コンドミニアム法 【総目次】 > 【前頁】 I 【第Z編〜第\編】 >  J 【第 X 編〜第 XI 編】 > 【次頁】 K 【第 XII 編〜第 XIV I編】 (完)

コンドミニアム法,1998 (コンドミニアム所有者保護法.2015)  【第 X 編〜第 XI 編】

Condominium Act, 1998 ( S.O. 1998, CHAPTER 19)
(Protecting Condominium Owners Act, 2015.)

目 次(CONTENTS) 【第 X 編〜第 XI 編】

第 X 編  (PART X)
共用部コンドミニアム管理組合 (COMMON ELEMENTS CONDOMINIUM CORPORATIONS))

138.設立 (Creation)
139.所有者の土地 (Owners' land)
140.宣言書の記載事項 (Contents of declaration)
141.説明書の記載事項 (Contents of description)
142.細分化の制限 (Subdivision control)
143.開示声明 (Disclosure statement)
144.損傷後の修繕と保険 (Repair after damage and insurance)

第 XI 編  (PART XI)
段階的コンドミニアム管理組合(PHASED CONDMINIUM CORPORATIONS)

145.管理組合の種類 (Type of corporation)
146.フエーズの設立 (Creation of phase)
147.公開声明書 (Disclosure statement)
148.ステータス証明書 (Status certificate)
149.管理組合の救済 (Corporation's remedy)
150.購入者の救済 (Remedy of purchasers)
151.地役権 (Easements)
152.引継ぎの義務 (Turn-over obligations)
153.フェーズに対する管理組合の義務 (Corporation's obligations for phase)
154.契約の終了 (Termination of agreements)

【訳注:】 第146条 (5) の 承役地(servient tenement)とは

第 X 編  (PART X )

共用部コンドミニアム管理組合
(COMMON ELEMENTS CONDOMINIUM CORPORATIONS)

 (設立 「Creation」)
138(1) 宣言者は、規則に従って、土地を区画に分割しない共用部として設立し、その旨、
     宣言書及び説明書に記載して登記することができる。

 (種別 [Type])
 (2) 第 (1) 項に基づく宣言書及び説明書の登記によって設立される管理組合の種類は共用部
    コンドミニアム管理組合(common elements condominium corporation. )と呼ばれるもの
    とする。

 (登記要件 [Requirements for registration])
 (3) 共用部コンドミニアム管理組合の宣言書及び説明書は、登記により、空地コンドミニアム管理
    組合ではないフリーホールドコンドミニアム管理組合が設立される場合を除き、又は本法に基
    づいて制定された規則に規定する場合を除き、段階的コンドミニアム管理組合が設立される
    場合を除き、登記することができない。
注: 布告によって指定される日に、法第 138 条第 3 項の末尾の「叉は、本法に基づいて制定され
    た規則に規定されている場合を除き、段階的コンドミニアム管理組合」を削除することによって
    修正される。

 (適用 [Application])
 (4) 本編及び規則に従い、第 I 編 から IX、XI 及び 第 XIV 編は、必要な修正を加えて共用部
    コンドミニアム管理組合に適用される。但し、以下の点は除く。
  (a) 区画叉は分譲予定区画への言及は、それぞれ、管理組合の共益(common interest)
    叉は管理組合の分譲予定の共益への言及とみなされる。
  (b) 区画の抵当権者への言及は、第 139 条 (1) に記載されている所有者の土地区画に付随する
    共益の抵当権者への言及とみなされる。及び
  (c) 区画に付随する共益への言及は、第 139 条 (1) に記載されている所有者の土地区画
    に付随する共益への言及とみなされるものとする。

 (その他の管理組合 [Other corporations])
 (5) 本編は、共用部コンドミニアム管理組合以外の管理組合には適用されない。

 (所有者の土地 「Owners’ land」)
139(1) 共用部コンドミニアム管理組合の宣言書は、管理組合の共益の所有者がそれぞれ
    以下の場合を除き、登記することができない。
  (a) 土地区画のフリーホールド不動産(freehold estate )も所有している場合、
   (i) そのフリーホール不動産は説明書に記載された土地に含まれていないこと、
   (ii) 規則に従って管理組合の説明書が登記されている土地登記所の土地所有権及び登記部門
      の境界内に位置していること、及び
   (iii) 土地所有権法(Land Titles Act )が適用されるか、善政法(Good Government Act, 2009 )
      別表 17 の第 2 条 (1) が発効する直前に、権利証法(Certification of Titles Act )に基づ
      いて権利証が登記されていること、及び
  (b) 所有者が第(2)(b)(i)項に記載の宣言書及び説明書の登記に同意することを記載した大臣指定
     の形式の証明書に署名していること。

