(5) 【判決】訴えを却下(DISMISSAL ORDER)(2022 ONCAT 5)
【年度別目次】 (2021) (2022) (2023) (2024)
No. | 事件番号 | 内容 | 判決日 |
---|---|---|---|
(5) | 2022 ONCAT 5 | (5)【判決】訴えを却下(名誉役員の選任) | 2022年1月14日 |
(6) | 2022 ONCAT 107 | (6)【判決】訴えを却下(エアコンの排水ドレン) | 2022年10月11日 |
事件の概要
(5) 理事会の名誉役員の選任はニューサンスを構成しない。訴えを却下
(6) エアコンの排水ドレンはニューサンスを構成しない。訴えを却下
(5) 【判決】訴えを却下 (DISMISSAL ORDER)(2022 ONCAT 5)
CONDOMINIUM AUTHORITY TRIBUNALDATE: January 14, 2022
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コンドミニアム裁判所(CONDOMINIUM AUTHORITY TRIBUNAL)
判決日: 2022年1月14日
事件番号: 2021-00422R
事件名: ラーマン対 ピール スタンダード コンドミニアム管理組合(登記番号779), 2022 ONCAT 5
準拠法令: 共同住宅法1998 1.41
裁判官 イアン・ダーリング(コンドミニアム裁判所議長判事)
原 告: アキブ・ラーマン/本人弁護
被 告: ピール スタンダード コンドミニアム管理組合(登記番号779)(”PSCC779”と略)
【判決】訴えを却下 (DISMISSAL ORDER)
[1] この判決は、コンドミニアム裁判所 (CAT) の拡大された管轄権の下での最初の判決である。
判決は、申立てについて議論し、CAT が係争中の問題に対処する権限を持たない理由を
説明する。
[2] CAT の裁判権の事物管轄はコンドミニアム法施行規則179/17に概説されており、申立てが
提出されてからこの決定が発表されるまでの間に事物管轄が拡大された。原告は、 2021年
12月14日に訴状を提出した。訴状は、ペットと動物、車両、駐車場と保管に関連する準拠
文書紛争として提出された。訴状は12月に提出されたが、原告は、訴状を拡大された裁判
権管轄下で検討されることを要求した。
[3] 2022年1月1日現在、CAT の管轄は、1998 年コンドミニアム法(「法」) の117 (2) に基づく紛争
を含むように拡大された。この管轄権は、不当な迷惑、煩わしさ、または混乱に関連している。
管轄権はさらに制限されており[*1]、規制で概説されている特定の迷惑行為を含めるように
なっている。所定の迷惑行為とは、騒音、臭気、光、振動、煙、蒸気、およびコンドミニアム
管理組合の運営文書の条項に規定されているその他の種類の迷惑行為、不快感、混乱に
関する紛争である。
(原注 [*1] See the Condominium Act (1998) s. 117(2) and section 26 of Ontario
Regulation 48/01
[4] 訴状の請求の要旨には、次の事件の説明が含まれていた。
私は、PSCC779管理組合の役員が不適切な根拠に基づいて任命されたことについて
この訴えをCATに申請します。PSCC779 の規約または宣言書には明確に規定されて
いない用語(名誉副会長、及び、名誉幹事長)を用いて、区分所有者他への通知や
「名誉役員」を任命するための適切な投票方法なしに、共用部の掲示板全体に掲示
されたことを示す添付別紙の甲証1を参照してください。.
