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分析項目と推奨案 : 3.紛争解決
     (DETAILED ANALYSIS AND RECOMMENDATIONS :3. DISPUTE RESOLUTION)

1.紛争の背景

紛争は共同住宅コミュニティでは珍しいことではありません。
その範囲は広く、駐車場やペットなどに関するささいな不和から、
理事会の処理権限を超えるお金の徴収と消費の深刻な問題まであります。

第T期の問題摘出過程で最も共通の話題として取り上げられたのが、共同住宅コミュニティには紛争解決の 効果的な手段がないということでした。法が示している調停、仲介、その他の法的解決のための各種の選択肢は時間もコストもかかります。 現在あるシステムではうまく対応できない。
高い優先順位をつけて改善すべきということは、第T期の問題摘出報告書で指摘されていました。

(1.1) 紛争類型の区分: (IDENTIFY THE TYPES OF DISPUTES)

第T期の問題摘出報告書で指摘されましたが、紛争の解決は複合的でさまざまな紛争を識別することは困難でした。
作業部会では資料を集め共同住宅紛争を7つの類型に分けました。

 (1) 誤解と誤った情報による紛争: (DISPUTES ARISING FROM MISSING INFORMATION)
 (2) 管理組合対分譲会社の紛争: (CONDO VS. DEVELOPER DISPUTES)
 (3) 共用施設をめぐる紛争:  (SHARED FACILITIES DISPUTES)
 (4) 管理組合対管理者の紛争: (CONDO VS. MANAGER DISPUTES)
 (5) 管理組合対区分所有者の紛争: (CONDO VS. OWNER DISPUTES)
 (6) 賃借人紛争: (DISPUTES WITH TENANTS)
 (7) 費用の負担: (COST RECOVERY FOR PROCEEDINGS)

作業部会では、それぞれのカテゴリーの概要について討議しました、
これらの提案区分は共同住宅コミュニティをより理解し結論を得ようとするための果てしない議論を生みました。

第T期の問題摘出報告書で提起されたのが、区分所有者、理事、管理者にとって、 紛争を素早く(quick)、頼りになる(reliable)、偏見のない(impartial)、信用できる(trusted)形で、 安価に(もしくは無料で)(inexpensive (or free) )、管理規約やその他の重要な事例を勘案して、 法に基づいた判断基準で解決してくれる組織の創設でした。

推奨案:新たな組織(共同住宅庁と仮称)の創立が望ましい。この組織には共同住宅関係者へのオンライン、
電話、または個人面談による情報提供と助言といった他の機能を含みます。

(1.2)  共同住宅庁の創設: (ESTABLISH A CONDO OFFICE)

新しい紛争処理組織の提案について、作業部会は政府職員・公務員による官公庁と1つ、又は複数の
民間非営利法人の幾つかのモデルを考えました。カナダ共同住宅協会(Canadian Condominium Institute)、
オンタリオ共同住宅管理者協会(Association of Condominium Managers of Ontario)のようなものです。

作業部会は究極的に新組織は政府からは独立しつつも、偏見のない立場で透明性と説明責任を果たす
ことを保証するために政府の監督下に置かれるものとしました。

推奨案:共同住宅法において通称、共同住宅庁(Condo Office)と呼ばれる一つの組織を設立すべきである。
新しい組織は共同住宅庁の理事会理事を通して報告を行い、政府から手の届くところで(at arm’s-length from government)運営を行うものとする。

推奨案:共同住宅庁の他の機能は下記とする
  (1)  共同住宅コミュニティ問題に係る情報の提供と助言を行う
  (2)  新しい紛争処理サービス機関の庁舎と管理者を置く
  (3)  区分所有者、理事、管理者向けの改善促進教育を行う
  (4)  共同住宅紛争のデータの収集と統計の提供を行う
  (5)  管理組合の登録監督制度を創設する
  (6)  共同住宅庁の運営資金を各管理組合から謙虚に・控えめに徴収(modest levy)するための基金を創設する

2.紛争解決方法の詳細  (DISPUTE RESOLUTION)

(2.1) 誤解と誤った情報による紛争:
    (DISPUTES ARISING FROM MISSING INFORMATION)