 (共益と区分所有者土地の分離不可分 [Non-severable from common interest])
 (2) 共用部コンドミニアム管理組合の宣言書及び説明書の登記に際し、
  (a) 管理組合における所有者の共益は、所有者の土地区画に付随する。及び
  (b) 宣言者は、各所有者の土地区画に対して登記しなければならない。
  (i) (a) 項に含まれる情報を記載した大臣指定の形式の通知、及び
  (ii) (1) (b) 項に記載されている証明書の写し。

 (区画分割 [Division of parcel])
 (3)  規定に従い、所有者の土地区画が 2 つ以上の新しい区画に分割される場合、新しい区画の
    所有者は元の区画に付随する共益の共同所有者となる。

 (共益の維持 [Common interest preserved])
 (4) 他の法律にかかわらず、共用部コンドミニアム管理組合の所有者の土地区画が売却されたり、
    その区画に対して登記された抵当権(encumbrance)が執行されたとしても、管理組合に対
    する所有者の共益は分割清算若しくは分離されることなく、引き続き区画にとどまる。

 (先取特権 [Lien])
 (5) 所有者が共用部コンドミニアム管理組合の共益費負担義務を怠った場合には、その管理組合
    は所有者の土地区画に対して先取特権(lien)を有する。

 (同 [Same])
 (6) 先取特権は、第 85 条及び第 86 条の目的のための先取特権(lien)とする。

 (先取特権の優先順位 [Priority of lien])
 (7) 第 86 条にもかかわらず、抵当権者(encumbrancer)が別段の書面による同意をしない限り、
    先取特権(lien)は、所有者の共益に付随する所有者の土地区画に対して登記された
    抵当権(encumbrance)よりも優先されない。

 (宣言書の記載事項 「Contents of declaration」)
140 第 7 条 (2) の要件に加えて、共用部コンドミニアム管理組合の宣言書には以下を含める
    ものとする。
注:布告によって指定される日に、法第 140 条は、条項 (a) の前の部分の「第 7 条 (2)」の後に
    「及び規則の対象となる」を追加することによって修正される。
  (a) 共用部は所有者の使用と享受を目的としているという声明。
  (b) 第 139 条 (1) に記載されている土地区画の法的説明。及び
  (c) 規則が要求するその他すべての資料

 (説明書の記載事項 「Contents of description」)
141 第 8 条(1)(c)、(d)、(f)及び第 8 条(3)(b)は、共用部コンドミニアム管理組合の
    説明書には適用されない。

 (細分化の制限 「Subdivision control」)
142 計画法(Planning Act )第 50 条は、共用部コンドミニアム管理組合における共通の
    利益との取引に関しては適用されない。

 (開示声明 「Disclosure statement」)
143 第 72 条 (3) の要件に加えて、共用部コンドミニアム管理組合の共有の利益に関する
    開示報告書には、以下を含めるものとする。
  (a) 共益は管理組合の宣言書に記載された所有者の土地区画に付随しており、
    その区画の売却叉はその区画に対して登記された抵当権の執行の際にその区画から
    切り離すことはできないという声明。及び
  (b) この法律に基づいて制定された規則が要求するその他すべての資料
注:布告によって指定される日に、法第 143 条が廃止され、次の条項が置き換えられる。
 (開示声明 「Disclosure statement」)
143 第 72 条 (3) の要件に加え、共用部コンドミニアム管理組合の共益に関する開示
    報告書には、その共益が管理組合の宣言書に記載されている所有者の土地区画
    に付随しており、区画の売却時、叉は区画に対して登記された抵当権の強制執行時に
    区画から切り離すことはできないという声明を含めるものとする。

 (損傷後の修理と保険 「Repair after damage and insurance」)
144(1) 第 89 条及び第 90 条及び第 91 条 (a) 及び (d) は、共用部コンドミニアム管理組合
    には適用されない。
注:布告によって指定される日に、法第 144 条 (1) が修正され、「(d)」が削除され、「(c)」に
    置き換えられる。

