15.工事後のアフターも重要
1. 工事保証
新築工事の瑕疵担保期間は、民間連合協定工事請負契約約款によれば、通常2年、 重大な瑕疵については10年(品確法において、平成12年4月1日以降の新築住宅の契約では、 構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分について10年の瑕疵担保責任が義務化)となっていますが、 改修工事における瑕疵保証は、外壁工事などが5年、屋根防水工事などでは材質により5〜10年程度が設定されています。
2. 工事後のアフターサービス
大規模修繕工事では、施工後の点検を見積条件とするケースが多く、工事請負契約で、 工事後のアフターサービスも施工会社に義務付けています。
施工後の点検は、通常、1年点検、鉄部塗装の保証が切れる2年、 外壁保証の5年などで行われます。
このようなアフターサービスを専門に行う部署をもつ施工会社もあります。
管理組合の自主点検で不具合を発見した場合、このような部署を持っている 施工会社では能動的にすばやく対応できることも利点です。
但し、対応となると別で、あきらかな外壁のせん断クラックを管理組合に対しては 軽微な乾燥収縮クラックだと主張して、取り合わなかった例もあり、施工監理を行ったコンサルタントは、 工事完了後といえども、気を抜けません。定期点検には施工監理を行ったコンサルタントも立ち会います。
3. 工事後のアフター点検
施工会社と管理組合との約束事なので、忘れないようにアフターの時期を管理室に貼っておいて、 管理会社と管理組合で協力して進めるようにしてください。
下記の法定点検時期に合わせて施工部位の点検もするのもひとつの方法です。
4. マンションの主な法定点検
法定点検の名称 | 関係法令 | 対象となる設備 | 点検のサイクル |
特殊建築物定期調査 | 建築基準法 第12条1項 | 建築物の敷地、構造および建築設備 | 3年に1回 |
建築設備定期検査 | 建築基準法 第12条3項 | 換気設備、排煙設備、非常用の照明装置、給排水設備 | 1年に1回 |
昇降機定期検査 | 同上 | 昇降機(エレベーター) | 1年に1回 |
消防用設備等点検 | 消防法 第17条3の3 | 消火器具、消防機関へ通報する火災報知設備、誘導灯、誘導標識等 | 外観・機能点検:6カ月に1回 |
屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、屋外消火栓設備等、自動火災報知設備等(各種火災報知設備)、非常警報器具及び設備、避難器具、排煙設備、連結散水設備、連結送水管 | 外観・機能点検:6カ月に1回 総合点検:1年に1回 | ||
動力消防ポンプ | 作動・外観・機能点検:6カ月に1回総合点検:1年に1回 | ||
非常電源(配線の部分を除く);非常電源専用受電設備または蓄電池、自家発電設備 | 作動・外観・機能点検:6カ月に1回 総合点検:1年に1回 | ||
配線 | 総合点検:1年に1回 | ||
製造後10年を経過した屋内消火栓設備等の消防ホース、設置後10年を経過した連結送水管の配管 | 耐圧性能試験:3年に1回 | ||
専用水道定期水質検査 | 水道法 第3条6項、34条 | 水槽の有効容量が100uを超える施設、口径25mm以上の導管の全長が1500mを超えるもの、居住人口100人を超えるもの、1日最大給水量が20uを超えるもの | 水質検査:月1回 消毒の残留効果に関する検査等は毎日 |
簡易専用水道管理状況検査 | 水道法 第3条7項、34条の2 | 水槽の有効容量が10uを超える施設 | 登録検査機関による水質検査:1年以内ごとに1回 水槽の掃除:1年以内ごとに1回 |
自家用電気工作物定期点検 | 電気事業法 第39条、42条 | 高圧(600V超)受電設備 | 年次点検:年1回 |
浄化槽定期検査 保守点検 清掃 | 浄化槽法 第7条〜11条 | し尿および雑排水を処理する浄化槽 | 指定検査機関による定期検査:1年に1回 保守点検:浄化槽の種類により1週〜6ケ月ごとに1回以上 定期清掃:浄化槽の種類により6ケ月〜1年ごとに1回以上 |