私たちの年次総会で、新たに任命された名誉副会長の 1 人が、投票総数が適正だったのか、
彼女は選出されるべきだったのかという問題を提起しました。この名誉役員の不適切な任命
についての私の見解は、年次総会で新しく選出された役員の実際の投票を隠蔽することで
選出が不適切に行われた可能性があります。
このコンドミニアムでは、私のような区分所有者の利益を透明かつ明確な方法で保護してい
ないため、このコンドミニアムのガバナンスは非常に混乱しています。
私はここに資産としてのコンドミニアムを所有しているので、この問題に直接関心が
あります。これは消費者保護の利益(公益)でもあり、CAT は政府指定の行政機関です。
私は添付甲証2によって理事会にこの問題を提起しましたが、回答は今から 1 年後の
次の年次総会まで保留とされ、私の資産のガバナンスが不適切に編成された理事会の手
に委ねられています。私は、新たに不適切に任命された「名誉役員」の 1 人が、その経験
から、副会長ではなく会長である可能性があることに同意しますが、投票または同意なしに
不適切に任命されたとしても、これらの名誉役員は、自らの関与からさらに不適切な事態が
発生した場合、権限を持たず、責任を問われることさえありませんが、これは、ガバナンス
の原則/規則に違反しています。
私の見解では、このような任命は、既存の理事会に適用される受託者の信頼と義務
に対する違反であり、したがって、交代が必要な場合、または他の役員を無作為に任命
する必要がある場合、既存の理事会を入れ替え、または解任することは有効です。
この訴状は、実際には CAT の現在の裁判権管轄下で申請していますが、CAT が新たに
指定した管轄権が発効する 1 月 1 日にさらに処理されることも意図されています。
この申請書は 法第 117 条にも該当します。別紙甲証 3 および 4 を参照してください。
[5] コンドミニアム法施行規則 19.1 に基づき、CAT は、紛争を審理または決定する法的権限
がないと判断した場合、申請を却下することができる。訴状を受け取った後、CAT は紛争
の範囲に関する懸念を特定した。CAT は、2021年12月17日に却下の意図の通知を送信
し、次の理由でこの申請を却下することを提案した。
1. 原告は、被告マンション管理組合の準拠文書に関する紛争として申立てを行った。
2. 紛争は、被告管理組合の理事会の選挙、任命、および統治に関連している。
ペット、動物、車両、駐車および/または物品の保管を禁止、制限、またはその他の
方法で管理するコンドミニアム管理組合の統治文書の規定は確認されていない。
3. 係争中の問題は、オンタリオ規則 179/17 に規定されているように、CAT の管轄外に
ある。
4. 2022年1月1日に発効したオンタリオ規則 179/17(訳注:コンドミニアム裁判所の権限
と管理運営規定) の修正に照らして、紛争は依然としてCAT の修正された管轄外に
あるように思われる。
[6] 当裁判所は、原告に2022年1月7日までに通知に応答するよう要求した。
原告は通知に応答しなかった。
[7] 訴状は2022年1月1日より前に提出されたが、訴状が拡大された管轄下で受理される
べきかどうかを検討した。CAT に訴えを受理するよう求める際、原告は、この紛争は
O.Reg 179/17の 1. (1) d (iii.2) に基づく紛争と見なされるべきであると主張する。
この条項は、「コンドミニアム管理組合の統治文書の規定に定められたその他の種類の
迷惑行為、煩わしさ、または混乱」に対する管轄権を CAT に付与している。
原告は、理事会の役割を管理する規則が管理組合の統治文書で確立されているため、
この条項が関連していると主張する。
[8] 原告は、当裁判所が訴えを処理する権限を持っているという真の信念を持っている。
しかし、原告は間違っている。
原告は、理事会のガバナンスと選挙の慣行について懸念を表明した。
訴えの内容は「名誉役員」の任命に関するもので、役員の役割が統治文書に概説されて
いるのは事実かもしれない。しかし、名誉役員の理事会への任命に関する主張が真実で
あると裁判官が認めたとしても、争われている問題は CAT の管轄外である。
この訴えについては、法律の s.117(2) またはs. O.Reg 48/01の26. さらに、この訴えの
争点は、コンドミニアム管理組合の統治文書の条項に記載されている迷惑、煩わしさ、
または混乱として特定されていない。従って、裁判官はこの訴えを却下するよう命じる。