多くの共同住宅の紛争は、誤解、越権行為、権利または義務の考え方の違いから生まれています。そのような誤解は所有者に限りません。誤解は理事会のメンバー、管理者、そして外部の人まで拡大しています。それらを処理する最も効果的な方法は、それが発生する最初の事件現場で防ぐことです。解決の最初の段階は教育と情報です。

(2.2) 管理組合対分譲会社の紛争: (CONDO VS. DEVELOPER DISPUTES)

作業部会は既存の紛争解決手続きの欠点を良く知っています。
それは制度が完璧に失敗であるということではありません。

特に、管理組合と分譲会社との 間の紛争においては、作業部会は現在の紛争解決モデルは合理的ではあるけれども、 マイナーチェンジが必要だということで意見は一致しています。

推奨案:
管理組合対分譲会社の紛争は現在の調停、仲介による紛争処理制度は維持しながら、 新しい制度によって迅速、効果的に処理するよう改善することを提案します。

この制度は初年度の予算不足、或いは予算書を巡る管理組合対分譲会社の紛争にのみ
適用されるものとします。欠陥建築を含むその他のすべての紛争は今まで通り裁判に委ねることになります。

作業部会では、この新しい制度で可能となるような重要な幾つかの指標について討議しました。

(2.3) 共用施設をめぐる紛争: (SHARED FACILITIES DISPUTES)

作業部会は共用施設(例えばレクリエーションセンター等)に関係する紛争について、
同様の結論を導きました。

推奨案:
共用施設紛争の基本的な解決手段として、法による調停、仲裁の制度は維持しながら、
追加される新しい手続き(次の推奨案参照)によって改善されるべきです。

この事件に巻き込まれたある管理組合では、その関係性を修復する合意には至りませんでした。
改定される共同住宅法は調停、仲裁の制度を法で規定された紛争解決手段として組み込むべきです。
裁判の判決のような強制的な救済策は調停、仲裁の後に適用される制度とすべきです。

(訳注:)このような方式は日本では「調停前置主義」といい、合意による紛争処理手続きを促進するために、
     審判や訴えを提起できる場合にも、まず調停を申立てしなければならないとする制度です。
     このHpの 「コンドミニアム裁判所 判例比較論:紛争の解決に向けて」  に詳しい解説があります。

(2.4) 管理組合対管理者間の紛争: (CONDO VS. MANAGER DISPUTES)

作業部会は管理組合対管理者間の紛争解決に対する多くの権限を共同住宅庁に委ねる事としました。

推奨案:
改定される新共同住宅法においては、管理組合と管理者間の紛争処理から、調停と仲裁を外すべきです。
例えば、管理者が保管している管理組合の記録文書を管理組合の開示要求に対して不当に抑制した場合は、
最初に共同住宅庁又は裁判所、(又はその両方)が、管理組合が容易に記録文書を閲覧入手できるように
管理者に命じることができるようにするべきです。

他の、例えば、契約外事項に関する意見の相違や、職務怠慢に対する抗議などは通常の裁判によるべきです。

(訳注:)管理者とは、登録庁の審査・ライセンスを受けて、 管理組合から有償で管理業務を請け負っている職業管理者のことで、 管理組合とは区分所有者で構成される理事会をさしています。

(2.5) 管理組合対区分所有者の紛争: (CONDO VS. OWNER DISPUTES)

作業部会は情報と教育が紛争解決手段のモデルとしましたが、それだけでは誤解に基づく紛争 のすべてを解決できる訳ではありません。実際に起きている意見の食い違いは人生の厳しい現実です。

調停と仲裁はこれらのケースで適用されますが、解決手段としては貧弱です。
これが管理組合対区分所有者間の紛争のポイントです。

共同住宅庁はこのような紛争を解決する新しい二つの処理手段を提供することになるでしょう。 その二つとは、
迅速な裁定(The Quick Decision Maker)と紛争解決機関(Dispute Resolution Office)です。

作業部会は管理組合対区分所有者間の紛争を「小さな問題」と「強制的手段を要する問題」 の二つのカテゴリーに分けました。

(2.6)  迅速な裁定  (The Quick Decision Maker)

