「管理組合の運営」目次 > 「住宅宿泊事業法と管理組合」目次 > 1. 民泊と経済政策  > 【次頁】2. 民泊と宿泊需給状況

1. 民泊と経済政策

「開発計画」から「特区」へ (経済政策の転換過程)

 民泊を巡る法制度は、政府が訪日外国人(インバウンド)需要を取り込む経済政策としての議論からスタートし、 2016年(平成28年)規制緩和を掲げて地域を限定した特区民泊を開始しました。

次いで民泊を全国レベルに拡大するための民泊新法の制定の検討に入り、 違法民泊がすでに犯罪の温床として社会問題になっていた背景から、 2017年(平成29年)6月16日公布・2018年6月15日施行の民泊新法では社会秩序維持の観点からの新たな規制が盛り込まれました。

一方で自治体条例では、農村部における過疎対策としての民泊推進条例と、都市部における生活環境を守るための民泊制限条例の二つの流れが並存しています。

この章では政府の住政策を時代ごとの「国家経済政策」の流れからみていきます。

1. 戦後の経済政策

1. 「開発計画」から「特区」へ

(1) 戦後〜1990年代のバブル崩壊まで (官僚的中央集権による拠点投資開発計画)

 戦後の中央統制計画経済から、復興が進んだ1960年代に至るまで、官僚的中央集権による拠点投資開発計画が続きました。

 許認可制度を通じた国家による統制・官僚的中央集権とは何でも役人が決めることで、 国民の生活水準が劣悪なときはそれなりにうまくいっていましたが、 社会が成熟してくるに従い、徐々に行き詰まりを見せ始めます。下記は1960年代〜1990年代までの開発計画です。
1962年「全国総合開発計画」、1969年「新全国総合開発計画」(新全総)、 1977年「第三次全国総合開発計画」(三全総)、 1987年「第四次全国総合開発計画」(四全総)・「総合保養地整備法(リゾート法)」・・等々 詳しくは、
 「高齢化社会を考える」> (1)現在の高齢者が生きてきた時代背景 参照

(2) 1990年代〜失われた20年 (財源と権限の裏付けなき地方分権から特区制度の創設へ)

 やがて1990年代、バブル崩壊で財政が逼迫した結果、「財政再建」「地方行革」が強調され、 財源に裏付けられる国家責任は後退し、1995年「地方分権推進法」、 1999年「地方分権一括法」が成立するものの、 中央集権から地方への実質的な権限委譲による分権化、民営化、規制緩和は進まず、 財源と権限の裏づけのない責任だけが地方に移譲されていきます。

従来の国の地域振興策は、政府作成の補助金付き振興策によるもので、 住民の要請に市町村や県が自らの知恵と努力で対応するというよりも、国に補助金を要請する陳情が常態化していました。

中央官庁の官僚が地方の要請に応じて知事選に出馬し、就任することが当たり前になっていったのも、 地方が中央とのパイプ(振興策と補助金)を求めていたからです。

2003年(平成15年)「構造改革特区」創設
2001年(平成13年)4月〜2006年(平成18年)9月の小泉政権下のもとで、 2003年(平成15年)に創設された都市再生、 構造改革特区に始まる一連の制度改革の取り組みにより、地域の提案に基づき、 国の規制制度や税財政制度に関する特例的な制約の緩和が実現し、 地域主導のガバナンス(政策形成・運営による統治)の可能性が高まっていきます。
詳しくは、「特区制度の概要」参照

住宅建設五箇年計画(昭和41年度より8次にわたり策定:8次計画は平成17年度で終了)

2006年(平成18年)「住生活基本法」成立、住生活基本計画(全国計画)決定
それまでの耐震偽装問題などで行き詰まった住宅政策の転換を目指して、2006年6月、 「住生活基本法」が成立。9月には同法の規定に基づき、住生活基本計画(全国計画)が閣議決定されました。

この計画により、国、地方公共団体は、住生活の安定の確保及び向上の促進のために必要な施策を講ずること、 成果指標(耐震化率、バリアフリー化率、省エネ化率、住宅性能表示実施率など) 住生活の安定の確保及び向上の促進に関するアウトカム目標を設定することとしていました。

