電気通信契約を終了する場合、契約の当事者は、管理組合に
    合理的な通知を行った上で、その管理組合が所有し、契約の対象となった土地にある個人の
    財産を撤去することができる。

 (撤去の義務 [Duties on removal])
 (12) 第 (11) 項に基づいて個人財産を撤去する当事者は、次のことを行うものとする。
  (a) 電気通信を目的とした他の同様の個人所有物の設置を容易にする方法で撤去を実行する。及び
  (b) 撤去によって管理組合の財産に損害が生じた場合、その損害を管理組合に弁償する。

注: 布告によって指定される日に、 22 (12) (b) が廃止され、次の条項に置き換えられる。

  (b) 撤去によって契約の対象となった財産に損害が生じた場合、その損害を管理組合に弁償する。

 (放棄 [Abandonment])
 (13) 第 (11) 項に基づいて個人の財産を撤去する権利を有する電気通信契約の当事者は、同項で
    指定された期間内に財産を除去しない場合、その財産を放棄したものとみなされる。

 (管理組合の活動 [Action by corporation])
23(1) 第 (2) 項に従うことを条件として、管理組合が有するその他の救済策に加えて、
    管理組合は、自ら及び所有者に代わって、次のことを行うことができる。
  (a) 共用部、管理組合叉は個々の部門の資産に対する損害に関する損害賠償及び費用の訴訟
    を開始、維持、叉は解決する。及び
  (b) 管理組合が訴訟の対象となった契約の当事者でなかった場合でも、共用部叉は住戸に関係
    する契約に関して訴訟を開始、維持または解決する。

 (所有者への通知 [Notice to owners])
 (2) 第 (1) 項に記載の訴訟を開始する前に、管理組合は、第 46.1 条で義務付けられている
    管理組合の区分所有者名簿に記載されているすべての者に、下記の訴訟の一般的な性質
    について書面で通知するものとする。
  (a) その訴訟は、第 85 条に基づく管理組合の先取特権を執行するため、叉は第 17 条 (3) に
     基づく義務を果たすためのものであること。叉は
  (b) 訴訟は少額裁判所(Small Claims Court 注:日本の簡易裁判所にあたる)で開始されること。

 (費用 [Costs])
 (3) 理事会が別段の決定をしない限り、管理組合がその住戸の所有者に代わってその全部叉は
    一部を開始叉は維持する訴訟における訴訟費用及び法定費用は、その利益が影響を受ける
    住戸の所有者がその割合に応じて負担するものとする。

 (資産としての判断 [Judgment as asset])
 (4) 管理組合が自らの代わりに開始叉は維持する訴訟において、管理組合に有利な支払いを
    求める判決は、管理組合の資産である。

 (管理組合が訴えられる可能性がある [Corporation may be sued])
 (5) 管理組合は、管理組合の共用部叉は資産に関するあらゆる事項に関し、住戸の所有者の代表
    として、訴えられる可能性がある。

 (管理組合に対する判決 [Judgment against corporation])
 (6) 管理組合に対する金銭支払の判決は、共有の利益を共有するための宣言に定められた割合に
    よって定められた判決の一部について、判決の時点で各所有者に対する判決でもある。

 (訴訟能力の制限 [Restriction on ability to sue])
23.1(1)  第 1.44 条 (1) の I.1編 叉は第 5節 に基づく料金(fees)、費用(costs)、
    手数料(charges)、叉は査定額(assessments)が未払いである管理組合は、以下の事項を
    維持することができない 。
  (a) コンドミニアム管理当局が存在する場合、コンドミニアム管理当局裁判所での手続き。叉は
  (b) 訴えが却下されていないオンタリオ州の裁判所での手続き。