「小さな問題」に属する争いには、記録文書の閲覧・入手に関する意見の食い違いや、 チャージバックに関する正当性(validity)、妥当性(reasonableness)、代理人の正当性、議決権、その他同種の争いが含まれます。

意見の食い違いによる争いは、両者がお互いの権利と義務、そして役割についてよく知ることが解決の第一歩になりますが、争いになるのは、 多分、これが十分ではないからでしょう。

どのようにして相手の権利を認めるかについては明確な答えはないのかも知れません。

理想を言えば、そのような紛争処理手順のあり方として、共同住宅庁のような機関が提供する情報サービスに基づいて、 迅速に(quick)、信用できる(reliable)、偏見のない(impartial)、信頼し得る(trustworthy)、安価に又は無料で(inexpensive or free)、 権威のある(authoritative)ものであるべきです。

比較的単純でしかも繰り返されている紛争に対する上記の処理手順は現在の法制度では存在していません。
管理組合と区分所有者には調停・仲裁か、あるいは法廷で争うかの限られた選択肢しかありません。

推奨案:
迅速裁定庁(仮称)と呼ぶべき特別な機関を共同住宅庁の中に設置することを提案します。
この機関は、管理組合の記録物、チャージバック、代理人、支払い請求、及び区分所有者の議決権に関する 共同住宅紛争に対し、迅速な決定を下す特別の権限を与えられるものとします。

推奨案:
迅速裁定庁(以下すべて仮称)は、当事者の訴える権利を尊重する範囲内で、単純明快に、
利用者にとって友好的に、審理手続きを進めることが期待されます。

また、文書提出命令、請求額の減額、限度内の罰金を課すこと、規定された基準に従って、
所定の費用の支払いを命じること、区分所有者の議決権の裁定を行う権限を有するものとします。

○ 迅速裁定庁を指定して持ち込まれた事件について、規定された範囲内に限り執行権限を有する。
○ 迅速裁定庁の規則では紛争解決を申請した区分所有者は、所定の手数料を納付する義務を負うが、
  この規則は、管理組合の共益費に追加することにより実施することができる。
  管理組合がこの費用を負うべき事件は、強制的に簡易裁判所(small claims court)への提訴事件の
  形式をとるものとする。

○ 非即時命令(Non-monetary orders)は、裁判の判決と同等の強制力を持つものとする。

○ 迅速裁定庁の裁定に対する抗告権については、裁判籍をめぐる事件、法律の解釈をめぐる事件、
   訴額が1,500ドル以上の事件に関する抗告は制限される。
   迅速裁定庁の裁定に対する抗告は、当該裁定担当官を除いた迅速裁定庁の合議、又は抗告部門に対して
   聴聞を申し立てることとする。もし、抗告が不成功に終わった場合は高額の支払いが課される。

○ 迅速裁定庁の運営基金は利用者が支払う料金と、管理組合が支払う共同住宅庁への運営基金から
   支払われる。消費者省は、これらが可能となるよう種をまき、一時的な基金を準備しなければならない。

作業部会のメンバーは迅速裁定庁に理事会の理事選挙の裁定権限を与えることで悩みました。
その様なケースは、人をばかにしたような軽蔑的な事例となりかねない事を怖れたからです。
迅速裁定庁が十分に良く練られた裁定ができるかどうかの質問が集中しました。

最後に、作業部会のメンバーは迅速裁定庁には、理事選挙の裁定権限を与えるべきではないと
結論づけました。しかし、専門部会はこの推奨案には同意しませんでした。なぜ、迅速裁定庁の
裁定権限が、このような方法で制限されるのか理由がわからない。

いずれにせよ、部会メンバーは迅速裁定庁に代理人と選挙に関する規則について裁定する権限を
与えることは、すでにこのような問題において権限をあたえられている総会議長の役割を侵害
することになると懸念しました。

迅速裁定庁に代理人と選挙に関する規則について裁定する権限を与えることについては、結論が
でないまま、残りました。部会メンバーは迅速裁定庁に小額の罰金や他の罰則を与える権限を
付与すべきかどうかについても、終わりのない議論を続けました。

 紛争解決庁:(THE DISPUTE RESOLUTION OFFICE)