この計画では、「安全・安心で良質な住宅ストック・居住環境の形成、住宅の取引の適正化、 流通の円滑化のための住宅市場の環境整備等」を謳(うた)いながら、実際には住宅市場の正常化は機能せず、 その後も建築業界の偽装は続いていきます。
詳しくは、 今、建築業界で何が起きているのか

(3) 2010年代〜 (特区制度を拡大していった時代)

小泉政権下で2003年(平成15年)に創設された特区制度は、その後、2007年福田政権下での道州制特区、 2011年管政権下で発生した大震災対策の震災復興特区、 2011年野田政権下での総合特区の創設、2012年12月発足の第二次安倍政権下で総合特区の中の地域活性化特区の追加認定、 更に、2013年国家戦略特区創設へと拡大していきます。

「助けて欲しければ知恵を出せ。知恵を出さないやつは助けない」
2011年7月3日、当時の松本龍復興相の語った有名な言葉です。
(菅直人第2次改造内閣時、2011年3月11日の東日本大震災発生後、 6月27日復興対策担当大臣に松本龍が就任、7月3日に初めて被災地入りし、 訪問先の宮城県庁、岩手県庁での発言が批判を集め、7月5日、松本は大臣を辞任した。)
詳しくは、  「権威をカン違いした男たちの物語」〜外国人記者が伝えたこと

この言葉は「震災復興特区」制度と言えども、地方が手を挙げて、政府に特別枠で規制緩和の許可を求め、 補助金を陳情する制度であるとの政府の考え方を示しています。

(4) 特区民泊で試行、新法民泊へ拡大 

この頃、2005年頃からアメリカを始め世界各地で発生した民泊仲介サイトが急成長し、登録物件が拡大、 2015年で191か国、3万4千都市、登録物件数は200万件以上に達し、日本国内でも2万件に及ぶ無届のヤミ民泊が横行していきます。

民泊は2013年(平成25年)「国家戦略特別区域法」(平成25年12月13日法律第107号)に定める「国家戦略特区」で指定された区域に限って開始されました。 特区民泊の正式名称は「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」で、旅館業法の適用から除外し、賃貸借契約で宿泊営業ができるとしています。

この特区民泊を先行実験台(Feasible Study)として、その後、「住宅宿泊事業法」(平成29年6月16日公布)で2018年(平成30年)6月15日から全国展開されました。

2. 特区制度の概要

名称創設特区数特徴
構造改革特区 2003年
(平成15年)
累計1,189(現存345)

小泉政権下で地域を限定して規制緩和を行う日本初の特区制度。
地域の特性を活かし、地域を活性化させるための規制緩和特区。
通訳案内士法の特例、道路整備特別措置法、 及び民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の特例等特区での実施状況を踏まえて、 全国的な規制緩和につなげる事が狙い。

道州制特区 2007年
(平成19年)
1

道州制の検討に寄与するため、 地域を限って広域行政に必要な権限、財源等の特例措置を講じるもの。 法制上は、全国で適用可能だが、政令で北海道のみに適用。

総合特区 2011年
(平成23年)
国際戦略第1次指定(2011.12.22) 7件

地域活性化第1次指定(2011.12.22) 26件
地域活性化第2次指定(2012.7.25) 6件
地域活性化第3次指定(2013.2.15) 5件
地域活性化第4次指定(2013.9.13) 4件
累計41件

規制緩和に加え、財政、税制、金融上の支援措置といった政策資源を地域を限定して集中的に投入するもの。 産業の国際競争力強化を目的とした「国際戦略総合特区」と、地域の活性化が目的の「地域活性化総合特区」の2つがある。(※1)

震災復興特区 2011年
(平成23年)
31

東日本大震災の被災地域に限定して、 規制緩和、財政・税制・金融上の支援措置を適用するもの。 地域からの提案により特例を追加。

国家戦略特区 2013年
(平成25年)
10区域

安倍政権下で2013.12.15公布の「国家戦略特別区域法」に基づいて、 2014年(平成26年)5月に最初の「区域計画」を国家戦略特別区域諮問会議が指定しています。