 (訴えの却下 [Leave of court])
 (2) 裁判所は、以下の点に満足した場合には、訴えを却下するものとする。
  (a) 第I.1 編 叉は 1.44 (1) 5 項に基づく料金、費用、手数料叉は査定額の支払いを不注意
    により怠った。
  (b) 国民叉は管理組合の所有者が騙されたり誤解されたりしたという証拠はない。及び
  (c) 裁判所への訴えの時点で、管理組合が第 I.1 編 叉は 1.44 (1) 5 項に基づく未払いの料金、
    費用、手数料、叉は査定額を持っていない。

 (有効な契約 [Contracts valid])
23.2 いかなる契約も、契約締結時に第 I.1 編 叉は 1.44 (1) 5 項に基づく未払いの料金、
    費用、手数料、叉は査定額がある管理組合によって締結されたという理由だけで無効叉は
    無効になることはない。

 (収用法に基づく通知 [Notices under the Expropriations Act])
24(1)  収用法(Expropriations Act)の目的上、収用される土地が管理組合の共用部
    の一部であり、いかなる住戸も含まない場合、収用当局がその所有者に送達することを要求
    叉は権利を有する下記文書通知、評価報告書、補償の申し出を含む土地は、収用当局が
    文書を送達したことによって、十分に土地所有者に送達されたものとする。
  (a) 管理組合について。及び
  (b) 収用される土地が、管理組合内のすべての所有者ではなく、1 つ以上の住戸の所有者
    による独占使用であると宣言で指定されている共用部の一部である場合、それらの住戸
    の所有者に対して。

 (所有者への通知 [Notice to owners])
 (2) 第 (1) 項に基づく文書の送達を受けてから 15 日以内に、管理組合は、第 46.1 条で要求
    されている管理組合区分所有者名簿に記載されている、叉は同条でその名簿に記載する
    よう義務付けられているすべての者に、同法に基づく通知が送達されており、その通知の
    写しを当局が審査できるようにするため、次のことを通知するものとする。

 (所有者を代理する管理組合 [Corporation acting for owners])
 (3) 収用法(Planning Act)の目的のため、第 (1) 項に基づいて文書が管理組合に送達された、
    収用される土地の所有者の同法第126 条の対象となるすべての権利は、管理組合に
    譲渡され、行使されるものとする。

 (計画法に基づく通知 [Notices under the Planning Act])
25 計画法(Planning Act)に基づく通知の送達を受けた管理組合は、送達後 15 日以内
    に、第 46.1 条で義務付けられている管理組合区分所有者名簿に記載されている、叉は同条
    でその名簿に記載するよう義務付けられているすべての者に、同法に基づく通知が送達され
    ており、その通知の写しを当局が閲覧できるようにするため、次のことを通知するものとする。

 (占有者の責任 [Occupier’s liability])
26 土地占有者の義務違反に起因する責任を決定する目的では、管理組合は共用部の
    占有者とみなされ、区分所有者は共用部の占有者ではないとみなされる。

注: 布告によって指定される日に、この法は次の条項を追加することによって改正される。

 (住戸等の取得の禁止 [No acquisition of units, etc])
26.1(1)  宣言書、管理規約、協定書叉は文書の内容にかかわらず、規則に別段の定め
    がない限り、その他の不動産叉は個人の財産の対価がない場合を除き、第 (2) 項に記載
    されている管理組合の理事会が別の決定を下すまで、管理組合は住戸の利益叉は権利を
    取得してはならない。

 (対象となる理事会 [Board affected])
 (2) 第 (1) 項に記載されている管理組合の理事会は、第 43 条に基づいて開催される引継ぎ集会
    叉はその後の理事会で選出された新しい理事会を指すが、以下は含まれない。
   (a) 第 152 条 (6) に従って選出された新しい理事会。叉は
   (b) 宣言者叉は宣言者の関連管理組合が個人叉は共同で管理組合の住戸の過半数を所有して
     いたときに選出された理事が理事会の過半数を占める場合の理事会