迅速裁定庁は、作業部会が「小さな事件」に対して設置を計画したものです。
このことはまた、もうひとつの重要な「強制的な命令を必要とする事件」に対して仮称「紛争解決庁」
とでも呼ぶべき新しい機関の提案にもつながりました。

推奨案:
紛争解決庁(以後 仮称)は共同住宅庁の紛争処理を目的とした第三の機関と
なるものです。加えて、情報の提供と迅速な裁定を目的としています。
1〜2時間以内の終結を目指し、可能な限りオンラインでの処理を目標とします。
狙いとするのは下記のとおりです。
(1) 紛争を中立的な評価で早期に解決すること
(2) 和解への支援を行うこと
(3) 事件についての情報を付け加えること
(4) 次の紛争処理への案内をすること

紛争解決庁の職員には、調停者を置くべきではありません。その代わりに、深い経験と技能
を持った分析官と専門家を配置して、迅速に、中立の立場で、安価な費用で、十分な説明
を伴った裁定をするものとすべきです。

この説明は、最終決定を拘束するものではありません。専門家としての助言の形をとります。
紛争解決庁の裁定に参加することは強制的とすべきです。紛争解決庁は抗告に失敗した
当事者に対し、デフォルト、すなわち法廷への不出頭を宣言することができるものとします。
この意味は、結果として敗北を認め、裁判を終結させるという事です。

当事者が裁判に弁護士を伴うことは自由とするべきですが、その費用は弁護士に依頼した当事者
が自弁すべきで、訴訟の相手側に弁償させることはできません。このことは重要な原則です。

この種の紛争では、区分所有者は通常、法律上の助言を受けたり代理人を立てるほど余裕が
あるわけではありません。弁護士を雇うことができる理事会に対しては圧倒的に不利な立場に
あります。作業部会では早期に中立的な立場で裁定を下すための大きな障害となっている区分
所有者と理事会の間に存在する力の不均衡を是正することに注目しました。

前に取り上げたように、紛争解決庁の運営資金は管理組合の区分所有者からの拠出基金と事件を
提訴した当事者からの手数料をもって充てることとしました。紛争解決庁の職員の給与は
共同住宅に関する適正な知識と経験を有している専門家としての待遇を保証するための
プール資金から支払われます。これらの専門家としてのキャリアの背景には調停員や
ソシアルワーカーを含みます。同一人が紛争解決庁と迅速裁定庁の両方の職務を兼ねる
ことは望ましいことで、可能とすべきです。

 新組織を発展させることを認める。(ALLOW THE NEW ORGANIZATION TO EVOLVE)

専門部会の一人のメンバーが迅速裁定庁と紛争解決庁の二つの組織を分けることについて
疑問を呈しました。

迅速裁定庁は、「小さな事件」(例えば記録の閲覧・入手)に対して、「紛争解決庁」は
「強制的な命令を必要とする事件」(例えば管理規約違反)に対して設置を提案されたもの
でしたが、どのようにして、それを確実に区別するのでしょうか。
両者の取り扱う分野は重複していませんか? 二つに分けることは無理なのでは? 
どのようにして分けるのですか?

専門部会は。この質問の検討に多くの時間をかけました。得た結論は、二つのカテゴリーに
分けることは簡単なことではないということでした。このモデルは欠点のある不完全なもの
という意味ではありませんが、しかし少なくとも、実際に制度として運用するには、もっと
時間をかけて洗練され、熟成されたものにする必要があるということでした。
経験と学びこそが危機を成功に導きます。

推奨案:
迅速裁定庁と紛争解決庁は、その事件の優先順位に焦点をあてて開始されるべきであり、
管理組合の管理者と区分所有者がお互いに敬意をもって、ひとつの大きな家族となって
発展させることができるよう、共同住宅庁が柔軟にその運営を行うべきであるとしました。

 調停:(MEDIATION)

先に行われた討議で明らかになったのは、紛争解決庁の扱う事件では、調停者を関係者から
外すことを決定したにもかかわらず、作業部会として、管理組合の管理者対区分所有者間の
紛争には、調停制度を残すという推奨案を出しました。