※1 総合特区に関連する予算措置の概要
地域の戦略・提案に基づく総合特区に関する計画の実現を支援するため、 各省の予算制度を重点的に活用した上でなお不足する場合に、 各省の予算制度での対応が可能となるまでの間、機動的に補完する「総合特区推進調整費」を151億円とし、
@国際戦略総合特区20億円/計画・年 A地域活性化総合特区5億円/計画・年 を調整費による支援額の上限とする。

総合特区支援利子補給金(1.5億円)
産業の国際競争力の強化(国際戦略総合特区)や地域の活性化(地域活性化総合特区)に資する事業に必要な資金の金融機関からの借入れに対して、 当該金融機関が地域協議会の構成員であって、当該事業について認定を受けた総合特別区域計画に定められている場合、 国が当該金融機関を指定したうえで、予算の範囲内で利子補給金を支給することにより、事業の円滑な実施を支援するもので、 利子補給対象融資予定額を約700億円とし、利子補給金の支給期間をへ最初に貸付けした日から起算して5年間とする。

3. 国家戦略特区

1980年代から中国で、ひとつの国に全く異なる規制や制度を併存させるための一国二制度による経済特区が目覚しい発展を見せてきました。

日本でも小泉政権時代の2003年に構造改革特区がスタートしました。 このときは地方自治体などから要望を受けつけて霞が関の関係省庁が認めるかどうかを実質的に判断していました。 群馬県太田市は小学校から高校まで12年間、英語の一貫教育ができる特区の認定を受けたほか、 無許可で作ると酒造法違反となるお酒、どぶろく特区も各地に登場しました。

構造改革特区は約1200件が認められ、うち1割に当たる120件前後がその後、全国に広がりました。

これまでは地方の要望をもとに特区を指定してきましたが、 安倍政権下では、2013年12月15日公布の「国家戦略特別区域法」に基づいて、 政府の諮問会議が主導して特区の内容や地域を選ぶようになっていきます。

出典:首相官邸ホームページ > 国家戦略特区(平成29年11月9日更新版)平成30年4月時点

(上記の内容をわかりやすく図で示すと)
(マンションNPO作成)

国家戦略特区の事例(平成29年10月現在、10区域が指定)
兵庫県養父市:新規事業者による耕作放棄地の再生・大手企業の農地取得の解禁
宮城県仙台市:都市公園内における保育所等設置の解禁(特区から全国展開)
新潟県新潟市:大手コンビニ事業者が農業生産法人に参入(特区から全国展開)
秋田県仙北市:ドローンレースの開催・自動走行バス運行の公道実証実験(近未来技術実証特区)
新潟県新潟市:大手コンビニ事業者が農業に参入
千葉県千葉市:マンション各戸のベランダにドローンで直接配送(近未来技術実証特区)
愛媛県今治市:獣医大学(加計学園)の誘致(学校経営者は首相の友人・首相案件・国費投入)
広島県:外国人による家事支援・起業・診療
北九州市:歩行支援ロボットの実用化の推進、「シニア・ハローワーク」
東京都大田区、大阪府、大阪市、北九州市:国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊) ・・等

4. 特区民泊

 特区民泊の法的根拠

特区民泊とは、国家戦略特別区域法(法律第107号(平成25年12月15日公布)第8条(区域計画の認定)に基づいて、 国家戦略特別区域会議が定めた「区域計画」の中のひとつで、 同法第13条(旅館業法の特例)に基づいて策定された「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」を略して「特区民泊」と呼びます。