注: 布告により指定される日に、この法は次の条項を追加することにより改正される。

 (現状回復 [Existing remedies])
26.2(1)  規則に別段の定めがない限り、宣言書、管理規約、協定書叉は文書のいかなる
    規定も、以下に記載されている管理組合の理事会が開かれるまでは、宣言者叉は宣言者の
    関連管理組合に対して管理組合が法的に有する現状回復には影響を与えない。 (2)項 は
    そうでないことを決定する。

 (対象となる理事会 [Board affected])
 (2) 第 (1) 項に記載されている管理組合の理事会は、第 43 条に基づいて開催される引継ぎ集会
    叉はその後の理事会で選出された新しい理事会を指すが、以下は含まれない。
   (a) 第 152 条 (6) に従って選出された新しい理事会。叉は
   (b) 宣言者叉は宣言者の関連管理組合が個人叉は共同で管理組合の住戸の過半数を所有して
     いたときに選出された理事が理事会の過半数を占める場合の理事会

 (所有者への情報証明書 [Information certificate to owners])
26.3 管理組合は区分所有者に次の文書を送付するものとする。
   (a) 少なくとも 3 か月に 1 回、叉はその他の所定の期間ごとに、規則に従って作成され、
     第 76 条 (1) (d)、(e) 及び ( h) 第 76 条 (1) (p) に記載されている証明書叉は覚書(、
     cirtificate or memorandum) 及び 規定されている管理組合に関するその他すべて
     の情報。及び
   (b) 所定の時期に、規則に従って作成され、管理組合に関するその他すべての所定の情報
     が含まれる証明書。

第2節 理事と役員 (DIRECTORS AND OFFICERS)

 (理事会 [Board of directors])
27(1)  理事会は、管理組合の業務を執行する。

 (定員 [Number]) 
 (2) 第 42 条 (4) に従い、理事会は少なくとも 3 人、叉は管理規約が規定するそれ以上の人数で
    構成されるものとする。

 (定数の変更 [Change in number])
 (3) 管理組合は、管理規約により、管理規約に定められたとおり、理事の数を増員、叉は第 (2) 項
    の規定に従って減員することができる。

 (理事の選任 [Election of directors])
28(1) 第 42 条 (1) に従うことを条件として、区分所有者は本法及び管理規約に従って
    理事会を選出するものとする。

 (候補者の通知 [Notice of candidates])
 (2) 1 人以上の理事を選出するための集会の通知には、第 45.1 条 (1) (a) の目的で、規則に
    従って書面で理事会に通知した選挙の候補者各個人の名前と住所が含まれるものとする。
    選挙の候補者は、理事会が第 45.1 条 (1) に基づいて集会召集の事前に指定された日付
    までに、選挙の候補者になる意思を表明する必要がある。

 (所有者兼占有者の地位の通知 [Notice of owner-occupant position])
 (3) 第 51 条 (6) に基づき、理事会の 1 つの役職が所有者占有住戸の所有者(owners of
     owners-occupied units)による投票の
    ために予約されている場合、
     集会の通知には次の内容が含まれるものとする。
  (a) 理事会の 1 つのポジションが所有者占有住戸の所有者による投票のために予約されて
     いるという声明、及び
  (b) 通知が送られる前日の時点で、所有者占有住戸の所有者が投票するために確保されて
     いる理事会の役職の候補者になる意思があることを書面で理事会に通知した者を示す声明。

注: 布告によって指定される日には、28 (3) が廃止され、次の条項が置き換えられる。

 (非賃貸議決権行使に関するお知らせ [Notice of non-leased voting position])
 (3) 第 51 条 (6) に基づき、非賃貸議決権住戸の所有者(owners of non-leased voting units)に
    よる投票のために理事会の 1 つの役職が予約されている場合、集会の通知には次の内容
    が含まれるものとする。
  (a) 理事会の 1 つのポジションが、賃貸されていない議決権住戸の所有者による投票のため
    に予約されているという声明。及び
  (b) 第 45.1 条 (1) (a.1) (iv) の目的で、理事会に非賃貸議決権住戸の所有者のために予約
    された役員の候補者となる意向を書面で通知した各個人の名前と住所を示す声明。

