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3.1 管理組合に係る諸税

Q:「税金に関して区分所有法で管理組合は公益法人とみなすとなっているから、税金は関係ないでしょ?」
A:「基本的にはそうですが、注意すべき点が幾つかあります。そこをきちんと押さえておきましょう。」

3.1.1 管理組合に係る諸税

課税制度の概要について、管理組合に関係する点だけを挙げてみます。

(1) 法人でない管理組合と税金

 法人でない社団等は、「法人でない社団又は財団で代表者又は管理者の定めがあるものを云う」とされています。(法人税法第2条第8号)

法人でない管理組合は、収益事業を行わない場合に限り、法人税法上は「法人でない社団」として、公益法人と同様の取扱いがなされ、 非収益事業の所得に対しては課税されません。

法人税法第三条により、「法人でない社団等」は法人税の納税義務者となり、所得税、国税通則法、租税特別措置法においても 「法人でない社団等」は法人としてこれらの法律を適用し、納税義務を負うことになりますが、ただし、公益法人等及び法人でない社団 についてはすべての事業について課税されるのではなく、公益法人等と同じように特定の収益事業から生じた所得に対してのみ課税 が行われ、それ以外の非収益事業については課税の対象としない取扱いになっています。(法人税法第4条第1項、第7条)

つまり、共益費や組合費など維持管理に必要な共通の費用を組合員が分担して負担し、必要な事業を行うことは、非収益事業となり、 法人税は課税されません。

(2) 管理組合法人と税金

「区分所有法」第47条(注)に規定する法人登記をした「管理組合法人」は、法人でない管理組合より不利になることを避けるため、 区分所有法47条13項及び14項の規程により、法人税法及び消費税法上は公益法人等として取り扱われることとされています。 (法人税法第2条・区分所有法第47条第13項、14項)。
但し地方税の扱いは別になります。「管理組合と地方税参照」

(注)平成14年の改正で区分所有法第47条第1項にあった「区分所有者の数が30人以上であるもの」の制限が削られ、 30人未満の区分所有者からなる小規模マンションでは法人化できなかった制限が撤廃されました。
ただし、その他の設立要件(集会において区分所有者および議決権の各4分の3以上の賛成が必要等)の変更はありません。

(3) 寄附金の損金不算入は普通法人扱い

 寄附金の損金不算入額は、寄附金の内容によって異なります。法人税法37条では公益法人等の寄附金の損金不算入について、 一定の特別な取り扱いを定めていますが、管理組合法人については公益法人等の寄付とは認めずに、普通法人としての寄付として 取り扱います。(区分所有法第47条13項後段)

(4) 収益事業所得に対する税率は普通法人扱い

法人税法66条(各事業年度の所得に対する法人税の税率)では、普通法人、人格のない社団、公益法人等と協同組合等に 区分して、法人税の税率を定めていますが、この規定の適用では管理組合法人は、非収益事業では課税されませんが、 収益事業所得に対しては普通法人並に課税されます。(区分所有法第47条13項後段)

(5) 地方税

(都)道府県民税及び(区)市町村民税の各均等割及び法人税割が課せられるが、管理組合法人は法人税割の課税標準である 法人税額は収益事業所得のみを基準として定められる。

(6) 事業税

(都)道府県は、管理組合法人及び団地管理組合法人並びにマンション建替組合の事業の所得又は収入金額で収益事業に 係るもの以外のものに対しては、事業税を課することができない。(地方税法72条の5)

区分所有法(昭和三十七年四月四日法律第六十九号)(平成23年6月24日法律第74号改正)
第47条13項
13  管理組合法人は、法人税法 (昭和四十年法律第三十四号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、 同法第二条第六号に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第三十七条 の規定を適用する場合には 同条第四項 中「公益法人等」とあるのは「公益法人等(管理組合法人並びに」と、同法第六十六条 の規定を適用する場合には 同条第一項及び第二項 中「普通法人」とあるのは「普通法人(管理組合法人を含む。)」と、同条第三項 中「公益法人等(」 とあるのは「公益法人等(管理組合法人及び」とする。

第47条14項
14  管理組合法人は、消費税法 (昭和六十三年法律第百八号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、 同法 別表第三に掲げる法人とみなす。

(7) 法人税

法人税法(昭和四十年三月三十一日法律第三十四号)(平成25年6月26日法律第63号改正)
第2条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  国内 この法律の施行地をいう。
二  国外 この法律の施行地外の地域をいう。
三  内国法人 国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。
四  外国法人 内国法人以外の法人をいう。
五  公共法人 別表第一に掲げる法人をいう。
六  公益法人等 別表第二に掲げる法人をいう。
七  協同組合等 別表第三に掲げる法人をいう。
八  法人でない社団等 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。
九  普通法人 第五号から第七号までに掲げる法人以外の法人をいい、法人でない社団等を含まない。
(以下省略)