特区民泊は「旅館業法の適用を除外する特例の指定を受けた特区区域」の自治体が定めた条例がある地域に限り、 賃貸借契約で旅館業を営業できる形をとっています。

(1)賃貸借契約ということは、空き室、空き家、別荘を賃貸で貸すということで、 通常予想されるホスト同居型、ホームスティ型は、特区民泊ではできません。

(2)特区区域であっても、条例で民泊禁止と指定された区域は勿論禁止で、自治体の民泊条例のない区域での民泊も違法です。

 参考(国家戦略特別区域法)抜粋

 (旅館業法の特例)
第十三条 国家戦略特別区域会議が、第八条第二項第二号に規定する特定事業として、 国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(国家戦略特別区域において、 外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき一定期間以上使用させるとともに 当該施設の使用方法に関する外国語を用いた案内その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供する事業 (その一部が旅館業法(昭和二十三年 法律第百三十八号)第二条第一項に規定する旅館業に該当するものに限る。) として政令で定める要件に該当する事業をいう。以下この条及び別表の一の項において同じ。)を定めた区域計画について、 第八条第七項の内閣総理大臣の認定(第九条第一項の変更の認定を含む。 以下この項及び第九項第二号において「内閣総理大臣認定」という。) を申請し、その内閣総理大臣認定を受けたときは、 当該内閣総理大臣認定の日以後は、当該国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を行おうとする者は、 厚生労働省令で定めるところにより、 その行おうとする事業が当該政令で定める要件に該当している旨の都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、 市長又は区長。以下この条において同じ。)の認定(以下この条において「特定認定」という。)を受けることができる。

2 特定認定を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、 次に掲げる事項を記載した申請書及び厚生労働省令で定める添付書類を都道府県知事に提出しなければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
 二 その行おうとする事業の内容
 三 前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

3 都道府県知事は、特定認定の申請に係る事業が第一項の政令で定める要件に該当すると認めるときは、特定認定をするものとする。

4 特定認定(次項の変更の認定を含む。以下この項及び第九項において同じ。)を受けた者(以下この条において「認定事業者」という。) が行う当該特定認定を受けた事業 (第八項及び第九項第三号において「認定事業」という。)については、旅館業法第三条第一項の規定は、適用しない。

5 認定事業者は、第二項第二号又は第三号に掲げる事項の変更をしようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、 都道府県知事の認定を受けなければならない。 ただし、その変更が厚生労働省令で定める軽微な変更であるときは、この限りでない。

6 第三項の規定は、前項の変更の認定について準用する。

7 認定事業者は、第二項第一号に掲げる事項の変更又は第五項ただし書の厚生労働省令で定める軽微な変更をしたときは、 厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

8 都道府県知事は、この条の規定の施行に必要な限度において、認定事業者に対し、認定事業の実施状況について報告を求めることができる。

9 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、特定認定を取り消すことができる。
 一 第九条第一項の規定による認定区域計画の変更 (第八条第二項第二号に規定する特定事業として国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を定めないこととするものに限る。)の認定があったとき。
 二 第十一条第一項の規定により認定区域計画(第八条第二項第二号に規定する特定事業として 国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を定めたものに限る。)の内閣総理大臣認定が取り消されたとき。
 三 認定事業者が行う認定事業が第一項の政令で定める要件に該当しなくなったと認めるとき。
 四 認定事業者が不正の手段により特定認定を受けたとき。
 五 認定事業者が第五項又は第七項の規定に違反したとき。
 六 認定事業者が前項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 国家戦略特別区域法における他の法令に関する特例規定

同法において、従来法の制限を緩和する規定
(認定区域計画に基づく事業に対する規制の特例措置)は下記の通りです。

(旅館業法の特例・第13条)・(医療法の特例・第14条)・(建築基準法の特例・第15〜16条)・(道路法の特例・第17条) ・(農地法等の特例・第18〜19条)・(土地区画整理法の特例・第20条)・(都市計画法の特例・第21〜23条) ・(都市再開発法の特例・第24条)・(都市再生特別措置法の特例・第25条)・(政令等で規定された規制の特例措置・第26条) ・(国家戦略特区支援利子補給金の支給・第28条)・(国家戦略特別区域諮問会議(内閣府設置法に追加)(第29〜40条))

 その後の改正

2016年(平成28年)10月31日に国家戦略特別区域法施行令及び施行規則の改正が施行され、 宿泊期間について、それまで7日から10日までの範囲の中で各自治体で条例で定めることになっていたものが、 2泊3日〜9泊10日までと緩和されたことに伴い、東京都の大田区では2016年1月29日の民泊条例施行時「6泊7日以上」の規制が設けられていたものを、 2017年(平成29年)1月1日から2泊3日の営業ができるように条例を改正しています。