 (損傷後の修理と点検 「Repair after damage and maintenance」)
 (2) 第 91 条 (b) 及び (c) 及び第 123 条に従うことを条件として、管理組合は損傷叉は故障後
    に共用部を修理及び交換し、それらを保守するものとする。
注:布告によって指定される日に、同法第 144 条 (2) が廃止され、次の条項が置き換えられる。
 (修理と点検 「Repair and maintenance」)
 (2) 第 91 条及び第 123 条に従うことを条件として、管理組合は、管理組合の共用部及び資産
    がある場合には、それらを修理し、維持するものとする。

 (保険 「Insurance」)
 (3) 第 99 条から第 105 条までの区画への言及は、共用部コンドミニアム管理組合には適用
    されないものとみなされる。

第 XI 編  (PART XI)

段階的コンドミニアム管理組合 (PHASED CONDOMINIUM CORPORATIONS)

 (管理組合の種類 [Type of corporation])
145(1) 以下の場合には、規則に従って、宣言者は宣言書及び説明書の登記後、本編に従って
     管理組合内に追加の区画叉は共用部を作成することができる。
  (a) 管理組合がフリーホールド(freehold)コンドミニアム管理組合であること。
注: 布告により指定される日に、同法第 145 条 (1) (a) は廃止される。
  (b) この法律に基づく規定に規定する場合を除き、管理組合が空地(vacant land )コンドミニアム
     管理組合又は共用部(common elements )コンドミニアム管理組合でないこと。
注: 布告により指定される日には、同法第 145 条 (1) (b) が廃止される。
  (c) 宣言書は、当該管理組合が段階的(phased)コンドミニアム管理組合であることを示している。
  (d) 説明書には、第 151 条の意味の範囲内で承役地(servient tenement  本文【訳注:】参照)
     となる土地の法的説明が含まれている。及び
  (e) 理事会が、宣言者が所有者数の過半数を所有していない時期に開催された所有者集会で
     選出された場合。

 (管理組合の種類 [Type of corporation])
 (2) 第 (1) 項に記載の基準を満たす管理組合は、段階的コンドミニアム管理組合
    (phased condominium corporation )と呼ばれるものとする。

 (用語の定義 [Definition])
 (3) この第 XI 編では、
    「フエーズ(“phase”)」」とは、宣言書と明細書の両方に対する修正の登記時に第 XI 編に従って
    作成される、段階的コンドミニアム管理組合(phased condominium corporation )の追加
    区画及び共用部を意味する。

 (適用 [Application])
 (4) この第 XI 編を条件として、第 I 編から IX 及び 第 XIV 編は、必要な修正を加えて段階的
    コンドミニアム管理組合に適用される。
注:布告によって指定される日には、同法第 145 条 (4) が廃止され、次の条項が置き
    換えられる。
 (適用 [Application])
 (4)  この第 XI 編を条件として、本法の他の部分は、特定の種類の段階的コンドミニアム管理
    組合に適用されないと特に規定していない限り、必要な修正を加えて段階的コンドミニアム
    管理組合に適用される。

 (同 [Same])
 (5) 第 (4) 項の目的のため、第13 、14 (1)、 22 (4)、 56 (11)、 58 (9)、 78 (1)、80 (6)、122 (1)、
    叉は (2)、124 (2) 叉は (3)、127 (1) 叉は (2) はフェーズの作成に必要な事項を追加して補正
    する場合、宣言書及び説明書の補正登記への参照であるとみなされる。

 (その他の管理組合 [Other corporations])
 (6) この第 XI 編は、段階的コンドミニアム管理組合ではない管理組合には適用されない。

 (フェーズの設立 [Creation of phase])
146(1) 区画を含むフェーズは、所定の期間内に、規定された要件に従って区画数のブロック内
    でのみ作成できる。

 (共用部を含むフェーズ [Phase containing common elements])
 (2) 共用部を含むフェーズは、所定の期間内に限り、規定された要件に従って作成できる。

 (作成方法 [Method of creation])
 (3) フェーズを作成するには、宣言者は宣言と明細書の両方に対する修正を登記しなければ
   ならない。