 (資格 [Qualifications])
29(1) 次の場合には、いかなる者も理事となることができない。
  (a) 独立した個人ではない者(not an individual)【訳注:企業・団体などの法人は理事になれない】
  (b) 18歳未満の者(under 18 years of age)
  (c) 破産者(status of bankrupt)
  (d) 後見法(Substitute Decisions Act, 1992 )叉は精神保健法(Mental Health Act) に基づいて、
    その者が財産を管理する能力がないと判断された場合(incapable of managing property;)。
  (e) 規則に従い、その者がカナダ叉はその他の裁判所によって無能力であると認定された場合。
     叉は
  (f) 所定の期間内に所定の開示義務を遵守しなかった場合。

 (失格 [Disqualification])
 (2) 次の場合には、直ちに理事でなくなる。
  (a) 破産者であること
  (b) 後見法叉は精神保健法に基づいて、その者が財産を管理する能力がないと判断された場合
  (c) 規則に従い、その者がカナダ叉はその他の裁判所によって無能力であると認定された場合
  (d) 先取特権証明書が、その者が所有する住戸に対して第 85 条 (2) に基づいて登録されており、
     その者が、先取特権証明書の登録から 90 日以内に第 85 条 (7) に基づく先取特権の免除
     を取得しない場合
  (e) 所定の期間内に所定の研修を修了しなかった場合。叉は
  (f)  所定の期間内に所定の開示義務を遵守しなかった場合。

 (同意 [Consent])
30(1) 本人の同意がなければ、理事に選任されない。

 (みなし同意 [Deemed consent])
 (2) 選任又は選任の際に出席し、理事となることを拒まない場合には、同意したものとみなす。

 (書面による同意 [Written consent])
 (3) 総会に出席していない者でも、総会前叉は総会後 10 日以内に書面により理事に就任することに
    同意した場合には、選任叉は任命することができる。

 (不遵守 [Non-compliance])
 (4) 本条に反する理事の選任又は任命は、その効力を有しない。

 (任期 [Term])
31(1) 第 42 条 (1) に基づいて最初の理事会に任命された理事の場合を除き、理事は 3 年
     叉は管理規約で定められているそれより短い期間で選出される。

 (同 [Same])
 (2) (1) 項にかかわらず、理事は後任者が選出されるまで引き続き職務を行うことができる。

注: 布告によって指定される日には、法第 31 条 (2) が廃止され、次の条項に置き換えられる。:

 (同 [Same])
 (2) 第 (1) 項にかかわらず、理事は次の場合まで職務を続行することができる。
  (a) 理事が第 51 条 (6) に記載されている役職に選出されない場合、後任者が選出される。叉は
  (b) 理事が第 51 条 (6) に記載されている役職に選出された場合、次のいずれか早い方。
   (i) 後任者の選出の時期、及び
   (ii) 理事の任期満了後の最初の年次総会

 (業務遂行 [Conduct of business])
32(1)  第 42 条 (5) に従うことを条件として、管理組合の理事会は、理事会の定足数が出席
    している理事会以外、管理組合のいかなる業務も行ってはならない。

 (定足数 [Quorum])
 (2) 業務執行の定足数は、理事会に欠員が生じたかどうかに関係なく、本法に従って理事会を
    構成する人数の過半数となる。

 (解任 [Removal])
33(1) 第 51 条 (8) に従い、最初の理事会の理事以外の理事は、理事の任期が満了する前に、
    そのために正式に招集された集会で、第 46 条に従い、区分所有者の投票によって
    管理組合内の全住戸の 50 パーセントを超える所有者が解任に賛成票を投じた場合、
    解任される。