一方で、近隣住民との調整や滞在者名簿の備付けなどの要件が新規に追加されました。

 マンション民泊における注意事項

管理規約において区分所有者がその専有部分を特区民泊に使用することを「禁止する」旨を明示した規定があるときは、 特区民泊の認定は受けられません。

区分所有建物で特区民泊の認定を受ける場合、 管理規約において区分所有者がその専有部分を特区民泊に使用することが「できる」旨を明示した規定があるときは特区認定の対象となります。

また、管理規約が標準管理規約のままとなっており、「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、 他の用途に供してはならない。」との規定がある場合については、管理組合として既に特区民泊を禁止する決議をされている場合を除き、 特定認定の対象となります。特区民泊という制度自体がもともと住宅としての施設利用を前提とした制度となっているためです。

その後、特区民泊の後に制定された民泊新法に基づく民泊では、 民泊申請時に規約に民泊を可能とする規定がなければ許可しないとするガイドラインを公表しました。

国土交通省は、2017年(平成29年)8月、マンション標準管理規約を改正し、 民泊新法に基づく民泊を許容する場合と禁止する場合の双方のモデル規定を提示しています。

 特区民泊の実態

2016年1月29日 東京都大田区、2016年4月 大阪府で特区民泊の民泊条例が施行されました。
大田区の認定件数は2016年(平成28年)8月23日時点で23施設、大阪府の認定件数は2016年8月24日時点で3施設という状況でした。 いずれも滞在期間が6泊7日以上という条件があったからです。

2015年9月9日の国家戦略特区諮問会議で、6泊7日以上という滞在期間を2泊3日に緩和する閣議決定がされたことを受けて、 各自治体は、2017年(平成29年)1月1日から2泊3日の営業ができるように条例を改正しました。 それでも2018年(平成30年)2月7日時点で、大阪府の認定件数は7施設にとどまります。

条例では、事業者は施設近隣住民へ事前説明すること、苦情窓口の設置、滞在者名簿の備付、 対面等による本人確認などの措置を義務付け、ごみ処理や騒音等にかかる近隣住民からの苦情を適切に対応しない場合は、 自治体が立入調査を行い、必要な場合は認定の取消しが行われます。

5. 民泊新法の成立へ

(1)平成27年6月16日規制改革会議「規制改革に関する第3次答申」の内容

具体的な規制改革項目として「B主に地方自治体が所管する規制の改革」の中で「小規模宿泊業のための規制緩和」、 具体的にはインターネットを通じ宿泊者を募集する一般住宅、別荘等を活用した宿泊サービスの提供の法制度を検討する。 【平成27年検討開始、平成28年結論目標】

(2)平成27年6月30日閣議決定「規制改革実施計画」
 個別措置事項・「主に地方自治体が所管する規制の改革」

No事項名規制改革の内容 実施時期所管省庁
17

小規模宿泊業のための規制緩和B(インターネットを通じ宿泊者を募集する一般住宅、 別荘等を活用した宿泊サービスの提供)

インターネットを通じ宿泊者を募集する一般住宅、別荘等を活用した民泊サービスについては、 関係省庁において実態の把握等を行った上で、旅館・ホテルとの競争条件を含め、 幅広い観点から検討し、結論を得る。

2015年(平成27年)検討開始、2016年(平成28年)結論

厚生労働省

(3)平成27年6月30日閣議決定「規制改革実施計画」

民泊に関するルール整備に向け、
2015年(平成27年)11月から「民泊サービス」のあり方に関する検討会開催(計13回開催)、
2016年(平成28年)3月15日「中間整理」発表、
2016年(平成28年)6月2日「規制改革実施計画」民泊についての枠組みが閣議決定。
2016年(平成28年)6月20日「「民泊サービス」のあり方に関する検討会最終報告書」
         「「民泊サービス」の制度設計のあり方について」答申

2017年(平成29年)6月16日「住宅宿泊事業法」(民泊新法)公布
2018年(平成30年)6月15日施行

掲載 2018/5/17