 (宣言書の修正 [Amendment to declaration])
 (4) フェーズの作成に必要な宣言の修正には、以下が含まれる。
注: 布告によって指定される日に、法第 146 条 (4) は、条項 (a) の前の部分の冒頭に
    「規則の対象となる」を追加することによって修正される。
  (a) フェーズの作成に必要な説明書の修正に対して、フェーズに含まれる土地叉は土地に
     付随する利益に対して抵当権(mortgage)を登記したすべての人の同意。
  (b) フェーズ設立後の管理組合内の区画に付随する共益の割合をパーセンテージで
     表した記述。
  (c) フェーズの設立後に所有者が負担することになる、管理組合内の区画に割り当てられる
    共通経費をパーセンテージで表される割合の明細書
注: 布告によって指定される日に、法第 146 条 (4) は次の条項を追加することにより
    修正される。
  (c.1) (b) 及び (c) 項に記載されている割合がどのように決定されるかについての記述。
  (d) 所有者全員ではなく、1 つ以上の指定区画の所有者によって使用されるフェーズに含ま
    れる共用部のすべての部分の仕様。
  (e) 承認当局が第 9 条に基づいてフェーズの作成に必要な説明の修正を承認叉は免除する
    際に、宣言書の修正に言及することを要求するすべての条件の声明。及び
  (f) 規則が要求するその他すべての資料

 (説明書の修正 [Amendment to description])
 (5) フェーズの作成に必要な説明書の修正には、以下が含まれる。
  (a) フェーズに関して準備された第 8 条 (1) に記載の重要事項
  (b) 第 151 条の意味における承役地(servient tenement )となる土地の法的説明。及び
  (c) 規則が要求するその他すべての資料

 (同 [Same])
 (6)  8 (2) 及び 8 (3) (b) は、修正に必要な修正を加えて適用される。

 (所有者の同意は不要 [Consent of owners not required])
 (7) 107 条は、 (4)に準拠する宣言の補正、叉は(5)及び (6) に準拠する明細書の補正には
  適用されない。

 建物の完成 [Completion of buildings])
 (8) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正は、すべての施設及びサービスが
  設置叉は提供されていない限り、管理組合の土地が所在する地方自治体、叉は土地が
  自治体内にない場合は、地方自治・住宅大臣として登記されないものとする。
  その後のフェーズが作成されない場合、管理組合の独立した運営を確保するために必要
  であると判断される。

 (保障 [Security)
 (9) 第(8)項にかかわらず、地方自治体叉は地方自治・住宅大臣が定める場合には、特定の
  施設やサービスが設置叉は提供されていない場合でも、宣言者はフェーズの作成に必要な
  宣言書及び説明書の修正を登記することができる。 場合に応じて、宣言者は施設及び
  サービスの設置叉は提供を保障するのに十分な保障金叉はその他の担保を特定の人物に
  提供することに同意する。

 (一部免除 [Partial release])
 (10) 債券叉はその他の担保を保有している者は、場合に応じて、地方自治体叉は地方自治
  ・住宅大臣の同意を得て、宣言者にその一部を免除することができる。

 (全免除 [Full release])
 (11) 保障金叉はその他の証券を保有している者は、次の場合までその全額を手放してはならない。
  (a) 保障金叉はその他の保障の対象となるすべての施設及びサービスが、規則に従って設置
     叉は提供されている。及び
  (b) 場合に応じて、地方自治体叉は地方自治・住宅大臣が同意する。

 (公開声明書 [Disclosure statement])
147(1) 第 72 条 (3) の要件に加えて、段階的コンドミニアム管理組合の区画叉は提案
     されている区画の開示報告書には、以下を含めるものとする。
  (a) 宣言者が区画叉は提案された区画の作成後に 1 つ以上のフェーズを作成するつもりか
     どうかの声明。
  (b) 宣言者は区画叉は提案された区画の設立後にフェーズを作成する必要がないという声明。
  (c) 宣言者が区画叉は提案された区画の設立後に作成する予定の各フェーズの作成に必要
     な宣言書及び説明書の修正の登記予定年を記載した声明。
  (d) 宣言者が区画叉は提案された区画の設立後に作成する予定の各フェーズについて説明する
     声明。
   (i) フェーズに含まれる区画のおおよその数とフェーズに含まれる土地の法的説明、
   (ii) フェーズに含まれる建物及び構造物のおおよその位置、及びフェーズに含まれる施設
      及びサービスの説明、
   (iii) フェーズの設立後の各区画に帰属する共通利益及び共通経費の割合をパーセンテージ
      で表した明細書
注:布告によって指定される日には、147 (1) (d) (iii) が廃止され、次のように置き換えられる。
   (iii) 146 (4) (b) 及び (c) に記載されている陳述、
   (iii.1) 146 (4) (c.1) に記載されている声明、
   (iv) フェーズの作成後に所有者が共有する施設とサービスの説明書、及び
   (v) 開示声明に明示的に記載されているもの以外に、建物の材質叉は外観に関していかなる
     表明も存在しないという声明。及び
  (e) この法律に基づいて制定された規則が要求するその他すべての資料。