 (交替 [Replacement])
 (2) 理事の選出に関する管理規約に従い、区分所有者は、解任された理事の残りの
    任期にわたって理事会のメンバーとなる資格のある者を総会で選出することができる。

 (欠員 [Vacancy])
34(1) 理事会に欠員が生じた場合、理事会の定足数が残っている限り、
    残りの理事は理事会のすべての権限を行使することができる。

 (理事会による任命 [Replacement made by board])
 (2) 第 51 条 (6) に記載されている役職を含め、理事会に欠員が生じた場合、及び
    理事会の定足数が残存している場合、理事会の残りのメンバーの過半数は、
    次回の年次総会までの空席を埋めるための理事会のメンバーを、次の職に就く
    資格のある者の中から任命することができる。

 (区分所有者による任命 [Replacement made by owners])
 (3) 第 51 条 (6) に従うことを条件として、第 (2) 項に記載の年次株主総会において、
    区分所有者は、同条に基づいて生じた欠員を補充する者を選出し、そのポジションが
    空席になった理事の残りの任期にわたってその職を務めるものとする。

 (定足数に満たない場合の選挙 [Election when no quorum])
 (4) 理事会に欠員が生じ、定足数を構成するのに十分な理事が残存していない場合、
    残りの理事は理事会の定足数を失ってから 30 日以内に区分所有者集会を招集し、
    開催して理事会の欠員をすべて補充するものとする。

 (区分所有者は集会を召集することができる [Owner may call meeting])
 (5) 理事が招集して集会を開催しない場合、叉は理事が不在の場合は、区分所有者は規則
    に従って集会を招集することができる。

 (費用の払い戻し [Reimbursement of cost])
 (6) 要請に応じて、管理組合は、第 (5) 項に基づいて集会を招集した区分所有者に、集会の
    招集にかかる合理的な費用を払い戻すものとする。

 (増員 [Increase])
 (7) 第 (2) 項にかかわらず、理事数の増員は、その目的で正式に招集された所有者集会での
    選挙によってのみ補充されるものとし、そのように選出された理事は、管理規約で理事の
    数が第 56 条 (9) に基づいて登録されるまでは職務を遂行しないものとする。

 (理事会 [Meetings of directors])
35(1) 管理組合の管理規約で義務付けられている理事の定足数を満たしている場合は、
    いかなる業務の遂行のためにいつでも集会を招集することができる。

 (開催通知 [Notice])
 (2) 理事会を招集する者は、管理組合のすべての理事に集会の書面による通知をしなければ
    ならない。
  (a) 管理規約に別段の定めがない限り、集会当日の少なくとも 10 日前。及び
  (b) 管理規約に別段の定めがある場合を除き、理事に個人的に送付するか、管理組合の
     記録に記載されている最新の住所に理事に宛てて前払い郵便、宅配便、叉は電子通信
     で送付することによって行う。

 (通知の内容 [Content of notice])
 (3) 通知には、集会の日時、場所、及び集会で議論される議案の要領(事業の一般的事項)
    が記載されなければならない。

 (通知の放棄 [Waiver of notice])
 (4) 理事会に出席した理事は、理事会の不履行に明示的に反対しない限り、必要な通知
    の不履行に異議を唱える権利を放棄したものとみなされる。  【訳注 c4】 参照)

 (電子会議 [Teleconference])
 (5) 理事会は、管理組合の理事全員が開催手段に同意した場合、規定に従い、電子会議
    その他の所定の通信システムにより開催することができる。

 (役員 [Officers])
36(1) 管理組合には、理事長、書記その他法令又は理事の決議で定める役員を置く。

 (選挙と任命 [Election and appointment])
 (2) 管理規約に従い、
  (a) 理事長(president)は理事の中から選出するものとする。
  (b) 書記(secretary)を任命叉は選出するものとする、及び
  (c) 1 名以上の副理事長叉はその他の役員(vice-presidents or other officers)を任命
     叉は選出することができる。

