X2.修繕の基礎知識
1. 大規模改修工事で確認申請が必要なケース
1. エレベーターの更新工事
(エレベーター設置工事とエレベータそのものの確認申請の両方が必要です。)
2. 新築(集会所・コミュニティセンター等の共用付属施設の新築等)
3. 増築(居室増築、バルコニーの屋内化、エレベーター等の共用部分の増築)
4. 築造・設置(自走式立体駐車場の新築、エレベーターの設置等)
5. 模様替え(住戸の2戸1戸化、集会所・コミュニティセンター等の建物内の改造、建物共用部分の改造、耐震補強等)のうち、
主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段)の一種以上を、過半(1/2超)にわたり模様替えする場合
(注):建築基準関係法令(建築基準法、及び同法施行例、消防法等)では下記の場合、確認申請が必要です。
建築工事 | 内容 |
建築 | 「建築」とは、建築物を新築、増築、改築又は移転することをいう。(建築基準法第2条9の3の13)
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大規模の修繕 | ・修繕とは、経年劣化した建築物の部分を、既存のものと概ね同じ位置に同じ材料
、形状、寸法のものを用いて現状回復を図ることをいう。
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大規模の模様替え | 模様替えをする建築物の部分のうち、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段)の一種以上を、過半(1/2超) にわたり模様替えすることをいう。(建築基準法第2条9の3の15) |
築造・設置 | 築造:工作物(高架水槽、自動車車庫等)を新設、増設すること。
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1.防火・準防火地域外で、増築・改築・移転に係る部分の延べ面積が10u以下の場合は確認申請は不要です。
2.平面式駐車場の増設や独立して設置する簡易な構造の自転車・バイク置場の増設には確認申請は不要です。
3.機械式駐車場の場合は工作物としての審査が必要です。
4.耐震診断の結果を踏まえて耐震改修を行う場合、「耐震改修促進法」に基づき、耐震改修計画について所管行政庁
の認定手続きを行うことにより、建築確認の手続きが不要となる場合があります。また、認定を受けると、建築基準法の既存不適格建築物に係る
制限の緩和や、耐火建築物に係る制限の緩和を受けることができます。
2. 既存不適格の場合
増築、大規模な模様替え等に伴い建築確認申請をする場合は、当該部分のみならず、建物全体について 建築基準関係規定に適合しているかどうかの審査を受けます。このため、既存不適格(建築当時は適法であったものの、その後に 違法な状態となったもの、例えば確認を受けて建物が完成した後に分譲主が敷地を分割して売却したために建物全体が建ぺい率等の基準を満たさなくなったもの、 或いは、法律が改正されて改正後の規定に適合しなくなったエレベータ等)である場合、建物全体が現行規定に適合するよう是正 しなければなりません。
このことは、特に高経年マンションの場合、構造関係規定上の不適格(帯筋比、耐震性)、防火関係規定上の不適格(高層区画 、竪穴区画、避難施設、排煙設備、内装制限、非常用昇降機・非常用進入口・非常用照明等)が生じることがあります。 但し、現行規定への是正については「既存不適格建築物に対する制限の緩和」措置が設けられており、例えば、増改築部分の床面積が 50uを超えない場合など、制限緩和の範囲に該当する場合には、確認申請時に適用が除外される規定があります。
3. 総合設計建築物・連担建築物
特定行政庁が認めて建築基準法第86条の「団地の総合的設計(一団地認定)」が適用され、複数の建物が同一敷地内にあるものと みなして建築された総合設計建築物や連担建築物の場合、当該建物のおのおのの認定基準に適合させた上で、変更承認申請を行うことが必要な場合もあります。
4. マンション共用部分リフォーム融資
管理組合が実施するマンションの外壁塗装・屋根防水、給排水施設等の修繕、
駐車場施設の新設・増設など、共用部分のリフォームに必要な工事資金を工事費の80%まで住宅金融支援機構から借り入れることができます。
(災害復興住宅融資(マンション共用部分補修)の場合は100%の借入れを行うことができます。)
返済期間は1年〜10年(1年単位)で、一括前払いの保証料が必要です。
住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資の詳細については、
住宅金融支援機構を参照ください。
平成25年11月1日以降の申込分から耐震改修工事を伴う場合の戸当たり限度額が引上げられています。
(150万円/戸 → 500万円/戸)