注: 布告によって指定される日には、法第 147 条 (1) が修正され、条項 (c) の末尾に
  「及び」が追加され、(d) (v) 及び条項 (e) を廃止することによりサブ条項の末尾にある「及び」が
  削除される。

 (重大な変更ではない [Not material changes])
 (2) (1)(d)(i)項に記載の事項の変更及び番号の変更のみによる場合には(1)(d)(iii)項に記載の事項
    の変更フェーズに含まれる区画の変更は、第 74 条の意味における重大な変更とは見なされない
    ものとする。

 (ステートメントの統合はない [No merger of statements])
 (3) 第 (1) (d) 項に記載され、開示声明が関連する区画叉は提案された区画の設立後に作成された
    フェーズに関して開示声明の中で宣言者が行った声明は、開示声明に対して強制力を有する。
    宣言者は、登記可能な形式の証書が区画叉は提案された区画の購入者に交付された場合、
    法の運用により合併しないものとみなされる。

 (フェーズの義務 [Obligations for phase])
 (4) 区画叉は提案された区画がフェーズの一部である場合、
注: 布告によって指定される日には、法第 147 条 (4) が修正され、条項 (a) の前の部分の
    「フェーズ」の後に「規則の対象」が追加される。
  (a) 第 72 条 (3) 叉は (6)、第 74 条 (2) 叉は第 75 条 (1) の宣言及び明細書の登記への参照は、
    宣言の補正の登記への参照とみなされるものとする。フェーズの作成に必要な説明。及び
  (b) 第 75 条 (2) における第 111 条叉は第 112 条に基づく契約の終了への言及は、フェーズに
    含まれる資産に影響を与える第 111 条叉は第112 条に基づく契約の終了への言及とみなさ
    れるものとする。

 (開示声明の写し [Copy of disclosure statement])
 (5) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正を登記してから 15 日以内に、宣言者は、
    フェーズ内の区画の購入者に配信された最新の開示声明の写しを管理組合に送付するもの
    とする。

 (ステータス証明書 [Status certificate])
148 第 76 条 (1) の要件に加え、段階的コンドミニアム管理組合の区画のステータス証明書
    には、宣言者を除く区画を含むフェーズに関する当該管理組合が第 147 条 (5) に基づいて宣言
    者から受け取った開示声明の写しが含まれるものとする。、
  (a) 開示声明に記載されているすべてのフェーズを完了している。及び
  (b) 不動産への、不動産からの、叉は不動産内での電気通信を制御、促進、叉は提供するために
    設計された不動産の一部を除き、フェーズ中の区画を所有しなくなる。

 (管理組合の救済 [Corporation’s remedy])
149(1) 宣言者は、管理組合に提出してから少なくとも 60 日が経過するまでは、フェーズの
    作成に必要な宣言書及び説明書の修正を登記してはならない。
  (a) 宣言書及び説明書の登記前に、管理組合内の区画の購入者に配布された開示声明の写し。
  (b) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書に対する修正案の写し。及び
  (c) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正案と、(a) 項に記載された開示声明に記載
    されたフェーズに関する以下の事項との間のすべての相違点を明記した声明

注: 布告によって指定される日に、法第 149 条 (1) (c) は、第 1 項の前の部分の冒頭にある
    「指定する声明」を取り消し、「声明」に置き換えることによって修正される。規則に従って作成され、
    特定されているもの」。
   1. 第147条(1)(d)(ii)及び(iv)に記載の事項。
   2. フェーズに含まれる区画数の変更以外の理由で、フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書
     の修正案と異なる場合の、第 147 条(1)(d)(iii)に記載されている事項

 (差止申請 [Application for injunction])
 (2) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書に対する修正案の登記日のうち、いずれか早い方の
    日前と、(1) (a)、(b)、及び (c) 項に記載の文書を受領してから 60 日後、第(1)(c)項に記載されて
    いる差異のいずれかが重大であり、管理組合叉は所有者による資産の使用及び享受に悪影響
    を与える場合、管理組合は高等裁判所に登記差し止め命令を申請することができる。

 (差し止めの根拠 [Grounds for injunction])
 (3) 裁判所は、申請の理由が存在することに満足した場合、差止命令を認めるか、管理組合に対して
    損害賠償を与えることができる。