 (複数の役職の兼任 [Holding several offices])
 (3) 同一の者が管理組合の二つ以上の役職を兼ねることができる。

 (職務基準 [Standard of care])
37(1) 管理組合のすべての理事及びすべての役員は、権限を行使し職務を遂行する際、
    次のことを行うものとする。
  (a) 正直かつ誠実に行動すること。及び(act honestly and in good faith; and)
  (b) 合理的賢明な人間が同等の状況で行使するであろう注意、勤勉さ、及び技能を行使すること。
    (exercise the care, diligence and skill that a reasonably prudent person would exercise
     in comparable circumstances)    (【訳注 c5】 参照)

 (行為の有効性 [Validity of acts])
 (2) 理事叉は役員の行為は、その者の選出、任命叉は資格取得の後から発見される可能性がある
    いかなる瑕疵にもかかわらず、有効である。

 (理事の責任 [Liability of directors])
 (3) 理事が誠実に信頼した結果として違反が生じた場合、理事は、第 (1) 項に記載された義務違反
    に対して責任を負わないものとする。
  (a) 管理組合の財務諸表は、一般に受け入れられている会計原則に従って管理組合の財務状況を
    公正に表示しているものとして、管理組合と管理者もしくはコンドミニアム管理業者との契約に
    基づいて管理組合にコンドミニアム管理サービスを提供するコンドミニアム管理業者が書面による
    報告書を監査人、管理組合の役員に提出するものであって、理事はこれらに責任を有する。叉は

注: 布告によって指定される日には、第 37 条 (3) が改正され、条項 (a) の末尾にある「叉は」を
    削除し、次の条項を追加する。
  (a.1) 規定があれば、予備費叉は予備費調査に関する予備費調査提供者の報告叉は意見。
  (b) 弁護士、公認会計士、技術者、鑑定士、叉はその報告書叉は意見に信頼性を与える専門職の
    その他の者の報告書叉は意見。

 (補償 [Indemnification])
38(1) 第 (2) 項に従うことを条件として、管理組合の管理規約において、管理組合のすべての
    理事及びすべての役員、ならびにその相続人、執行者、管理者、遺産管財人及びその他の法定
    代理人の職務に基づく行為は随時、管理組合によって補償され、無害に保たれることを規定する
    ことができる。
  (a) その者の職務の遂行に関して、その者に対して提起された訴訟に関して理事叉は役員が負担する
     責任及びすべてのコスト、手数料、費用。
  (b) 管理組合の業務に関して個人が維持叉は負担するその他のすべてのコスト、手数料、費用。

 (義務違反ではない [Not for breach of duty])
 (2) 管理組合の理事叉は役員は、正直かつ誠実に行動する義務に違反していると判断された場合、
    その結果としてその者が負担する、或いは申請、訴訟その他の手続きに関して負担する責任、
    コスト、手数料、費用に関しては管理組合によって補償されないものとする。

 (保険 [Insurance])
39(1) 保険が合理的に利用可能である場合、管理組合は、正直かつ誠実に行動する義務に
    違反した結果として発生する理事叉は役員の責任、コスト、費用、叉は損害に対する保険を除き、
    第 38 条 (1) (a) 及び (b) に記載されている事項に対する理事叉は役員の利益のために保険を
    購入及び維持するものとする。

注: 布告によって指定される日に、次の条項を追加することにより法律が改正される。

 (調達プロセスなど [Procurement process, etc.])
39.1 (1) 管理組合は、契約叉は取引に関連して管理組合が締結した調達プロセス及び
    その他の契約叉は取り決めが所定の要件を満たさない限り、所定の契約叉は取引を締結しては
    ならない。

 (対象理事による開示 [Disclosure by director of interest])
40(1) 管理組合が当事者である契約(contract)もしくは取引(transaction)、あるいは管理組合
    が当事者となる予定(proposed)の契約もしくは取引に直接的叉は間接的に利害関係を
    有する管理組合の理事は、書面により管理組合の利益の性質と範囲(nature and extent
    of the interest)を開示しなければならない。