(法人でない社団等に対するこの法律の適用)
第3条  法人でない社団等は、法人とみなして、この法律(別表第二を除く。)の規定を適用する。

第二章 納税義務者
第4条  内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。 ただし、公益法人等又は法人でない社団等については、収益事業を行う場合、法人課税信託の引受けを行う場合又は 第八十四条第一項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する退職年金業務等を行う場合に限る。

(内国公益法人等の非収益事業所得等の非課税)
第7条 内国法人である公益法人等又は人格のない社団等の各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得 については、第五条(内国法人の課税所得の範囲)の規定にかかわらず、各事業年度の所得に対する法人税を課さない。

 収益事業を行った場合の法人税の税率

法人税法第二節 税額の計算
第一款 税率 (各事業年度の所得に対する法人税の税率)
第六十六条  内国法人である普通法人、一般社団法人等(別表第二に掲げる一般社団法人及び一般財団法人並びに 公益社団法人及び公益財団法人をいう。次項及び第三項において同じ。)又は人格のない社団等に対して課する各事業年度 の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に百分の二十五・五の税率を乗じて計算した金額とする。
2  前項の場合において、普通法人のうち各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が一億円以下であるもの 若しくは資本若しくは出資を有しないもの、一般社団法人等又は人格のない社団等の各事業年度の所得の金額のうち年八百万円 以下の金額については、同項の規定にかかわらず、百分の十九の税率による。
3  公益法人等(一般社団法人等を除く。)又は協同組合等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、 各事業年度の所得の金額に百分の十九の税率を乗じて計算した金額とする。

(8) 消費税

消費税法(昭和六十三年十二月三十日法律第百八号)(平成25年6月26日法律第63号改正)
(人格のない社団等に対するこの法律の適用)
第三条  人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(第十二条の二及び別表第三を除く。)の規定を適用する。

3.1.2 管理組合に係る諸税

国税・地方税の税目

(注)管理組合に係る諸税は下線(アンダーライン)で表示しています。

国  税 地 方 税 国  税地 方 税

所得課税

所得税

法人税

地方法人特別税

復興特別所得税

復興特別法人税

個人住民税

個人事業税

法人住民税

法人事業税

道府県民税利子割

道府県民税配当割

道府県民税株式等
譲渡所得割

消費課税

消費税

酒税

たばこ税

たばこ特別税

揮発油税

地方揮発油税

石油ガス税

自動車重量税

航空機燃料税

石油石炭税

電源開発促進税

関税

とん税 (※)

特別とん税

地方消費税

地方たばこ税

軽油引取税

自動車取得税

ゴルフ場利用税

入湯税

自動車税

軽自動車税

鉱産税

狩猟税

鉱区税

資産課税等

相続税・贈与税

登録免許税

印紙税

不動産取得税

固定資産税

都市計画税

事業所税

特別土地保有税

法定外普通税

法定外目的税

※ 「とん税」は外国貿易船の日本への入港に対し船のトン数に応じて課される税金のこと。
   豚税ではない。

(参考)税の分類

1. 「どこに納めるかによる分類」:「国税」=国に納める税、「地方税」=地方公共団体に納める税

 (注) 地方法人特別税は税目分類上は国税ですが、徴収実務は地方税扱いとなります。平成20年度の税制改正により、地域間の税源偏在を是正するため、 消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでの間の暫定措置として、法人事業税の一部を分離し、 従来の法人事業税の一部を国税として徴収し、人口及び従業員数を基礎として国が都道府県に 財源を再分配することを目的とする地方法人特別税が創設されました。但し、国税通則法、国税犯則取締法の適用が無く、 国税徴収法上も制度の運用は地方事業税と同じ取扱いで、賦課徴収は都道府県が行い、法人事業税とともに徴収します。

2. 「納め方による分類」:「直接税」=税を納める人と負担する人が同じ税金、「間接税」=税を納める人と負担する人が異なるもの」 (例)消費税は、消費者が負担し、事業者が納めるため、間接税

  直接税 間接税
国税 所得税、法人税、相続税、贈与税など 消費税、酒税、たばこ税、関税など
地方税 道府県税 道府県民税、事業税、自動車税など 地方消費税、道府県たばこ税、ゴルフ場利用税など
市町村税 市町村民税、固定資産税、軽自動車税など 市町村たばこ税、入湯税など


3. 「何に対して課税するかによる分類」:「所得課税」=個人や会社の所得に対して課税(所得税や法人税)、 「消費課税」=物品の消費やサービスの提供などに対して課税(消費税や酒税、たばこ税)、「資産課税等」=資産などに対して課税(相続税や固定資産税)。