 (命令内容 [Contents of order])
 (4) 裁判所は、状況に応じて適切と考えるすべての条項を命令に含めることができる。

 (宣言者の制限 [Restriction on declarant])
 (5) 管理組合が第 (2) 項に基づいて差止命令を申請した場合、宣言者は、フェーズに含まれる土地に
    管理組合を設立するための宣言及び説明書を登記する代わりに、必要な補正を登記する権利を
    有しない。裁判所が差し止め申請に対する最終処分を下してから 120 日が経過しない限り、
    フエーズを作成することはできない。

 (購入者の救済 [Remedy of purchasers])
150(1) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正を登記してから 15 日以内に、
    宣言者は修正の写しを管理組合及び所有者に送付するものとする。

 (宣言者による損害賠償 [Damages from declarant])
 (2) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の補正登記前に管理組合内の区画叉は提案された
    区画を購入した者は、相違が重大で、その人の区画の使用と享受に悪影響を与える場合は、
    その人に送付された宣言書及び説明書と登記された補正内容で以下の事項との差額について
    宣言者に対し損害賠償を請求する権利を有する。
  1. 147(1)(d)(ii)及び(iv)に記載の事項。
  2. フェーズに含まれる区画数の変更以外の理由で登記された補正と異なる場合の147 (1) (d) (iii)
     に記載されている事項

 (裁判所命令 [Court order])
 (3) 本人の申請に応じて、高等裁判所は、宣言者に対し、第 (2) 項に基づいてその人が受ける権利
     のある損害賠償をその人に支払うよう求める命令を下すことができる。

 (地役権 [Easements])
151(1) 段階的コンドミニアム管理組合の宣言書及び説明書の登記、叉はフェーズの作成に
     必要な宣言書及び説明書の修正の登記に際し、必要に応じて、区画及び共用部の利益のために、
     以下の地役権(easement)が作成される。
  1. 承役地(servient tenement)に対するサービスの提供のための地役権。
  2. 承役地からのサポートを受ける地役権。
  3. 管理組合が承役地上で使用する権利を有するサービス及び施設へのアクセス、及びその設置
     及び保守のための地役権。
  4. 承役地の上に公道にアクセスするための地役権

 (用語の定義 [Definition])
 (2) 第 (1) 項では、
    「承役地(“servient tenement” )」とは、宣言者が所有する土地であって、その土地上の建物や
    構造物を含むフェーズに含まれない土地を意味する。

 (引継ぎの義務 [Turn-over obligations])
152 (1) 第 43 条(4) に記載された事項に加え、宣言者は第 43 条に基づいて開催される最初
    の集会で理事会に提出するものとする。
  (a) 第 147 条 (1) に記載されている陳述書の写し。及び
  (b) 規則が要求するその他すべての資料

 (フェーズ作成時の義務 [Obligation upon creation of phase])
 (2) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正を登記する際、宣言者は下記のフェーズに関係
    する重要事項を理事会へ引継ぎ(turn over )を行わなければならない。
  1. 宣言者は、(1), 43 (4), 43 (5) (a)から (g) 及び (l) と (m)に記載されているすべての資料
  2. 宣言者が コンドミニアム所有者保護法(Protecting Condominium Owners Act, 2015 )36 (7)項
    が発効する以前に、43 (5) (h)に記載の重要事項に従って理事会に提出していない資料
注:布告によって指定される日に、同法第 152 条 (2) が廃止され、次の条項が置き換えられる。
 (2) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正を登記する際、宣言者は、フェーズに関連し、
    宣言者がこれまで理事会に提出していない以下の資料を理事会に提出するものとする。
  1.  (1)項及び第 43 条 (4)、ならびに第 43 条 (5) (a) から (g) 及び (l) 及び (m) に記載されている
    すべての資料。
  2.  規則に従い、 コンドミニアム所有者保護法(Protecting Condominium Owners Act, 2015 )
    36 (7)項が発効する日の直前に読み上げられる第 43 条 (5) (h) に記載されている資料

 (第43条の非適用 [Non-application of s. 43])
 (3) 宣言者が第 (2) 項に記載の資料を理事会に提出した後、理事会が第 43 条に基づいて所有者
    集会を開催する必要がある場合、第 43 条(4) 及び (5) は宣言者には適用されない。