 (重要な関心 [Interest to be material])
 (2) 第 (1) 項は、契約叉は取引、叉は提案されている契約叉は取引そのものと、それに対する
    理事の利益の両方が重要でない限り、適用されない。

 (不動産の購入 [Purchase of property])
 (3) 第 (1) 項が適用される契約叉は取引、叉は予定されている契約叉は取引に、売主が契約
    叉は取引の日から 5 年以内に取得した管理組合による不動産叉は個人の不動産の購入
    叉は売却が含まれる場合、理事は、その情報を理事の知識叉は管理の範囲内(within the
    director’s knowledge or control)で、売主及び不動産の価格を開示するものとする。

 (開示時期 [Time of disclosure])
 (4) 開示は下記において行われるものとする。
  (a) 契約叉は取引、叉は予定されている契約叉は取引が最初に検討される理事会の集会
    において。
  (b) (a) 項に記載された集会の日の時点で理事が契約叉は取引、叉は予定されている契約
    叉は取引に関与していない場合は、理事が関与した後に開催される次回の理事会で。
  (c) 理事が契約締結後にその契約叉は取引に関与した場合、理事が関与した後に開催
    される最初の理事会において。叉は
  (d) 契約叉は取引、叉は予定されている契約叉は取引が、管理組合の通常の業務過程に
    おいて理事叉は区分所有者による承認を必要としないものである場合、理事が当該
    事項を認識した後に開催される最初の理事会において。

 (議事録 [Minutes])
 (5) 理事会は、本条に基づいて理事によって行われた開示を、開示が行われた理事会の
    議事録に記録するものとする。

 (選挙権 [Right to vote])
 (6) 第 (1) 項が適用される契約叉は取引、叉は予定されている契約叉は取引に関して理事
    が関与している場合、当該理事は、集会での議論に出席したり、投票したり、投票の
    定足数に数えられたりしてはならない。これらの契約叉は取引には下記のものが含まれる。
  (a) 第 39 条に記載されている保険、叉は管理組合の理事、役員、叉は従業員としての報酬
     のみに限定されている、叉はこれらにのみ限定される予定の契約叉は取引。叉は
  (b) 理事が第 42 条 (1) に基づいて宣言者によって最初の理事会に任命されている場合、
     理事が宣言者の理事、役員、叉は従業員であるという理由のみで発生する、叉は発生
     する可能性のある契約叉は取引。

 (開示の効果 [Effect of disclosure])
 (7) 本条の要件を遵守し、契約叉は取引の締結時に正直かつ誠実に行動していた理事は、
    理事の職にあるという理由だけで責任を負うものではない。契約叉は取引から実現
    される利益叉は利得は管理組合叉はその区分所有者が享受するものである。また、
    契約叉は取引は、理事の利害関係のみを理由に無効にすることはできない。

 (所有者による確認 [Confirmation by owners])
 (8) 本条の規定にかかわらず、正直かつ誠実に行動した理事は、理事の職にあるという理由
    だけで、契約または取引から実現した利益または利益について、管理組合または所有者
    に対して責任を負わない。そして、次の場合、契約または取引は理事の利害関係のみを
    理由に無効にすることはできない。
  (a) 契約または取引が、その目的のために正式に招集された区分所有者集会で投じられた
     投票の少なくとも 3 分の 2 によって確認または承認されたものである。及び
  (b) 契約または取引に対する理事の利益の性質および程度が、集会招集通知において合理的
     に詳細な程度に記述され開示されたものであること。

 (対象役員による開示 [Disclosure by officer of interest])
41(1) 理事ではない管理組合の役員で、管理組合が当事者である契約もしくは取引、
    叉は管理組合が当事者となる予定の契約もしくは取引に直接的叉は間接的に利害関係を
    有する者、利害の性質と範囲を書面で管理組合に開示するものとする。