推奨案:
管理組合対分譲会社間の紛争、共有設備をめぐる紛争、管理組合対区分所有者間の紛争
では、いずれも同様に、調停は迅速で簡単な手法としての調停と審議日程調整を選択肢
として残し改善することを推奨します。作業部会はまた、管理組合が全体の費用を前もって
支払った後に、区分所有者がその費用を分担することも可能としました。

 判決は簡単に、仲裁は手早く片付ける:
   (ADJUDICATION BY SIMPLE, EXPEDITED ARBITRATION)

推奨案:
裁判では個人間の争いに関して判決を下さなければなりません。
法は義務の不履行に対して迅速に経済的な手続きで判決を出すことを規定すべきです。
義務の不履行に対する法的手続きとして仲裁が選択できるものとします。

(2.7) 賃借人紛争: (DISPUTES WITH TENANTS)

第T期の問題摘出報告書は賃借人に関する問題には触れていませんが、賃借住戸はその数 を急速に増加していることに注目すべきです。殆どの賃貸住戸はコミュニティ規則を守り 平和に住んでいますが、中には、衝突を招き、妨害行為で居住環境の質を低下させている 賃借者の顕著な事例も発生しています。

作業部会では賃借者に対して宣言書と管理規約、使用細則を守ることを強制することの困難さに加え、 その対策処理としての賃貸者である区分所有者相手に訴訟を起こす事の長期化と費用の増大の問題を報告して来ました。

不幸なことに、平和に暮らしている賃借人もまた、これらの悪い賃借人に対する規制強化の影響と被害を受けています。
作業部会は、この不公平を指摘して、法の修正を提案しました。

修正案:
管理組合としての賃借人に対する要求を家主と賃借人に提出すること、及び、管理組合の宣言書
(訳注:日本の登記事項証明書に相当)、管理規約、使用細則を賃借人に渡すことについての強い
刺激策を講じること。

賃借人が管理組合の宣言書、管理規約、使用細則に対して不同意の争いが発生したときに 調停手続きによって早期に解決するためのファッシリテーションの手段が準備されていること。

賃借人が管理組合の管理規約、使用細則に違反したときにその是正を求め、 管理組合に対して責任を負うべき家主の区分所有者がその是正に失敗したときの訴訟手続きで、 無駄をなくして合理化、簡素化すること

共同住宅法と借家法の関係性を明確にすること。
ひとつの法律で違法とされたものが、他の法律では不確実、あるいは混同されることはめずらしくありません。

これらの提案は、専門部会では、試験的に支持を得ました。第U期の見直しに際し、 家主と賃借人の直接の参加はなかったので、作業部会と専門部会は、 この推奨案の提案に影響を受ける当事者の意向を確認することはできませんでした。
専門家は、下記の提案で、鍵となる原則を提示しました。

消費者保護省で、利害関係者に広く意見を求め、この推奨案の分析をされたい。

推奨案:
賃借人が関係する紛争についての明確かつ確実な方法を考える上で、 基礎となる原則を下記に示します。

 ○ 改定法は、共同住宅コミュニティの区分所有者、賃借人、または区分所有者を含む全居住者に
   適用されるものとします。

 ○ 区分所有者、賃借人、区分所有者の来客を問わず、その住戸を専用使用する者すべては
   管理組合の管理規約、使用細則に従う義務があります。

 ○ 賃借人が、管理組合が管理している管理規約、使用細則に違反したとき、その紛争の解決には
   明確で効果的な手段を必要としています。

(2.8) 費用の負担: (COST RECOVERY FOR PROCEEDING)

作業部会は,必要あれば、区分所有者は仲裁と法的な手段を容易に少ない費用で手に入れることができるとの見解を示しました。

推奨案:
管理組合と区分所有者は双方が紛争解決手段を用いたとき、合理的な費用の負担を相手に求めることができる。
現在においては管理組合だけが損害賠償の請求権利を有しているこの規定は迅速裁定庁、紛争解決庁の処理には適用しないものとする。
敗訴したものが判決により、その費用を支払うものとする。

推奨案:
調停の費用は不要とされる

(Original)


(Translated)


(Original)


(Translated)


(2021年8月28日初版掲載・随時更新)
(Initial Publication - 28 August 2021/ Revised Publication -time to time)