 (適用 [Application])
 (4) 管理組合は、第 (5) 項に基づく命令を高等裁判所に申請することができる。

 (裁判所命令 [Court order])
 (5) 宣言者が第 (2) 項に従う必要があることに裁判所が納得しており、正当な理由なくそうしなかった、
    場合裁判所は、
  (a) 宣言者に対し、宣言者による第 (2) 項の不遵守行為の結果被った損失について管理組合に
    損害賠償を支払うよう命令するものとする。
  (b) 宣言者に対し、管理組合の申請費用の支払いを命じるものとする。
  (c) 宣言者に対し、管理組合に 10,000 ドルを超えない追加金額を支払うよう命令することができる。及び
  (d) 宣言者に対し、第 (2) 項に従うよう命令することができる。

 (理事の選任 [Election of directors])
 (6) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正登記後 30 日が経過し、宣言者が管理組合の
    区画の過半数を所有している場合、理事会は宣言者の要請に応じて集会を招集するものとする。
    所有者は新しい理事会を選出し、第 43 条 (1) の要求に従って理事会が選出されるまでその
    理事会がその任に就くことになる。

 (フェーズに対する管理組合の義務 [Corporation’s obligations for phase])
153(1) 宣言者がフェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正を登記し、そのフェーズに
    居住用の 1 つ以上の区画が含まれる場合、理事会はそのフェーズに含まれる共用部に関する
     管理組合の業務監査(performance audit )を代理で実施するものとする。

 (第44条の適用 [Application of s. 44])
 (2) 第 44 条は、以下の場合を除き、業務監査(performance audit )に適用される。
  (a) 同条における宣言及び明細書の登記への言及は、補正の登記への言及とみなされるものとする。
    及び
  (b) そのセクションにおける共用部への言及は、フェーズに含まれる共用部への言及とみなされる。

 (財務諸表 [Financial statements])
 (3) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正登記から 90 日以内に、管理組合は第 66 条 (2)
    で要求される財務諸表を作成し、第66 条から第 71 条が適用される。

 (積立金の検討 [Reserve fund study])
 (4) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正登記後の所定の期間内に、管理組合はフェーズ
    に関して第 94 条に従って積立金調査を実施するものとする。

 (契約の終了 [Termination of agreements])
154(1) 第 (2) 項に従い、フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正登記後、管理組合は
    理事会の決議により、フェーズに含まれる財産の内容、及び宣言者が修正の登記前に管理組合を
    代表して締結した財産の内容についてコンドミニアム管理サービスを受ける契約を終了することが
    できる。

注: 布告によって指定される日に、第 154 ( 1 )が修正され、「宣言書、管理規約、契約、叉は (2)項
    の後の文書の内容にもかかわらず」が追加される。
注: 布告によって指定される日に、同法の第 154 条 (1) は廃止され、次の内容に置き換えられる:
    この修正は、コンドミニアム所有者保護法(Protecting Condominium Owners Act, 2015)附則 1 の
    131 (1)が同法の附則 2 の第 80 (19) が発効する日、叉はその前に発効した場合にのみ適用される。

 (契約の終了 [Termination of agreements])
154(1) 第 (2) 項に従い、宣言書、管理規約、契約叉は文書の内容に関係なく、フェーズの作成に
    必要な宣言書及び説明書の修正を登記した後、管理組合は決議により、理事会は、フェーズに含ま
    れる不動産に関して、宣言者が修正登記前に管理組合に代わって締結したコンドミニアム管理
    サービスを受ける契約を終了することができる。

 (通知 [Notice])
 (2) 契約を終了するには、理事会は少なくとも 60 日前までに、宣言者が契約を締結した相手に終了日
    を書面で通知するものとする。

 (その他の契約 [Other agreements])
 (3) 第 (4) 条及び第 112 条 (5) に従い、フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正登記後、
    第 43 条に基づく最初の理事会の選出後 12 か月以内に、管理組合は次のことを行うことができる。
    理事会の決議により、宣言者が修正の登記前に管理組合を代表して締結し、フェーズに含まれる
    資産に影響を与える第 112 条 (2) に記載の契約を終了する。
注:布告によって指定される日には、同法第 154 条 (3) が廃止され、次の条項が置き換えられる。

 (その他の契約 [Other agreements])
 (3) 第 (4) 条、第 112 条 (5) 条及び規則に従うことを条件とし、宣言書、管理規約、契約叉は文書の
    内容にかかわらず、第 43 条に基づく最初の理事会の選出後 12 か月以内にフェーズの作成に
    必要な宣言書及び説明書の修正の登記を行う場合、管理組合は理事会の決議により、第21.1 項
    で言及されている合意を除き、フェーズに含まれる資産に影響を与える修正の登記前に宣言者が
    管理組合に代わって締結した第 112 条 (2) に記載の契約を解除することができる。