 (開示時期 [Time of disclosure])
 (2) 第 (1) 項に基づいて開示を要求された役員は、契約もしくは取引、叉は予定されている契約
    もしくは取引を知った後に開催される最初の理事会で開示を行うものとする。

 (第 40 条の適用 [Application of s. 40])
 (3) 第 40 条(2)、(3)、(5)、(7) 及び (8) は、これらの条項における理事への言及がすべて理事
    ではない管理組合の役員にも適用される。

【訳注】

【c1】 法第 16 (1)  標章(Seal) 
CONDOMINIUM-CORPORATION-CORPORATE-SEAL
SAMPLE : CONDOMINIUM-CORPORATION-CORPORATE-SEAL

標章(Seal)は、政府、会社、団体、法人などが公文書や正式文書が真正であることの証明として用いるもので、一般の人は用いません。
国で用いるのは国璽(こくじ:The Great Seal )といいます。

【c2】 法第 20 (1)  地役権(easement)に関する規定
    地役権(easement)とは用益物権の一つ (以下は日本の民法280条の説明です。)

用益物権とは、所有権の使用の面を制限し、他人の所有物を使用・収益することを内容とする 物権で、地上権(265条)、永小作権(270条)、地役権(280条)、入会権(294条)がある。

民法第280条(地役権の内容)
「地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利 を有する。但し第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しない ものでなければならない。」

区分所有権と敷地利用権(区分所有法があらたに創設した所有権と地役権)

「区分所有法」では、第2条第1項「区分所有権」で「建物の部分を目的とする所有権」、即ち、建物の区画
された部分を目的とする所有権を「区分所有権」として定義し、「構造上の独立性」と「利用上の独立性」の
二つの要件を満たしているときは「区画された部分」として「区分所有権」が与えられます。更に、第2条
第5項で「敷地利用権」を「専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利」として定義しました。
区分所有権は建物を目的とする権利、敷地利用権は土地を目的とする権利でそれぞれ別個のものです。

【c3】 法第 20 (4)  "even though"は「・・の事実にもかかわらず」の意味で結果否定で用いる。
        "even if"は「仮に・・であるとしても」の意味で単なる仮定結果を示す。 

【c4】 法第 35 (4)  明示の同意と暗黙の同意に関する規定。明示的に反対しなければ暗黙の了解とみなす

【c5】 法第 37 (1)  善管注意義務に関するコンドミニアム法と日本の民法の規定の違い

日本の「区分所有法 第 28 条(委任の規定の準用)」
「第 28 条 この法律及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う。」
日本の「民法 第 644 条(受任者の注意義務)」
「第 644 条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。」
日本の「民法 第 645 条(受任者による報告)」
「第 645 条 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了
 したときは、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。」

日本の「法務省民事局参事官室編 改正区分所有法の解説「新しいマンション法」(社団法人商事法務研究会刊)
P162(委任に関する規定の準用)
「管理者と区分所有者との権利義務関係は、新法においても民法の委任に関する規定に従って処理されます。
その結果、管理者は、その事務を処理するにつき善良な管理者の注意義務を負い(民644条)、職務を行うに
つきその義務を怠って区分所有者に対して損害を与えたときは、これを賠償する責任を負うほか、区分所有
者に対して受取物引渡し等の義務(民646条)、委任終了後の善処義務(民654条)などを負います。」

以上が法務省民事局の解説ですが、これは建前としての観念的な訓示規定であって、区分所有法には実務上、
これに拘束される規定はありません。それに比べて、オンタリオ州コンドミニアム法第 37 条[理事の職務基準
 (Standard of care)]では理事の委任に伴う受任者の義務を具体的かつ詳細に規定しています。


【注】 本訳原典は、2024年5月1日現在のコンドミニアム法(電子公告版)です。