 (通知 [Notice])
 (4) 契約を終了するには、理事会は少なくとも 60 日前までに、宣言者が契約を締結した相手に終了日を
    書面で通知するものとする。
注:布告によって指定される日には、法第 154 条 (4) が修正され、「契約を終了する」の後に「第 (1) 項
    叉は (3) 項に基づく」が追加される。
注: 布告によって指定される日に、法第 154 条は次のサブセクションを追加することによって修正される。

:

 (免責 [No liability])
 (4.1) 管理組合が第 (1) 項叉は (3) 項に基づいて契約を終了した場合、管理組合及びその理事、役員、
    所有者は以下の責任を負わない。
  (a) 解除に関するあらゆる義務(キャンセル料、管理料、期限前支払い叉はその他の料金、違約金
    叉は手数料として発生するとされる義務を含む)。
  (b) 規則に別段の定めがある場合を除き、契約終了後の期間に関する契約に基づく金銭的義務。叉は
  (c) その他の所定の結果

 (相互利用契約 [Mutual use agreements])
 (5) フェーズの作成に必要な宣言書及び説明書の修正の登記前に、管理組合を代表する宣言者が施設
    叉はサービスの相互使用、提供叉は保守、叉は費用負担に関する契約を締結した場合、及び、
    協定がフェーズに含まれる資産に影響を与える場合、協定の当事者は、修正の登記後、第 43 条
    に基づく最初の理事会の選出後12 か月以内に、第(6)項に基づき、高等裁判所に命令を申請する
    ことができる。
注: 布告によって指定される日には、同法第 154 条 (5) が廃止され、次の条項が置き換えられる。

 (相互利用契約 [Mutual use agreements])
 (5) 管理組合を代表する宣言者が、土地、不動産の一部、叉は提案されている資産、管理組合の資産
    の提供、使用、保守、修理、保険、運営叉は管理を共有する契約を締結した場合、フェーズの作成
    に必要な宣言書及び説明書の修正を登記する前に、管理組合叉は施設叉はサービスを変更するこ
    とができ、協定がフェーズに含まれる資産に影響を与える場合、協定の当事者は、最初の選挙から
     12 か月以内に、協定の締結を行うことができる。修正の登記後、第 43 条に基づく委員会は、規則
    に別段の定めがない限り、第 (6) 項に基づく命令を高等裁判所に申請する。

 (裁判所命令 [Court order])
 (6) 裁判所は、第 113 条 (3) の要件が満たされる場合、同条に記載の命令を下すことができる。

第 \ 編  (PART \)

【訳注:】 146 (5) の 承役地(servient tenement)とは、

地役権(easement)とは用益物権の一つ (日本の民法280条に規定)


日本の民法第280条(地役権の内容)
「地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利 を有する。但し第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しない ものでなければならない。」

カナダ・コンドミニアム法の規定
(1) Condominium Law 第151条(地役権) では、承役地(servient tenement)に対する4つのパターン
 (要役地に対する承役地の義務として、@サービスを提供、Aサポートを与える、Bアクセス、及び施設の
 設置と保守への便宜を与える、C公道へのアクセスを保障する)を設けています。

(2) REGULATION 48/01(コンドミニアム法施行規則 ) 第47条(用語の定義)では、下記のように定義されています。
  47.この第7編 (PART Z) 「段階的コンドミニアム管理組合」 の用語において、
  「承役地(“servient lands” )」とは、土地の建物や構造物を含む、管理組合で作成する権利がある
  すべてのフェーズ(段階)を含む宣言書及び説明書の登記時、又は宣言書及び説明書の最新の修正
  の登記時には管理組合の資産(property)に含まれていない、宣言者が所有する土地を意味する。」

上の図では、甲が所有権を有する土地が袋地(他の土地に囲まれて公道に通じない土地)で、 乙が所有権を有する土地が囲繞地(いにょうち=袋地を囲んでいる土地)なので、甲は償金を1年毎に乙に払って 乙の土地を通行することができます。この便宜を受ける甲の土地を要役地(dominant land or dominant tenement), 便宜を提供する乙の土地を承役地(servient land or servient tenement)といいます。

"dominant"は「優位にある」,"servient" は古期フランス語「仕える者」、"tenement"は(借用者 (tenant) の保有する) 借地, 借家の意味で、主役地(主役借地)、脇役地(借地提供脇役地)のニュアンス(nuance)です。


【注】 本訳原典は、2024年5月1日現在のコンドミニアム法(電子公告版)です。